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受賞者インタビュー
第三十五回 8月15日発売「空に欠けた旋律<メロディ>」
著者:葉月双さん インタビュー



――それでは、よろしくお願いします。この作品を書こうとしたきっかけは何でしょうか?

 あとがきでも触れましたが、自分の読みたいお話を作りたかったからです。
 ちょうど10年前でしょうか。こういうのを読みたいな、と思って考えました。
 あまり出回っていないタイプのお話なので、読みたいなら自分で書くしかなかった的な感じでしょうか。

――元々の構想はかなり以前からの作品なんですね。次にGA文庫大賞へは、なぜ応募したのでしょうか?

 親切丁寧な評価シートです。第3回前期で頂いた評価シートは何回も読み直しました。
 メインで書いてくれたのは今の担当さんだと思っています。確認していないので、違っていたらちょっと恥ずかしいですが。……すみません、ちょっと確認してもらえますか?

――確認してみました。メインはこれ、編集長でした。サブの選評のひとつが私ですね。葉月さんが何度も読み直したという第3回の投稿作作品の時のコメントをちょっと紹介してみましょう。

 えぇっ! 公開するんですか!?


冒頭彼女様と主人公の関係がよくわからず、読んでいて気持ち悪かったが、気が付けば物語に引き込まれ、最後まで一気に読まされた。
全体としてはとても不思議な作品。悪意と我が儘が凝り固まって本当なら醜い話になるはずが、読後感はなぜかもの悲しく美しい。

とても面白く読むことが出来ました。
独特のかけいあいが面白い。キャラが良い。ただ人を選び過ぎる作風なところが選考上の意見では多かったです。
キャラの中でも、主人公の嗜好は非常にユニークでした。
次回作では、ある程度、方向性を変えることで、さらなる期待ができるポテンシャルがあると思います。個人的にとても期待しています。


――あぁ、この作品はクセが強かったですからね。ネタバレすると主人公が終章前に死んでしまうという変則的な構成でしたねー。

 本当に公開されたぁあああああああ!
 ……まぁいいですけど。
 えっと、キャラクターたちはガチでぶっ飛んでいました。いずれ違う作品で使いたいですね。
 主人公は死んでしまいましたが、終章は『痛く悲しく美しく』なったと思います。

――確かにラスト良かったですね。読んで「良いけど、どーしよこれ!?」と悩ましかった記憶が。さて担当との打ち合わせはいかがでしたか?

 担当さんはいつもノリノリな気がします。
 初めての打ち合わせはオシャレな喫茶店でした。
 ここでは作品をどう直すか、何を変更するかを話し合いました。
 本番は場所を移動してからだったように思います。
 印象的だったのは、この時点で「葉月さんは大賞も優秀賞もない」と言われたので、以後とても気楽でした。
 他にも、割と具体的な数字なんかを出されました。売り上げとかの話ですね。
 初顔合わせの段階で、それなりに突っ込んだ会話になったかと思います。

――ええっ! 言いましたっけ!? きっと「葉月さんは大賞も優秀賞もないと個人的に思う気がしないでもない」とかですよ、きっと!

 超逃げ腰ですねw まぁそんな感じということで。

――はい、すいません。売り上げはまぁ、どのタイミングで、重版や続巻の巻数が決まるかの流れを説明させて頂きましたね。編集者によってその辺りはまちまちですが。

――刊行にあたって応募原稿から変更があったポイントはありましたでしょうか?

 応募時点では「GA文庫で一番に憂鬱なお話」でしたが、改稿で「割と憂鬱なお話」に収まりました。

――シリーズ化も視野に入れた調整がありましたね。あと商業出版的にNGワードの調整もいくつかありましたね。こちらは作品から離れた質問ですが、好きな作家さん、作品はなんでしょう?

 岡崎京子先生全部。担当さんも岡崎京子先生が好きみたいです。

――ベタですが「リバーズ・エッジ」とか好きですね、って担当のことは置いておいて、好きなアニメとかはありますか?

 面白かったアニメは沢山あるのですが、好きなアニメはすぐに思いつかないです。

――それでは作品に戻りまして、キャラ名や設定のきっかけを教えてください。

 ヒロインの名前は流動的でした。今の名前に決まったのは割と最近です。
 クッキィ・ハーツはお菓子のクッキィとハーツクライ(国内で唯一ディープインパクトに先着した競走馬)から。
 フランは煙草の銘柄から。
 ブラッド隊長はハリウッド俳優のブラッド・ピットから。
 他のキャラは思いつきですね。

――いろいろなものからモチーフを引っ張っていたんですね。本作でお気に入りのキャラはいますか?

 みんな好きです。誰か一人選べというのは難しいですね。
 逆に、気に入っていただいたキャラとかはいますでしょうか?

――ブラッド隊長が良いですね。あとクッキィと主人公レイの会話が楽しいです。

 ブラッド隊長はカッコイイですね。
 クッキィとレイの会話ですか?
 『クールでつまらないジョーク』というのは時々織り交ぜたように思います。

――二人の会話と、レイのモノローグで、作品が硬く、シリアスになりすぎないバランスが取れていると思いますよ。今回、イラストを担当の駒都えーじさんの絵はいかがでしたか?

 素晴らしいです。挿絵のチョイスもですし、可愛いキャラもですし、かっこいいメカも。
 メカデザインとか丸投げしちゃったんですけど、想像以上にかっこいいのが上がってきて興奮しました。

――そうですね、メカデザインも各機頂いて、凄かったですね。本作を書いて、いかがでしたか?

 最初から最後まで楽しかったです。

――この作品「空に欠けた旋律<メロディ>」の見所・アピールポイント・こだわりを教えてください。

 ライトノベルでは少ないリアルロボット系の空戦となっております。
 見所はキャラクターたちの壊れた心とクレイジーさ。
 そして真っ直ぐに歪んだ幸福を求め続ける主人公レイの一途さでしょうか。

――最後に読者のみなさんに一言お願いします。

 すでに読んでくれた方にはありがとうございます。
 これから読んでみようかなという方には、よろしくお願いします。

 

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