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受賞者インタビュー
第十一回 5月15日発売「純愛を探せ!」
著者:速水秋水さん インタビュー



――小説を書き始めたきっかけは? いつごろから書いていますか?

 書き始めたきっかけは、まあライトノベルを読むだけでいる事に我慢の限界が来たからでしょうね。
 ある日とあるライトノベルをまったりと読んでいたら、まずは「この作品の続きが読みたい」と思うようになり、次に「この作品のような素晴らしい作品を書きたい」と考えだしました。
 やがてその思いや考えが「この素晴らしい作品を超えるような作品を書きたい!」という願望へと昇華した時、秋水はパソコンのキーボードを叩いていました。

 書き始めたのは高校時代ですね。学校と家の往復の間にネタを練ったりしてました。

 一方、投稿歴は浅くて、今回受賞した作品とその一月ほど前に書き上げた物だけですね。その一月前の作品は別の出版社の新人賞に応募したのですが、結果は……まあアレです、ボツです。
 投稿歴が殆ど無いに等しいのは、一つの作品を書き上げるのに集中できず、別の物に手を付け始める秋水の悪癖の性です。

――なるほど、小説を書き始めてから投稿し始めるまでに結構間があったわけですね。ちなみに「純愛を探せ!」を書こうと思ったきっかけは、なんだったのでしょうか?

 きっかけは大まかに分けて二つです。

 まず一つ目……秋水はラブコメが好きです。愛しているといっても過言ではありません。
 しかし、昨今のライトノベルを始めとした各メディアで登場するラブコメにはどうにも違和感を覚えていたのです。
 それは何か? 悩んだ結果、秋水の出した答えは「登場人物や設定が(良い意味で)濃すぎたり、奇抜だったりで、肝心のラブの部分が喰われている」という物でした。
 よって、書くとしたら「ラブが設定に負けない作品」を、と思い立ったのです。

 二つ目は、「巻き込まれ系の主人公にはもう飽きた!」という憤りに似た感情からです。
 何処にでもいる普通の主人公が、ある日突然一風変わったヒロインと出会って、別の世界の扉を開き踏み込んでいく。
 そういった作品は確かに面白いし感情移入もしやすい。しかし、そういった作品ばかり読んでいると、どうしても次に主人公がとるであろう行動やリアクションが読めてしまうのです。
 王道と言えば確かにそうなのですが、それを打ち破る主人公を秋水は欲して、虚言と姦淫を司る魔神カルマに行き着いたのです。

――確かに「ラブ」がしっかりしたところや、カルマの存在感が選考でも話題でした。本作を実際に書き上げてみて、どうでしたか?

 ……やりすぎました。反省はしていますが後悔はしていません。
 今はただ読者の皆様方が、秋水の暴走を許してくれることを祈るのみです。

――ところで、GA文庫大賞に本作を応募しようと思った理由がありましたら教えてください。

 GA文庫は作品の募集はやっていても新人賞等を設けていなかったのに、それがとうとう大賞の設立に踏み切った。
 その事を知ったとき「この勢いにあやかるんだ!」と思いたったのです。

――その応募で、見事に受賞となった訳ですね。刊行にあたって、応募段階から特に変わったところなどはありますか?

 大筋では変わりませんでしたが、シーンの追加や削除は幾つかありましたね。
 GA文庫から「NO 肉体関係」を突きつけられたので「やっぱまずいですよね~」と愛想良く承諾しながら「無念……」と心で嘆いたのが思い出に残っています。

――ここだけを読んだ方が誤解してしまいますよ! あとキャラ名や設定のきっかけとなったものはありますか?

 キャラ名は書いている最中、その場のノリと気分で決定しています。適当に書き上げた設定とかには「主人公(魔神)」や「ヒロイン(清純)」とかしか書いていません。
 設定……まあ、あれですよね、主人公のカルマは某アニメ番組で「間違っているぞ!」と叫んでいた彼が元の元の元くらいになってたりします。

――あぁ、芯のあるところや不器用なところにちょっとだけ面影があるかもしれませんね。

 世界観は秋水の脳内で調合された物を引きずり出しただけです。特に元ネタとかはありません。

――特にお気に入りのキャラなどはいますか?

 基本的に全員がお気に入りですね。
 女性陣はそもそも「全員攻略可」が信条の秋水ですから、言うに及びません。黒髪清純、無表情侍女、男装の麗人、サディスティックなお姫様、気の強い女軍人、ダウナー系美女……書いているだけでテンションが右肩上がりです。
 男性陣では……あえて挙げるなら九条タケヒトでしょうか。自分で書いておきながら「こ、こんな良い奴がいるはずが無い!」とか思ってしまいました。

――確かにヒロインはみんな魅力的ですね。では作品にこめられた思いを教えてください。

 純愛って素晴らしい!

――「全員攻略可」とそれは矛盾しないんですか!? キャラクター以外の作品の見所・こだわったところはどこですか?

 苦悩しながらも前に進もうとするカルマの勇姿……他にはまあ、他のキャラがいろんな場面で暴走したり、プチエロ状態になったり。
 こだわったのは、当初の予定通り「ラブコメ」である事と、主人公を「普通ではない」にしようとした所ですね。

――最後に読者に一言おねがいします

 え~と「純愛を探せ!」を今後ともどうぞよろしくお願いします。
 今後ともカルマと彼を取り巻く女性関係を書き続けたいので、そんな秋水を応援したくなったという奇特な御仁はGA文庫編集部に「速水秋水に続きを書かせろ!」とか催促してください。
 最後にまあ、言うまでもないのですが、もしかすると「純愛を探せ!」を読んだあとにこのインタビュー記事を読んで首を捻っている方が居られるかもしれませんので、一応、念のため、明言しておきます――
 ――「純愛を探せ!」はエロコメではなくラブコメです!

 

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