
 田中公平氏が声優陣とともにサクラ大戦ソング裏話トーク
「サクラ大戦」の名曲が収録された8枚ものCDと豪華化粧箱で1万8,900円という、ファン感涙のCD-BOX「サクラ大戦・全曲集 2002〜2006」(ウェーブマスター)がついに発売された。前回の全曲集から4年間に作られた帝都、巴里、そして紐育の各華撃団(この場合は歌劇団か……)が歌う、122曲もの“サクラソング”が楽しめ、うち2曲はこのCD-BOX用に書き起こされている。
このCD発売日前日となる12月12日の22時から、池袋の「Sakura Cafe」において発売記念トークイベントが開催された。ミニライブ一時終了以来、久々に行われた「Sakura Cafe」でのイベントだけに、平日の深夜にも関わらず多数のファンが集まった。
「サクラ大戦・全曲集 2002〜2006 発売記念 前夜祭」と銘打たれた今回のトークショーには、「サクラ大戦」の名曲群を作ってきた作曲家・田中公平氏はじめ、エリカ役・日のり子さん、ジェミニの小林沙苗さん、大神・陶山章央氏、新次郎役の菅沼久義氏がステージ上に。うぉおおお!! 公平先生と、巴里&紐育のWヒロイン&W隊長が目の前にっ!! ファンもこの豪華メンバーの放つオーラに思わず感激していた。
トークはファンから募集したという質問に、メンバーがそれぞれ答えていくという形で行われた。が、ま、そこは「サクラ」メンバー、他人のコメントに突っ込みを色々入れて来場者のウケをとるシーンが続出してました(特に公平先生と日さん……)。
お気に入りの曲は? の質問に、日さんは「エリカらしいのでやっぱり“涙よ、Au revoir”が好きです。(前回のBOXに収録されている)“おはようボンジュール”も、自分では初めて目覚ましになったので思い出深いなあ……」と答える。“おはボン”は最初に聞いたときに、(いい意味での)エリカのおバカぶりに思わずひっくり返ったもんなぁ。
「最初に収録した“サムライ魂”が印象深い」というのは小林さん。「V」本編の前の「エピソード0」の曲で、「(収録のときに)これから始まるという期待と同時に不安もあった」と振り返った。また帝都や巴里の最初の収録は、各華撃団全員で多人数の収録だったが、紐育は「エピソード0」が先行であったため単独での収録だったのも、緊張が増したのでは? と公平先生のフォローも入る。
われらが陶山さんは、「“君よ花よ”かなぁ、でも“甲板フラフラ”もいいなあ、それに……」と1曲に絞れない様子。それを見た日さんたちに「楽屋では『“君よ花よ”に決めている』って言ってたじゃない」とツッコミが。でも、このメンバーだと、ごまかしのギャグも冴えていた大神さんなのでした(何故だろう?・笑)。菅沼さんは、まだ2曲しか持ち歌がないのだが、両方とも思い出深いようだ。「田中先生に『だんだん上手くなった』とほめられて、歌うのが楽しい」(菅沼さん)そうなので、今後の新次郎クンの歌に期待したいところ。
注目の公平先生のお気に入りは「すべてが子どものようなものなので、優劣をつけることはできない。でも敢えていえば“檄!帝国華撃団”と“花咲く乙女”かな。もう12年前に広井(王子)さんと作った最初の曲で、これがみんなに気に入ってもらえたおかげでここまでこれたと思う」と話す。専門ショップまでできてグッズが溢れている今では信じられないかもしれないが、'96年9月にゲームが発売されて数カ月、ほとんど「サクラ」関連グッズというのは一般販売されなかった。ほぼ最初にリリースされたこの2曲が収録された初代CDシングルは、何千回聴いたことか……。
持ち歌以外で歌ってみたい曲については、「不思議な感じがある“月夜の森へ”」(日さん)、「ゲストに呼んでいただいた歌謡ショウで好印象だった“ゲキテイ”」(小林さん)、「歴代主題歌を全部歌いたいので“地上の戦士”。ほかにロボットヒーローみたいな曲も歌いたい」(陶山さん)、「かっこいいので“君よ花よ”」(菅沼さん)といったところ。
デュエットしたい相手に、日さん&小林さんが陶山さんを指名し、テレまくる大神隊長!! その陶山さんは菅沼さん、菅沼さんは小林さんと一緒に歌いたいとか。なお新次郎とダイアナ(松谷彼哉さん)のデュエット曲はこの日(12日)の朝に完成したという田中さんのひと足早い情報に、来場者たちも大喜び!! 田中さんは全メンバーで歌う曲も作りたいみたいです。
また、作曲の苦労に関して田中公平氏は、「サクラは世界観が理解できているので、すぐに曲が書ける」と言う。だが、段々曲に求められるものが高くなっていると苦笑。「帝都の“ゲキテイ”は30分でできた。巴里の“御旗のもとに”はもっといいものを、の声で3日かかった。紐育の“地上の戦士”はさらに高いものを要求され、4〜5曲も作って1週間ほどが必要だった」と裏話を聴かせてくれた。会場からは貴重な話に思わず「ほー」と声があがる。
さて、今回新収録された「花雪洞」(HANA BON-BORI)は、さくら(横山智佐さん)、エリカ、ジェミニの3ヒロインが歌う新曲。急きょイベント会場で流されたが、日さん&小林さんも完成版を聴くのが今回初めてとのこと。もちろん、会場のファンも初めて聴く、ヒロインの共演に感激。1番はさくらが歌い日本風に、2番はエリカが歌い欧州風に、3番はジェミニが歌い……という同一ベースながらメインボーカルに合わせて調子が微妙に変化していく。またさくらのサビにはエリカ&ジェミニのコーラスが、エリカのサビにはさくら&ジェミニのコーラスといったような、もーたまらない曲。「コーラスで支えられている感覚があって心強かった」と日さんは語る。
「花雪洞」は、このCD-BOXに入っている(ほかの)曲は既に既存のCDで持っているファンが多いだろうから、ということで、田中氏が急きょ新曲として追加してもらったうちの1曲。広井氏が3大ヒロインによる歌でとリクエストしたという。もう1曲、われらが三人娘の新曲は、田中氏の希望だとか。ありがとうございますっ、田中さん、いや、田中先生っ!! 三人娘の歌唱力(特に由里・増田ゆきさん)を高く評価してくれたと信じますっ!!
そうそう歌唱力といえば、田中氏は曲を作るときに、歌い手さんの実力よりほんの少し高いレベルにある曲を提供するのだとか。「ま僕が歌ってみて、歌えればだれでも歌えると思うしね(それってかなりレベルが高いんじゃ…)。それってサイテー?」(田中氏)と、ヒンシュクを敢えてかっていたが、これは照れ隠しだろう。各メンバーの実力を知り、それよりちょっとだけ難しい曲を提供することで、歌手としての努力を促しレベルアップを見据えているのではないか? ひいてはそれが「サクラ」の歌が常に高いレベルにあることとなるのだ。
今回のCD-BOXについて、声優陣は「“サクラ大戦”の10年の歴史の長さと重みを感じた」と口をそろえる。そして田中氏は、「このCDを購入してくれるファンはコアな人。バーチャルな世界を超えて曲の中の人生を感じてくれると嬉しい」と1時間近いトークショーを締めた。過去(きのう)は捨てたかもしれないけれど、「サクラ」の素晴らしい曲はこのCDとともに。そしてまだまだ「サクラ」の歌は、今後も未来(あした)さえ魅せてくれるはずだ。(牛丼の大将)
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イラスト: 松原 秀典
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