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2010年08月25日更新! |
第二章「訣別ノ路」のBD/DVDが発売され、いよいよ第三章「凶刃ノ痕」の公開も迫っている「ブレイク ブレイド」。今回、全六章の折り返し地点となる第三章にはどのような見所があるのか? 監督の羽原信義氏の作品に対する“想い”を、三章鑑賞前にインタビューをご一読いただきたい。――「ブレイク ブレイド」は羽原監督にとって「蒼穹のファフナー」(2004年)以来久しぶりのロボットアニメとなりますね。
羽原:最初、プロデューサーに教えていただいて吉永裕ノ介先生の原作を読んだのですが、非常に面白かったですね。実は漫画を読むスピードが早い方ではないのですが、「ブレイク ブレイド」に関してはあっという間に読めてしまいました。とても“燃える”内容なんですよね。
アクションが良ければストーリーも良くって。キャラクターの関係も好きですね。元々は同級生だった4人が年月を経て再会した時の気持ちは、だれでも理解しやすいものだと思います。読んでいてガンガン引き込まれていくこの感覚は、自分の世代にとっての「マジンガーZ」などにも通じるものがあるなと。なので、アニメを通して今の若い子にもこの熱さやワクワク感を伝えられたらと思っています。
――今の時代にロボットをすべて手描きすることについては、どのような意図があるのでしょうか?
羽原:本作を制作しているXEBECは「ゾイド -ZOIDS-」(1999年)でTVアニメとしてはおそらく初めて3DCGでロボットをセル風に描くことにチャレンジしていますし、それ以降も技術がどんどん進歩しているのですが、「ブレイク ブレイド」に関しては、原作を読んだ時に「この作品は手描きが合うな」と感じたんです。というのも、手描きには手描きならではの“嘘”が可能なんですね。作中のゴゥレムは新品じゃありませんから、手描きによる若干のノイズによって使い古された質感が観ている人に伝わるはずですし、ゴゥレムの機体に細かい傷を描くことについても、やはり手描きの方が長けています。
自分が子どものころに見た「マジンガーZ対暗黒大将軍」で、TVではいつも無傷の状態で出撃するマジンガーが、劇場版ではボロボロの状態なのにそれでも出撃している、そのシチュエーションにすごく燃えたんですよ。だから、子どものころから思っていた夢が映像化できるのかな、と思ってやっています。アニメーターは本当に苦労していますけどね……。ゴゥレムの傷についても、なるべく違和感のないように、戦った跡が最も画面に映える形でメカ作監が統一しています。撮影時にも「ゴゥレム処理」という特殊なフィルタを使っています。
――金属ではなく石英で造られているというのもゴゥレムの特徴ですよね。
羽原:ええ、国が違えばそこで採れる石英の種類も違うはずですから、クリシュナとアテネスでは断面の色を分けています。ですので、プラモデルを作る時にはそこもぜひ再現して欲しいですね。あと、ダメージを受けた時に散らばる石の欠片については、最初はもっとたくさん散らばらせていたんです。けど、そうすると画面がキラキラ光って、少女漫画でときめいてるシーンみたいに可愛くなっちゃうので控えました(笑)。
――手描きならば、現実にはありえないパース(遠近法)も可能ですよね。
羽原:CGでもロボットのパーツをバラバラに配置してカメラアングルを工夫すれば、一応できなくはないんです。ただ、いわゆる“嘘パース”を活かした構図については、手描きだからこそ可能なかっこいいポーズも多いですね。あと、ゴゥレムのデザインはどれもアニメーター泣かせなんですよ。実際に描いてみるとわかるんですが、それぞれのパーツが外に向かってすぼんでいる台形なので、逆パースにならないよう描くのが非常に難しいんです。
特に、第一章を制作している時点ではプラモデルなどの立体物もまだ出来上がってなかったですからね。今は参考にさせていただいているので、ずいぶん助かってます(笑)。ゴゥレムのデザインには、原作とアニメと立体物でそれぞれの良さがありますので、ぜひいろいろと楽しんでいただきたいです。一般機のファブニルなんかも、最初は地味なデザインに見えますが、立体物を見ると意外なかっこよさに驚きますよ。
――ライガットの搭乗する主役機デルフィングのデザインが章ごとに異なるのも大きな特徴ですが。
羽原:毎回、装備が付いたり外れたりして本当に大変なんですよ(笑)。アニメーターにとっては「ようやく描き方がわかってきたのに、また変わるのか!」となりますから。もちろん、デザインごとに見せ方をいろいろと工夫できるので、作っていて非常に面白くもあります。
――ほかに作画の見所はありますか?
