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受賞者インタビュー
第二十回 4月15日発売「踊る星降るレネシクル」
著者:裕時悠示さん インタビュー



――まずGA文庫大賞への応募理由を教えてください。

 1.書き上げる予定日に一番近い〆切 2.評価シートが丁寧という評判 3.まだ新しいレーベルなので自分たちで歴史を作っていける、この三点です。特に3.はたまらなく魅力的ですね。そもそも小説家目指すこと自体が大博打なわけですし、挑戦者として既存レーベルに挑めるというのは自分自身にとっては+と考えます。

――受賞の連絡を受けた時のお気持ちはどうでしたか?

 公式発表の2週間くらい前に連絡をいただいて、「こんな早い時期に決まっているものなのか」と驚きました。

――受賞の連絡は、発表日の2週間前だったり、2日前だったりと、最終選考がいつもまちまちなので特に決まっていないですね。

――刊行にあたって応募原稿から変更があったポイントはありますか?

 変更点ではないのですが、担当さんや編集長から頂いた「演出強化ポイント」は燃えました。

――燃えた、とは?

 このハードルを跳び越えればもっと面白くなるな、という確信をくれるご指摘ばかりでしたから。一人で孤独に書いていた時にはなかったワクワク感で、血がたぎりました。これを味わえただけでも賞をいただけて良かったなと思います。

――特に印象に残ってる指摘はありますか?

 ホテルのラウンジでの最初の打ち合わせの時にですね、編集長が「ほっぺちゃん(ヒロインのすまるのこと)可愛いねえ!」「ふるちん(主人公の友人・乾のこと)の行動原理をもっと読者に伝えて!」と。もう度肝を抜かれましたね。周りはみんな難しそうな顔で商談してるラウンジで「ほっぺちゃん!」「ふるちん!」ですよ!? うおお負けてらんねえ、この情熱と今後は闘ってかなきゃならねーんだ、と覚悟を決めた瞬間でした。

――GA文庫で好きな作品はありますか?

 第一回受賞者である先輩・あわむら赤光先生の「無限のリンケージ」ですね。「決意を秘めて戦う主人公」をヒロインの視点から描いてて、そのことによって主人公のみならず「ヒロインが」とても魅力的に映る。読んでいてもうワクワク、ゾクゾクしました。

――本作「踊る星降るレネシクル」についてですが、書かれたきっかけは何でしょう?

 ともかくあらゆるジャンルの強者を闘わせようという発想が源になっています。羽生善治とタモリがスタンド能力に目覚めてバトッたらどうなるの? みたいな妄想ストーリーを書き殴っていたのが原型ですね。

――主人公のレンヤ、ヒロインであるすまると瑞貴については?

 レンヤは逃亡者、すまるは敗者、瑞貴は勝者です。すまるはレンヤが好きで、レンヤは瑞貴が好きで、瑞貴はレンヤが気になっていたけど逃げたので失望した。そういう3人の関係から出てくるバトルやラブコメを楽しんでもらえればと思います。

――最後に、GA文庫大賞への投稿者に一言お願いします。

「太陽を盗んだ男」という昔の映画を見てください。たとえ今は日の目を見なくても、黙々とひたすらに「核爆弾」を作ってやる、いつか爆発させてやる、という気概を忘れないでください。私は受賞後、更に強く意識するようになりました。

――初心忘るべからずということでしょうか。

 大部分の作品やネタが日の目を見ずに終わるのは、投稿者もプロも同じですから。この気持ちを失った時、人に見せるための小説を書くのは止めようと思っています。

――頑張っていきましょう! ありがとうございました。

 

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