受賞者インタビュー
第三十四回 5月15日発売「木崎くんと呼ばないで!」 著者:長物守さん インタビュー
――よろしくお願いします。まずは自己紹介をどうぞ。
こちらこそよろしくお願いします。わたくし、長物守と申します。ペンネームの由来は、尊敬するデザイナーさんのお名前をもじらせていただき、ながものまもると読みます。趣味はゲーム、他にはアニメや漫画に小説と普通のどこにでもいるオタクでしょうか。
――GA文庫大賞へはどのような経緯で応募されたのですか?
きっかけは書店で原稿募集のポスターを見たからですね。貯金を切り崩して数年ほど各賞への応募生活をしていたのですが、GA文庫さんは年二回の前期後期制と必ず選評シートが貰えるのが魅力で応募しました。一次選考を通過したのもGA文庫さんが初めてで、その時の選評シートがとても親切で丁寧だったのをよく覚えています。
――選評シートに関してはこちらも真剣なので、そこをお褒めいただき、大変に嬉しい限りです。では、応募生活時代の暮らしぶりなどを教えていただけますか?
他社さんの賞も含めて、一年に四~六本くらいのペースで執筆してました。早寝早起き、執筆作業は朝八時から夕方六時まで休憩を挟みつつ週に六日間。原稿は友人やネットの掲示板を利用して読んでもらい、その意見を参考に修正して応募してましたね。
――その努力が実って、このたび第四回の奨励賞を受賞したわけなのですね。
はい、ようやくスタートラインに立てたという気持ちが嬉しかったです。
――デビュー作となる「木崎くんと呼ばないで!」、魅力はどのへんでしょうか?
やはりヒロイン、木崎湧のかわいさでしょうか。普段からギャップのあるヒロインというのは凄く好きな要素なのですが、彼女は「美少女なのにイケメン、男前」という相反する二つの属性がポイントだと思います。本当に友達感覚でこんな娘が身近にいたらいいな、と。
――いわゆる男勝りでボーイッシュなタイプがお好きなのですか?
昔からどんな形でも「闘うヒロイン」って好きなんです。スポーツでも戦争でも勉強でも、なんでもいいから難関に挑む女性像には憧れを感じますね。木崎は格闘技やスポーツ全般を嗜む姿と同時に、女性らしさに真摯に向き合う姿を楽しんでもらえればと思います。
――ほかに、「木崎くんと呼ばないで!」の見どころなどありましたら。
見た目は美少女、中身は快男児の木崎湧が純情可憐な乙女を目指す。それをあの手この手で助ける主人公タクローの悪戦苦闘っぷりですね。四苦八苦、七転八倒しながらもギャルゲーのように木崎湧を育ててゆく、そういうマイフェアレディ的な面白さもあると思います。
――既存のコンテンツで好きなヒロインを教えてください。
ナウシカ&クシャナ殿下、アイシャ=コーダンテ、シグナムさん、式波アスカ、ノノ、トゥルーデことバルクホルン大尉。あとは泉野明とかレヴィとか。ゲームだといぶきやまこと、レオナにブルーマリー、アイビスにエクセレンやラミア、他には……
――段々と長物さんのパーソナリティーとやらがわかってきたような……。恐らくですが、アナタいわゆるメスゴリラ好きですね?(笑)
そうです! 雄々しく凛々しい感じがたまりません(笑)
――今回、この作品が受賞されてから一冊の本になるまでに、なにかエピソードがあればお聞かせください。
やっぱりメインヒロインの可愛さをどれだけ引き出せるか、そういうことを編集長さんと担当さんに学ばせていただきました。親切かつ熱血な指導で、「舐めさせよう」「舐めさせよう」そういうことになったのだった、みたいな。ドキドキのイベント追加や導入部の重要さなんかも教えていただいて、応募時に比べて随分と読みやすく中身の濃い作品に仕上がりました。
――イラストはみけおう先生が描かれてますが。
沢山いらっしゃる絵師さんの中から、担当さんと長~い時間をかけて考え、その結果お願いしたのがみけおう先生でした。お忙しい方ですのでスケジュール的に難しいかもという感じでしたが、ありがたいことに引き受けていただいて。やはり自分のキャラクターに姿が与えられるというのは、とても嬉しいです。こんなにかわいく描いてもらえて、最初のラフ画を拝見した時からテンションが上がりましたね(笑)
――じつは担当編集もまったく同じことを言っていました。編集部でもみけおう先生の絵が入ることにより、見事作品に命が吹き込まれたと感じております。それにメインヒロインの木崎はもちろん、本当に花子や姫音といった他のキャラのイラストも魅力的ですね。
ええ、どのキャラも作中の特徴をわかりやすく、それでいて丁寧に表現されてると感じました。花子は主人公の幼馴染、かいがいしい世話焼きな雰囲気がよく出てますし、姫音は学園のマドンナらしく堂々たる優美なお嬢様っぷりですね。
――今後はどのような物語に挑戦してみたいですか?
文章表現では難しいと言われてますし商業的にも厳しいですが、ロボット物はいつか書いてみたいですね。それも古式ゆかしいスーパーロボット物を変化球で。あとはやっぱりファンタジーや戦記物なんかはよく読むジャンルなので、やってみたいですね。あとは趣味で二次創作をしていたので、自分が好きなコンテンツのノベライズも、やってみたいです。
――読者の皆さんへ向けて一言どうぞ。
書店で見かけた際は、手にとってもらえれば嬉しく思います。天真爛漫な快活元気印のヒロインと、それに振り回される主人公のドタバタを楽しんでいただければ、これに勝る喜びはありません。どうかよろしくお願いします。
――最後になりましたが、GA文庫に応募原稿を送る志望者にも一言お願いします。
健全な批判批評が作品の質を高めると自分は思ってます。恐れず周囲の人間関係を頼って、読んでもらってからの応募をオススメしますね。あとはやっぱり、継続は力なり、好きこそものの上手なれ……そういう気持ちに向きあってくれるレーベルですので、是非奮ってご応募ください!
――本日はお忙しい中、ありがとうございました!
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