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受賞者インタビュー第四十六回
第6回GA文庫大賞《奨励賞》受賞作、8月15日発売「未来/珈琲 彼女の恋。」
著者・千歳綾さんインタビュー



――まず自己紹介をどうぞ。

第六回GA文庫大賞で奨励賞を頂きました千歳綾です。 拙作『未来/珈琲 彼女の恋。』が無事に8月刊行されました。 あわせて、どうかよろしくお願いします!

――宣伝までありがとうございます。では早速インタビューに移ります。

――ライトノベルを書こうと思ったきっかけは何ですか?

かねてからの夢を叶えようと、ふと思い立ったのがきっかけです。 『本屋さんに自分が書いた本が並んでいたらいいなあ』という淡い思いがずっとあったのですが、挑戦することもなく諦めていたんです。 しかし、やる前から諦めたら駄目だろうと。 家族の勧めもあって、趣味で書いていた小説を投稿することにしました。 投稿先をライトノベルに絞ったのは、単純にボクが好きだからです。

――GA文庫大賞に投稿したのはどうしてですか?

家族が本屋さんで見つけた『のうりん』を激しくプッシュしてくれたからです。 投稿するレーベルをちょうど迷っていた時期でもあり、 『のうりん』も強烈に面白かったため、じゃあGA文庫に応募しよっか! となりました。 評価シートが欲しかった、というのもありますが、決め手はやはり編集部のみなさんからの呟きがあることです。 応募者と編集部の距離の近さが、他レーベルに無い魅力だと思いました。 応募者と編集部の距離の近さが、他レーベルに無い魅力だと思いました! 重要なことなので、二回言いました。

――ありがとうございます。投稿作の呟きはありましたか?

自分のだとわかる呟きが、幾度かありました。 そのたびに「もしかしたら」と期待したり、「いやいや、そんなウマくいくわけない」と否定したり。 落ち着かない日々でしたが、ただ結果を待つだけではなくて、ワクワクする楽しみがありました。

――受賞が決まったときはいかがでしたか?

電話を最初に頂いたとき、席を外していたんです。 で、戻ってきたらケータイの不在着信ランプが光ってる。 慌てて着信履歴を見る、「東京03!?」のタイミングで頭が真っ白になりました。 そのあと、こちらから掛けなおして受賞を知ったのですが、何をお話したのか、されたのか、ほとんど覚えてなくて。 とにかくとても嬉しかったです!

――以上、受賞に至る経緯でした。では、次は受賞した『未来/珈琲 彼女の恋。』(原題『Time Travel to Smile』)についてうかがいます。この作品はどういった経緯で生まれましたか?

『未来の娘が結婚を止めにくる』のワンアイデアが始まりでした。 ホームコメディのようなラヴコメディのようなストーリーラインに沿って、かわいい女の子が出てきて活躍し、時に主人公が苦悩すればいいんじゃね? 的なノリでガシガシ書いていきました。

――執筆中の苦労はありましたか?

本作については苦労らしい苦労はありませんでした。 一章書いては家族に見せて感想を聞いて、また友人に見せて批評をもらって。 そんな声をモチベーションにしながら、楽しんで書いていました。 苦労した点を強いてあげれば、阿梨亜の口調を最後まで微調整したことと、 鈴音が初めて書いたタイプのキャラクターだったため、動くようになるまでに苦労したことです。

――作品を通して気をつけたことはありますか?

キャラが、作中世界で懸命に生きている事、そう見えるようにする事です。 シリアスシーンは重くなりすぎないように、あくまでも明るく、ハッピーに。 フルハウスとかのホームドラマを強く意識していました。

――なるほど。では受賞後、刊行に至る経緯についてお聞かせください。初めての担当打ち合わせはいかがでしたか?

担当さんのご好意で、受賞後、日を空けずに打ち合わせをしていただけました。 遠路はるばるお起こし頂き、本当にありがとうございました。 挨拶を済ませ、いざ打ち合わせとなった時に、担当のねこぴょん氏は最初にこう言われたんですね。 「雪音ちゃんのおっぱいを小さくするのですに!」と。 続けて、「雪音ちゃんに怒られるかもしれませんが……。そのほうがきっとかわいいですに」と。 ボク自身、最初の打ち合わせで緊張しながらも、これから担当さんと一緒に本を作るのですから、見定めてやる的な甘い考えがあったのですが、一発で打ち砕かれました。 これ、作者側が受ける最高のリップサービスだと思うんです。 だって、ボクの作ったキャラクターの人格を編集サイドが認めてくれたってことですよね。 あーこの人に一生ついていくわ、と思いました。

――単純なんですね。騙されないように気をつけてください。投稿作と発売作で大きく変わった事はありますか?

先ほども申し上げましたが、雪音の胸がぺたんこになりました。 他は話の流れも、キャラ設定も、大筋は変わっていません。 ねこぴょん氏から「このままでも出版はできますに。でも、改稿すればもっと良くなりますに!」と仰っていただけました。 ならやりましょう、納得いくまでとことん改稿しましょう! という流れで。 それから何回くらい手を入れたかわかりませんが、入稿直前までねこぴょん氏と直していました。

――その改稿の際に、気をつけた事はありますか?

クォリティを上げる、それ以外は考えない事です。 「変えたほうがいい」ことがわかっていても、一度完成した作品に手を入れるのは怖くて、勇気が必要でした。 そんな風に迷ったときは、「今より必ず良くしてみせる」と気合を入れて原稿に向き合いました。 改稿するたびに「削れ」と言われていたページ数がどんどん増えて、最終的に「仕方ないですに」と生暖かく苦笑されたこともいい思い出です。

――では、完成した作品のアピールポイントは何ですか?

テーマ的には重いものも扱っているのですが、明るくハッピーで前向きなお話です。 おっかなびっくりではありますが、精一杯書きましたので、 もしよかったらお手にとって、ご一読いただけると幸いです。

――最後にGA文庫大賞の応募者にメッセージをお願いします。

投稿時代に、苦しくて手が止まりそうになるたびに、 その作品を書き上げられるのはボクしかいない、と自分を奮い立たせていました。 その物語、そのキャラクターを、この世に生み出せるのは作者しかいません。 どうか、険しい道でも諦めずに頑張ってください!

――本日はどうもありがとうございました。では、さっさと原稿するのですに。

 はい……。

 

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