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2009年09月15日更新!


アイン・デコマス製作日記第1回:作業開始!! 下地処理&肌色塗装



Phantom 1/8 アイン GA Graphic Ver.

 現在、絶賛予約受付中のGA Graphic「ファントム」アインフィギュアは、“キャラホビ2009”で多くのファンから注目を集めた。りゅんりゅん亭の遠那かんし氏による素晴らしい原型とともに、製作を担当するコトブキヤのフィニッシュも見事な仕上がりだった。

 今回、“キャラホビ”で出展されたデコマスは、コトブキヤのフィニッシャー陣の切り札・西山幸雄氏があらゆるノウハウを投入して完成したものだ。発売を記念して数回に分けて、その驚愕の製作過程をブログ風に連載していただく。このクオリティなら、このフィギュアは胸をはってオススメできる。

 それでは西山さん、連載、よろしくお願いいたします。

◆ ◆ ◆

 はじめまして~。コトブキヤで完成品を担当しておりますマザー・Fこと西山幸雄でございます(アスキーメディアワークスさん発行「フィギュアマニアックス」をお読みの方はお久し振りでございます。マザー・Fがひさかたぶりにライター稼業に帰ってまいりました!)。

 今回から3回に分けて、私が完成品を作らせていただいた「ファントム」よりアイン(原型はりゅんりゅん亭の遠那かんし氏だ!)の完成品製作の工程をお見せしていきたいと思います。

 ガレージキット製作に興味のある方、美少女フィギュアのデコマス(後述)がいかに製作されているのか興味のある方々にとって多少なりとも満足できるような内容を目指して頑張っていきますので、しばしのお付き合いよろしくお願いします。

 デコマスとはデコレーションマスターの略です(ペイントマスターとも呼ぶ)。雑誌やWebの広告媒体に掲載するための完成品、および中国工場での大量生産時における完成品見本を指します。どれだけ原型が良くできていても、デコマスがよろしくないできだと何千個(ときには何万個)も大量生産するPVCフィギュアのできまで……なコトになるという恐ろしく責任重大なモノです。なので各メーカーさんともデコマスのデキにはものすご~~く気を使っておられます。


 前置きはこれくらいにして、実作業に入っていきましょうか。美少女フィギュアの完成品製作、まずは下地処理からです。

 ガレージキットを作ったことがある方にはお馴染みの光景でしょう。どんな綺麗な完成品も最初はキャストパーツがバラバラのこの状態から始まります(上写真)。

 これのバリを取って、サーフェイサーを吹いて、気泡を埋めて、組み立てられるように真鍮線で接合部に“軸”を打って、最後にホワイトを全体に吹いて塗装直前の真っ白けまで持っていったのが、はい。これで~す(下写真)。

“磨き”終了(文章だと数行ですが、本来は地味~でメンドクサ~イ作業が延々と続きます。そんなの読んでてツマンナイから省略しました。今回の連載はWEBで配信されるのでよりエンターテイメント性を重視していきます。御容赦)。

 あ、そうだ。ガレージキットとかガンガン作っているコアなヒト向けにちょっとだけアドバイス。パーツが串刺しになって刺さっている奥の“島”と手前の“島”でサフレス(サーフェーサーを吹かない)のものと、そうでないモノに分かれております。手前の“島”は肌色が絡んでくるのでサフレスに、奥の“島”はそんなに透明感とか気にしなくっていいのでサフ(サーフェイサー)を吹いて仕上げております。

 仕上げる手間を考えるとサフを吹いた方が断然仕事が早いですからね。省略できるところはガンガン省略して時間を稼ぐのがプロの仕事です(なんて言ってみたりして。カッコいいw)。別に手を抜くというわけではなくて、稼いだ時間をより力を入れて作りたいところのためにとっておくわけですな。仕事で作ってますから全体の時間は限られているわけで、その中でより重要なところに全力を注ぐために時間を稼ぐわけです

 では塗装に入っていきます。上着のパーツに“白に近い淡~いウグイス色”を塗っていきます。

 ホワイトを基調にフィールドグレーとミディアムブルー、ほんの少しタンを混ぜたものを調色してベース色と影になるシャドー色を作ります。これが、そのとき使った色たちです。

 ちなみにMrカラーの背後にいるでっかい白ボトルはロックペイント社のホワイトが入っています。1ガロン缶(ほぼ4リットル!)のお徳用サイズで市販されているのをコトブキヤの原形部屋では愛用しております。個人で購入したら10年は持ちそうな量ですが原形部屋では半年で使い切ってしまいますw。

 はい、てなわけでこんな感じで塗装が終了(う~ん、ゴメンなさい。塗装途中写真を撮り忘れちゃったのさ)。

写真!
写真!

