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受賞者インタビュー
第十五回 10月15日発売「理の守護神さま。 一.黒使の少女・龍方時雨」
著者:十目一八さん インタビュー



――恒例の新人インタビュー。記念すべき15人目となる今回は、十目一八(とおめかずや)さんにお答えいただきます! 早速ひとことどうぞ!

 ついに公開処刑の番が廻ってきましたか……。

 過去の記事を読みましたが、作家が何時でも面白い事を言えると思ったら大間違いですよ?

――公開処刑! ……いやあの、普段通りでたぶん大丈夫です(汗)。まず、どのくらい前から小説を書かれていたのかと、投稿歴を教えてください。

 書き始めたのは8年くらい前から、PCでの書類仕事の息抜きに、テキストを立ち上げて短い話を、ちょこちょこ書き出したのがきっかけですね。

 投稿歴は……勘違いされるのが怖いので言い辛いのですが、今回が初です。

 これを言うと、よく凄いとか驚かれるのですが、単に長い期間投稿しなかっただけですので、もの凄い才能があるとかではないのですよ。例えば、何回も投稿して7年目くらいで採用された人の方が才能と実力は明らかに上ですから。

 その間の人生を遊んでいた訳でもないので、投稿の少なさを恥ずべき事とは思ってませんが、1回目で採用されたのは運以外の何ものでもありませんね。

――それでも初投稿で採用されるケースは稀だと思いますよ。さて、「理の守護神さま。」を書こうと思ったきっかけはなんだったのでしょうか?

 何かを倒せば世界が救われる。白黒ハッキリと決着が着く事件が起こる。そういうものを否定した世界観を書きたかったのが、きっかけです。

 世界は容易く完結しないぞと。

 その甘くない世界でのキャッキャ、ウフフな人間関係を楽しんで頂けたらと思いながら書きました。

――キャッキャウフフて(笑)。しかし本編ではまったくキャッキャウフフしていない(※樹理の前を除く)シビアなキャラクターも一部おりますが……。むしろ彼女のせいでキャッキャウフフしているひとたちが地獄の底に突き落とされるという……。

 龍方時雨(たつかたしぐれ)ですね。

――はい。なかなか強烈なヒロインですが、現実世界にモデルになった方などはいらっしゃるのでしょうか。

 何人かいます。教師だったり、ある会社の重役だったりですね。

 基本的にキャラの性格は、これまで知り合った生身の人間のものを参考に、色々と足していき、大袈裟にデフォルメしています。そして必ずひとつは、人間として嫌な部分を入れるように心懸けてます。

 実際に時雨やサテラのような女性がいたら、私は絶対に近付きません。

――モデルになった人にさえも近付きたくないですよ!! そんな魅力的(?)なヒロインが登場する本作ですが、執筆にはどのくらい期間を掛けましたか? また、ふだん一作に掛ける執筆期間はどれくらいですか?

 本作の正確な執筆期間は、仕事の合間合間に書いていたのでハッキリしません。

 修正やら何やらに掛かる時間がまだ良く判りませんが、一作を書くのに必要な期間は、分量だけなら3ヶ月程度でしょうか。

 ただ、十目一八は弱い生き物ですので、誤差がほんの少し……12ヶ月くらい出ます。

 まあ、誤差ですね。

――今後は締め切りまでのスケジュールを13ヶ月以上前倒すようにいたします。続いて、作品を執筆されている環境と、執筆に際して主に使用されているソフトを教えてください。

 片田舎、型落ちPCで、肩を震わせながら細々と執筆してます。

 ソフトはテキストやワード、縦書き表示出来るフリーソフトを散漫的に使ってますね。

 縦書き表示の機能は、ページのレイアウトを確認をするのに重宝します。

 基本的に、PCで文章が書けるのなら問題無いです。

――やはり、文庫だけに縦書き派が多いですね。GA文庫大賞に応募される方も、普段から執筆時には縦書きをされていらっしゃる方が多いのでしょうか。せっかくですから、このままGA文庫に応募される方に有用と思われる質問をいくつかしてみましょう。まず、数あるライトノベルレーベルの中から、GA文庫大賞に応募してよかった点がありましたら教えていただけますか。

 この業界に詳しくないので、他との比較は出来ませんが、GA文庫様は修正原稿やイラストなどの確認作業等、遣り取りが非常に丁寧でした。

 作者の関わらない部分に関しても、細かく意見を聞いてきて下さったりと、安心して一緒に仕事が出来ました。

――そう言っていただけると担当としてもうれしい限りです。受賞された時のお気持ちはいかがでしたか?

