
2009年3月31日を応募締め切りとする、第1回GA文庫テーマ大賞(後期)には128作品のご応募をいただきました。
ご応募いただいた皆様に心より御礼申し上げます。
第1回テーマ大賞後期審査の結果を、ここに発表いたします。
なお、今回優秀賞候補、奨励賞には至らなかったものの、選考上で評価の高かった作品を期待賞受賞として発表させていただきました。
■2008年後期
テーマ「○○デレ」 ※○○の部分は自由
キーワード「逆転」「猫」「クラブ」
評価シートの希望者には、順次発送させていただく予定です。
◆ ◆ ◆
| [期待賞]受賞者一覧【3作品】 |
| 土谷兼 |
主従関係!? |
| とり |
ぬいデレ |
| 山田山一 |
焦らして! 巫女さま |
|
■GA文庫編集部編集長 北村州識より
第1回テーマ賞後期への多数のご応募ありがとうございます。
今回は応募総数128と、前回同様100を超えてきました。また、それぞれ力の入った作品ばかりで、明らかに前回より質的にグレードアップした感のある選考となりました。
ただ、残念ながらその中にもまだ奨励賞を受賞できるほどの突破力を持つ作品はなく、今回も期待賞3本のみ、となっております。全体に底上げ感があっただけに残念。
というわけで、総評です。まずはテーマとキーワードについて。
テーマである「○○デレ」ですが、みなさん相当悩んだ様子。編集部としては、「ツンデレ」でも「ヤンデレ」でもなんでもいいし、もしなにか新しいものがあれば、それもまたOK、くらいの気持ちでいたのですが、ひねったり悩んだした末に破綻、といったパターンが散見されました。
いやもうね、全体を通してちゃんと“デレ”が見えていれば、それでよかったんです。ぶっちゃけ。とはいえ、それが難しいのはみなさんご承知の通り。少ない枚数の中で、○○デレ担当のキャラクターの二面性をきちんと出して、しかもそれを落とさないとおもしろくならないわけなので、逆に言うとそうした条件を満たしつつキャラクターを魅力的に書けるか、というのが評価のポイントだったりします。
次にキーワードの、「逆転」「猫」「クラブ」。こちらは前回よりは使いやすかったらしく、ほぼクリア。
応募作中に野良猫の発生率が高かったり、本筋に全然絡まないのに、主人公の参加クラブについて言及されていたり、というのはありましたが、全体としてはうまく使ってくれており、非常に楽しませてもらいました。
また、期待賞受賞作では、そうした編集部からのお題にさらにひねりを加えたものもあり、本当にもうひと声! なクオリティだったのが印象的でした。
今回も残念ながら奨励賞は出ませんでしたが、期待賞の皆様、応募頂いた皆様には、ぜひ今後ともがんばって進化し続けて頂ければと思います。
さて、すでにお気づきかと思いますが、次回テーマ賞のお題がまだ発表されていません。と言いますのも、前期後期と2回やった結果、どうも短編での応募、というのがうまく機能していない印象を受けたのですね。長編の一部を引っこ抜いてきた、“短編もどき”のようなものが目立つうえ、2回連続で奨励賞が出せていない、というのも非常に大きい。
こうした実情を踏まえ、テーマ賞に関しては、今回でいったん終了とさせて頂きます。
とはいえ、このまま単に消滅させてしまうのももったいないので、どこかでまた復活させたいとは思っています。そのときは、何らかの形でGA文庫大賞に絡めるようなスタイルになるかもしれません。
ともあれ、前期後期ともに応募してくださったみなさま、本当にありがとうございました。
機会がありましたら、ぜひあらためてのチャレンジをお待ちしています。
また、GA文庫大賞のほうは、これからもバリバリやっていきますので、もしよろしければそちらへもぜひご応募ください。編集部一同お待ちしております。
|
|
◆ ◆ ◆
【あらすじ】
「……正座」
「え?」
「ここに正座しなさい」
「……はい」
「最近ちょっと調子に乗ってるよね、晃。昼間も私を扱き使ってくれたしさ」
「おまえだって、俺をこんな目に遭わしてるだろ。むしろ俺より扱いが酷いと思うんだが」
「口答え禁止」
「……はい」
「だいたいさ……その俺って言い方やめてって、ずっと言ってるよね。なにそれ、グレてるつもり? かわいくないから、前みたいに僕って言いなさい。わかった? これからは僕ね」
「……はい」
「あぁ、あと言葉遣いもそれっぽくね。かわいらしい感じで」
「……うん」
「よし、それでこそ晃よ」
朔はとても満足したように頷く。
その時の表情が一番輝いて見えるのは、きっと朔の性格が非人道的だからだろう。
高校生の晃は小学校の頃、従妹の少女・朔とともに家出をした。空腹がピークに達したとき、魔法使いを名乗るクレハという美しい女性からパンをもらい、喜んで食べたところまではよかったのだが、なんとそのパンは「食べた人を奴隷にする」パンだった――!
