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ニューフェイス一問一答
第八回 4月15日発売「らじかるエレメンツ」
著者:白鳥士郎さん インタビュー



◆PROFILE◆

 1977年生まれ。石川県金沢市出身。
 大学時代は学生寮に寄宿し、寮生大会議長などの要職を歴任。その後名古屋に移住し、コインパーキングの車止めの金具を作る会社に三年半務めたのち、依願退職。以後執筆に専念し、本作でデビューする。
 趣味はドローイング。目標とする作家は佐藤ケイ先生。

――デビュー作品となる本作ですが、書き上げてみてどうでしたか?

 投稿段階では、もともと、自分の苦手な分野である『学園ラブコメ』を、自分の苦手な手法である『一人称文体』で書くという、一種のトレーニングのつもりで書き始めたのですが、想像以上に筆がスラスラと進みまして、予想よりも早く仕上がりました。

 投稿作品をGA文庫さんに拾っていただいて、出版のお話を頂いてから、真の苦労が始まったという感じですね。

 投稿段階の原稿では、視点人物のセリフに「」が付いていなかったり、主人公の視点パートでは読点(「、」のことです)が一切付いていなかったりと、かなり独特の文体でしたので、それを全て直しました。また、ストーリーを一から練り直したり、主要登場人物の一人を男から女に性転換させたり、ネタを全て削除したり……本当、担当編集の方には、ひとかたならぬご苦労をおかけしたと思っています。

 ですが、苦労のかいあって、購読に耐えうる作品に仕上がったのではないかと思っています。上がってきた校正稿を読んで「これ、本当に俺が書いたの?」と、出来栄えに驚きました。そこまで導いてくれた方々のおかげということですね。どれだけ感謝しても足りないと思っています。

――個性的なキャラクターたちが所せましと暴れ回る本作ですが、彼らが生まれてきたキッカケなどがありましたら教えてください

 実在のモデルとか、そういう人はいないんです。

 ですから、自分の高校時代にまわりにこんな子たちがいたら楽しかっただろうなと思いながら、想像をふくらませて書いていったという感じですね。

 また、書いていく途中に、登場人物たちが自分で話し始めたというか……「ここであたしに喋らせろ!」みたいな感じにもなりました。自己主張の強いのが数名、混じっていますんで……。

――作品の見所・アピールポイント・こだわった点などを教えてください。

 まずなにより、カトウハルアキ先生のイラストでしょう!

 個人的にファンだったこともあり、半分冗談のつもりで「カトウハルアキ先生にイラスト描いてもらえませんかねー」と担当さんにお願いしたら、「じゃあ、お願いしてみましょう」ということになり、「そうは言っても難しいだろうなー」と思っていたら、本当に引き受けてもらえることになって大層ビックリしたのを憶えています。ぶっちゃけ、カトウ先生のイラストのためだけでも買う価値があると思います。それほどのイラストを描いていただきました。ちなみに作画上の参考資料として、わたし自身が取材に行って写真を撮ってきたところもあります。具体的には名古屋城の正門なのですが、名古屋にお住みの方は、この本を片手に名古屋城見学なんてのもいいかもしれませんよ?

 文章担当の人間が文章以外のところをプッシュし続けるのもアレなので内容的なことにも触れますと、文体が少々独特です。

 複数視点型一人称文体といいますか、主人公の他にも、各登場人物がそれぞれの言葉でストーリーや心情を語ります。それ自体はあまり珍しくないのですが、本作では、その視点人物の名前がそれぞれ表示されるというのが、特徴といえば特徴です。

 こうすることにより、それぞれのキャラクターが何を考えて行動しているのかを、読者のみなさんに、より強く意識していただけるのではないかと考えています。

 この作品に出てくる登場人物は、全て、それぞれの目的を持って行動しています。ストーリーは主に主人公の視点から語られていくのですが、一度読み終わったあとに、それ以外のキャラクターの視点に立って読んでいくと、新たな発見があるかもしれません。

 また、キャラクターにはそれぞれ個性がありますから、当然、一人ずつ語り方が異なっています。主人公の嶋谷鉄太郎は早口なので読点が少なかったりとか、ヒロインの笠松羽卵は意外と乙女チックな改行多めの文体だったりとか……。

 細かいところですが、そういうところからも登場人物たちの個性を読み取ってもらえたらと思っています。

 あとは、可能な限り小ネタを詰め込みました。読者のみなさんにさまざまな笑いをご提供できるのではないかと思っております。

――最後に読者のみなさんに一言お願いします。

 まず手にとって、最初の1ページを読んでみてください。そこで笑えたら、最後の最後までお楽しみいただけることを保証します。もし1ページ目で笑えなくても、必ずどこかで笑えることを保証します。

 とにかく読んでみてください、よろしくお願いします!

 

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