受賞者インタビュー
第三十回 11月15日発売「俺はまだ恋に落ちていない」 著者:高木幸一さん インタビュー
――それでは、よろしくお願いします。まず、この作品を書こうとしたきっかけはなんでしょうか?
賞へは不定期に投稿していたのですが、ある時「そろそろかな」みたいな気配を感じまして(笑)、構想を練り始めました。
――GA文庫大賞への応募理由はなんでしょう?
応募要項が見やすかったことと、出版されている本がバラエティに富んでいたので、若干ラノベの本道からずれ気味な拙作でも、受け入れてもらえるのではないかと思い、投稿させて頂きました。
――バラエティですか、ウチは担当一人が面白いと思ったら、通す場合もあるので、色々な作品が出ますね。一人でも担当を惚れさせたら勝ちという。担当との打ち合わせはいかがでしたか?
業界の方にお目にかかれるということで、前日眠れず(苦笑)、非常に緊張しましたが、色々楽しくお話しさせて頂きました。
――刊行にあたって応募原稿から変更があったポイントはどこでしょうか?
説明や描写が不足していたので、そこを補う形で改稿しました。方向自体は同じなので、応募作の完成度を高めたという感じです。
――確かに本作の場合は、ヒロインたちとの交流のシーンが増えた感じで、全体の変更はなかったですね。大幅な変更は今の良さを失うリスクもあるので、難しいところです。改稿は受賞作品によって量がまちまちですね。次は、この作品を書くきっかけを教えてください。
とあるアニメの、ある回の掛け合いが面白かったので、自分でも書いてみたいなあと思いました。
――好きな作家さん、作品はいらっしゃいますか?
色々ですが、オススメ! という意味で、GA文庫の「織田信奈の野望」「らじかるエレメンツ」「俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる」「月見月理解の探偵殺人」「 Happy Death Day 自殺屋ヨミジと殺人鬼ドリアン」を特に挙げさせて頂きます。
――おー「らじかるエレメンツ」面白いですよね。今、「のうりん」でブレイク中の白鳥先生のデビュー作。白鳥先生はGA大賞がはじまる前のGA文庫デビューの新人さんです。続いては、好きなアニメはなんでしょう?
「がくえんゆーとぴあ まなびストレート!」「君が望む永遠」「東のエデン」「パンティ&ストッキングwithガーターベルト」などですが、いちばん好きなアニメは内緒です。
――キャラ名や設定のきっかけを教えてください。
名前は、主に音の響きで決めました。設定は、主人公とヒロインが出会うにあたって自然なものを……ということで、「友達の妹」というのが浮かびました。
――キャラを生み出したきっかけはなんでしょう?
とあるアニメの、ある回の掛け合いをたまたま見て、仲の悪い姉妹を思いつきました。あとはそこからつながっていきましたね。主人公は、いつもこんな感じなので(苦笑)。
――お気に入りのキャラはいますか?
田所家の家政婦の愛子さんです。これは応募作のとあるキャラを変更した結果、生まれたキャラですが、今ではいちばん好きです。
――あ、そういえばそうでしたね。はじめは「このキャラが『美味しんぼ』の@@話に登場するキャラに似てるのですが大丈夫でしょうか?」と頂いて、「そのキャラかぶりは気になりませんが、もっと若い綺麗な女性にしませんか?」と相談した記憶が。
はい。その時は「年齢・容姿は同じで性格だけ変更」のつもりだったんですが、ある時コロっと、若くて美しい人がよくなりまして(笑)、結果、好みがいちばん反映されたキャラになりました。
また、同じような感じで、今のタイトルも、担当さんにご意見頂いたものですが、さいしょは別のものを考えていて、しばらくしてコロっと、さも自分が思いついたかのように「コレでお願いします」と(苦笑)。……なんか時間が経つと自分の中でOKが出るようです。
ちなみにこのタイトルのおかげで、お話をきれいにまとめることができましたから、担当さんにはとても感謝しています。
――イラストレーターの庭さんに関してはいかがでしょう?
すばらしいですね。庭さんの絵は、イラスト的にうまいだけでなく、「キャラクター」を表現されているので、キャラ表現に力を入れる書き手としては、これ以上ありがたいことはありません。
――そうですよね、キャララフ拝見した時に。「作品、キャラをすごく理解頂いてる!」と感じました。さて、本作を書いての感想をお願いします。
担当さんに的確なアドバイスを頂き、改稿した本作ですが、自身の処女作として、とても満足しています。なので多くの方に楽しんで頂ければうれしいです。
――この作品にこめられた思いをどうぞ。
「人間は捨てたもんじゃないよ」ですね。これからも、できればそのような作品を書いていきたいです。
――作品の見所・アピールポイント・こだわりなんかもお願いします。
姉妹の掛け合いをはじめ、登場人物たちのセリフにはこだわりました。またキャラクターそのものも、実際に生きている感じが出るように、仕草、反応には気をつけました。
――「俺はまだ恋に落ちていない」に興味を持っている読者さんに一言お願いします。
明るく楽しい話なので、そういうものを求められている方がいらっしゃいましたら、ぜひ手にとって頂ければと思います!
――GA文庫大賞への応募志望者さんにも一言お願いします。
流行の題材を、自分なりの世界で描くか、自分なりの世界を、流行で味付けするか。自分と世界のすり合わせがうまくできれば、受賞へ至る道が開けると思います。一緒にGA文庫を盛り上げていきましょう!
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