羽原:これまでのロボットアニメの演出ではNGとされている部分に敢えて踏み込んでいる部分がありますね。例えば、二章でデルフィングが全力疾走で逃げるシーン。不格好に見えますけど、主人公が戦闘が嫌で逃げるというシーンを、わざと不格好に見えるようなアングルでやっています。
あと気付きにくい点だと、二章のゼスをエレクト機が追いかけているシーンでもよく見ると走っているだけじゃなく、途中に細かくジャンプしているので、微妙にタイミングのずれなどが演出されているんですよ。ぜひ、Blu-rayでご確認ください(笑)。
――デルフィングのプラモデル(第一形態)は品切れ状態だそうですが、これも本編での動きがかっこいいからこその反響だと思います。
羽原:まじっすか! 立体物に関しては制作途中で監修をさせていただくのですが、監修と言うよりも「かっけえー!」と歓声ばかり上げてますね(笑)。
――では、続く三章以降で力を入れているところはどこでしょうか?
羽原:デルフィングの第三形態は通常の装甲の上にさらに装甲を付けているので、その重量感を動きのずれで表現しています。身体の動きから少し遅れて、装甲部が揺れるんですよ。あとは背景美術ですね。第三形態の出てくる戦場は平地で視野の開けた場所なので、ゴゥレムが走っているのが気持ちいいんですよ! あと四章ではお客さんから募集したキャラとやられセリフが登場しますよ(http://breakblade.jp/campaign/)。
――原作になかった要素はこれから登場するのでしょうか?
羽原:基本は原作に即していますが、ストーリーの時系列を若干変更していますね。原作二巻のとある発言が二章になかったことについて、一部で騒がれているようですが、ちゃんと後で登場します。表現に規制がかかっているわけではないので、ご安心ください(笑)。 規制といえば、四章でもシギュンのサービスシーンはもう……(絶句)
また、ロボットにばかり目がいきがちですが、キャラクターについても細かい芝居をさせています。会話している時の瞳の動きなど、映画だから可能な細かい演出も多いので、その辺りも楽しみにしていただきたいです。スクリーンだからこそ細かく見えるはずですし、逆にお家であれば劇場で暗くてはっきりしなかったところまで見えるはずです。装甲の内側の靱帯が千切れてたりとかしてますよ。そこもぜひBlu-rayで(笑)。
映画ならではの点で言うと、音響面のこだわりもありますね。破壊された時に靱帯のワイヤーが切れる「ビシュゥ!」という音も鳴っているんですよ。機体が倒れる時にも「ゴゴゴゴ」と鳴った後、重心が変わって「ギギー」と石の擦れる音が聞こえたりとか。
――二章までのお客さんの反応はいかがでしょうか?
羽原:劇場に来て下さったのは20代の方が多いみたいですね。ただ、うちの次男も楽しんでますし、年齢問わず楽しめる作品だと思います。ぜひ親子でご覧になってくだささい。ちょっと大人っぽいシーンもありますが、それもお子さんには必要です (笑)。スパンの長い作品ですので、ご覧になった皆様のご感想もぜひお寄せ下さい。現場の励みになります!
子どものころの夢を「ブレイク ブレイド」で実現されたという羽原監督。それだけにロボットの動きや音に至るまで伝わってくる。BDや劇場ではそうした監督のロボットアニメに対する“想い”などにも注目しつつ楽しみたい。
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