 ベース色を光が当たる明るいところに、シャドー色を影となる暗いところに吹き付けてあります。写真だと塗装してあるのがよく分からないかもしれませんが、それは上手いこと塗装できているという証拠だったりします。

 なぜなら真上から照明を当てたときに明るくなるところ、暗くなるところはどこかっていうのを考えて塗装をしますから、写真の状態で「塗装やってます」って見えちゃうようだとまずいわけなんですな。シャドーはあくまで陰影の強調で付けるのであって、あんまり自己主張しちゃいかんのです。

 ちなみに胸パーツに両腕をくっつけてありますが、これは塗装のときもこのままです(奥まった部分を塗装する時は分解します)。

 こういうパーツをバラバラに塗ると得てして塗装がチグハグになりがちなので、それを避けるために敢えてこうして塗ります。ガレージキットなどを作るヒトは覚えておくといいかもです。

 さて、上着とセーラー部分等の“淡いウグイス色”の塗装が終了しました。

 ちなみに表面がクリヤーを最後に吹き付けたのでピッカピカの光沢状態。フィギュアなどの塗装をしたことがあるヒトならわかるかと思うのですが、奥まった部分の多い複雑なパーツ(髪の毛とか)を塗装すると、どんなに気を付けていても塗料が細かい粉々になって付着したりするんですね。それをむりやりナラすためにクリヤーで押さえ込む、というわけです(あんまり多用すると塗膜がこってりとブ厚くなっちゃうから注意)。

 お次に肌色の塗装にいきましょう。

 もちろん肌色も調色します。アインのイラストを見ながら調色して、試しに吹いてみたのが、下写真で手に持っているものです。

 イラストだと結構独特の色味をしている肌色ですが(特にシャドー周りですな)、これは「ファントム」という世界観の中では完璧にマッチしておりますが、立体でこれの色味をまんま再現しちゃうと「なんだかすごく体調の悪い女の子」になりかねないので、ここでは敢えてもう少し健康そうな肌色にしてあります。あとは本番で塗装するときにもう少し薄く塗って色白にしてあげたいところですな。

 ちなみに肌色の調色ですが、本格的にやるとちょっと込み入ったお話になるので、さわりだけってことでご勘弁です。

 え~美少女フィギュアの要(かなめ)ともいえる肌色は、プロでフィニッシャー稼業をしている方々もそのレシピはなかなか明かそうとしないくらいの大事なものですが、ん~簡単にやろうと思えばできなくはないです。

 一番簡単なのはMrカラーのキャラクターフレッシュIIに黄橙色をちょっと足して作るというもので、黄橙色のさじ加減ひとつで黄色味を強めたり赤味を強めたりできるので、すっげ~楽チン、かんた~んです(実際、2~3年前までコトブキヤの肌色はこうやって作っていました。何人かで完成品を作るとどうしても色にばらつきが出てしまうものですが、調色がシンプルだとばらつきも出難くくなるというわけです)。

 で、ここからはちょっと難しいほうの説明になるのですが、今回、アインの肌色を作るに当たり、使用したのはこの塗料たちです。

 ほとんど知らないヒトのほうが多いと思いますが、これは藤倉応用化工さんが発売している「アクセルカラー」といいます。どうしてこの塗料を使うかというと、顔料がものすご~く細かい上に混ざりものがほぼない「純色」だからです。

 顔料っていうのは塗料を構成する主成分のこと。色味の元です。この眼に見えないツブツブが大きいか小さいかで透明感とか左右されます。ちなみに顔料系のほかに染料系とかもありますよ(Mrカラーでいうところのクリヤー系の色たちですね。 おっと! ひとむかし前のMrカラーのお話ですね、つい最近リニューアルされて染料系から顔料系に切り替わったんだった。……ん~みんなついて来てるかなw)。

 この塗料を使って肌色を調色すると透明感があって発色もきれ~いなんですよ。「ホワイト+3色だけで肌色作れんのか?」って思われるかもですが、できます!!!!

 試しにちょっと作ってみましょう。

 レッドとイエローを混ぜてオレンジを作りまして、作ったオレンジにマゼンダを混ぜます。

 この状態だと「肌色~?」ってな感じですが、ホワイトを混ぜてみました。

写真!
写真!

 MrカラーのキャラクターフレッシュIIを横に並べてみます(下写真)。同じ感じになってるでしょ。ホワイト+3色で肌色は作れるんですよ。ただねえ、肌色ってやつは調色も大事だけどそれと同じくらいエアブラシの吹き方も大きいです。塗装した肌色を、より魅力的な肌色に見せるのは“色”はもちろん大事ですが、それプラス“透明感”が相当大事だと思うのですよ。

 字数の制限もあるので詳しくは書きませんが、取り敢えずベタ塗りを避けて、クリヤーで色を薄めて、慎重に塗り重ねていく。簡単にいうとこれだけです。興味があるヒトは挑戦してみてください~。

 というわけで、アインの肌色が塗り終わりました。透明感のある、ピチピチした感じに塗れたと思います。

写真!
写真!

 脇腹とかおへそ周り、パンツと腰骨の境界線とか我ながら上手く塗れました! ちなみに肌色がツヤツヤでぴっかぴかに光っているのは上着のところでも説明しましたが、クリヤーを最後に吹いているからです。ここでのクリヤーの役割はどっちかっていうと塗膜の保護の意味合いが強いです。相当に神経を使って塗装してますからね~。傷とか付けちゃった日にゃあ、おうちに帰ってふて寝ですからw。

 次回は細部の塗装を振り返ってみたいと思います。

ご予約はこちらから!




アイン ~GA Graphic Ver.~
作品名:Phantom INTEGRATION
発売元:ソフトバンク クリエイティブ
製造元:コトブキヤ
受注期間:2009年8月29日~
価格:7,500円(税込・送料込)
原型製作:遠那かんし(りゅんりゅん亭)
仕様:1/8スケール PVC・ABS塗装済み完成品、ベース付属、全高約110ミリ
※こちらの商品は、SBCr SHOP及び壽屋限定販売となります。
購入はこちら:SBCr SHOP



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