 採用のお電話を頂いた時には、送った事自体を忘れてたので、暫くの間ポカンとしていましたね。この人は何を言ってるんだろうと。

 思い出してからはGA文庫様の正気を疑いました。この人は何を言ってるんだろうと。

 だって、あの内容ですよ?

――そして良いことがあればその反動も……ということで、他の新人作家さんも苦労したという、修正作業についての感想を聞かせていただけますか。

 修正作業は楽しかったです。ただ、担当様の体力パラメーターの低下が気になって仕方がありませんでした。

――良い作品ができれば回復するので大丈夫です。厳しいレビューを見ると、また下がりますが(笑)。さて、修正前と修正後の原稿で一番大きく変わったところはどこですか?

 ……文字数?

――いや、もっと他にあるでしょう。あるはずです! ある……気がしますが。知らぬが仏という言葉もありますので、深く追及はいたしますまい。ちなみに作品の見どころや、執筆中にこだわったところなどがありましたら教えてください。

 キャラクター同士の無駄会話でしょうか。

 そのために人格や世界観を細かく設定しましたから。設定は自分がキャラを動かす為に構築したので、読者が理解出来なくて、適当に読み進めても問題無いように心懸けました。

 戦闘は、斬られたり弾が当たれば人は死ぬリアル路線なのですが、こいつらは命の遣り取りが日常化しているので、どんな時も緊張感が微妙にありません。

 そんな設定での会話シーンなのですが、推敲で読み返す度に、これ書いたやつは馬鹿だなぁと思いました。

――いえ、会話シーンは本作を評価する際に重要なポイントだったと思いますよ。さて、キャラクター同士の会話が魅力とのことですが、個性豊かなキャラクターのなかで、特にお気に入りの人物などはいらっしゃいますか?

 魅柚(みゆ)?

 理由は何となく?

――魅柚! 1巻ではチラリと出てくるだけじゃないですか! そんな魅柚ですが、2巻では大活躍、する、予定、乞うご期待――!! ということで次の質問です。ラノベ作家に必要なものは、ひとことで言うと何ですか?

 文章を書ける環境以外は、特に無いと思います。

――本当にシンプルな回答をありがとうございます。これはかなりの数のラノベ作家予備軍がいるということですね! みなさん十目一八さんの後に続け! と、これだけではあまり参考になりませんので、よろしければ後輩投稿者にひとことアドバイスと、読者のみなさんにメッセージをお願いします。担当編集、美麗なイラストで作品を飾ってくださったイラストレーターのすまき俊悟さんにも、何か言いたいこと伝えたいことがありましたら、この際まとめてお話しください!

 それではまず、投稿を考えている皆さん、GA文庫様の懐は深いです。カテゴリーエラーを恐れずに自分の世界を書いて下さい。ブレーキは編集部様が代わりに踏んでくれます。

 そして読者の皆様、私の本を読んだ後に石を投げないで下さい。お願いします。

 担当と編集長のお二方には、顔合わせの際、私の住んでいる所まで遠路遙々お越し頂き、ありがとうございました。
 その時の貴重なご意見や業界のお話等、非常に為になりました。

 イラストのすまき俊悟様、綺麗な絵の出来は勿論、少ししか出番のないキャラの詳細なラフ等、これがプロイラストレーターの仕事なんだと感心しました。

 肌色カラーの口絵データは家宝にします(笑)

――ありがとうございました。肌色カラー口絵の迫力はみなさまぜひその目でご確認ください! ……え? まだ終わりじゃない? 最後にひとことあるのですか?

 目玉焼きに、醤油かソースかで争っている人は哀れだと思うよ。
 マヨネーズの私は勝ち組。

                      by 朱藤魅柚

――「理の守護神さま。」2巻、マヨネーズ大好き魅柚が大活躍!(予定)の2巻にも、みなさまどうぞご期待ください! ……まずは1巻を何卒よろしくお願いいたします。

 

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