そんなパンを「半分ずつ」食べてしまったふたりは、それぞれ一日に「半分ずつ」相手を「奴隷にする」ことができるようになってしまった。晃は夜、朔は昼と、それぞれ相手の命令に逆らえなくなってしまった二人は、周囲から「日夜ご主人様プレイを行なう変態」と思われるようになり、なんとかその誤解を解くためにも、もう一度魔法使いを捜すことにしたのだが、ようやく見つけ出したクレハは「契約を解く代わり」に、「契約時点から今までの記憶を失う」か「半分奴隷といった中途半端な状況でなく、きちんと主従関係を確立させ、一方を隷属化する」かを選ぶように宣告したのだった。
自分の事を嫌っていて、イヤなことばかり命令する朔との関係が消えるなら、記憶がなくなることも構わないという晃。
晃にいじわるしていたのは独占欲からで、晃との記憶を失いたくないと涙をこぼす朔。
「私が晃のものになるからさ……記憶を消さないで」
結局、今の関係を続ける事を選ぶ晃。これまでと変わらない関係だが、晃は時折朔をかわいく感じてしまう。
今までと同じで、少しだけ新しい関係。そして二人の関係に興味を持ったクレハが転校生として現れて、物語はまたひとつ、新たなページを刻むのだった。
【選評】
物語そのものはオーソドックスでしたが、昼夜ごとに支配者が入れ替わるという設定がうまく効いていて、とてもよかったです。ヒロインの朔がかわいらしく描けていたことはもちろんのこと、晃、クレハも魅力的でした。サブキャラクターも活かされていたところはポイントが高かったです(余談ですが、サブキャラクター同士の関係も気になりました)。最後、クレハが転校してきて終わるあたりも、このあとの展開を読者に想像させるという意味でよいと思います。
反面、冒頭は何が起こっているのかよくわからず、当初はファンタジー世界のお話しだと捉えてしまいました。物語の導入部分は本を選ぶ読者を惹きつけるためにとても大切なところです。いきなり晃が朔に命令されている場面からはじめるなど、インパクトのあるようにした方がよかったでしょう。
いずれにしても、文章も読みやすく、楽しめました。もし自分が晃だったら、朔にどんなことを命令するか!を考えるだけでも無限に想像が拡がる作品でした。
えー、……いろいろな意味で、朔は無事では済みますまい!(笑) その夜自分も大変な目に遭わされるに違いないのですが。いや、ワクワクします。
|
|
【あらすじ】
「で、ごじたろうとの関係は?」
「は?」
「いや、だから関係を教えてほしい」
「関係ですか……? ぬいぐるみと自分との関係って一体」
絲川はピースを立てる。
「二択にしよう。友達なのか? ペットなのか? 子供なのか?」
「三択になってますよ」
「うるさい」
「…………」
「もしかして、これ以外の設定なのか? 例えば自分がマネージャーで、ぬいぐるみがアイドルとか」
「何を言ってるかちょっと意味分かんないです」
高校に入学したばかりの布塚恵はぬいクラブなる謎のクラブに勧誘され、部室に連れて行かれてしまった。部室で出会った綺麗な少女、ぬいクラブ部長の絲川聖良は布塚の持っている猫のぬいぐるみのストラップが可愛いと強引に奪ってしまう。ぬいクラブとはぬいぐるみを愛するクラブだったのだ。妹がくれたストラップを取り返したい布塚に、絲川は布塚の持っている怪獣のぬいぐるみを見せてくれるならストラップを返すことを約束する。
しかし、怪獣のぬいぐるみは虫食いで捨てられてしまったことが判明、困った布塚はぬいぐるみが病気で見せられないと絲川に苦し紛れに説明する。ぬいぐるみを気遣う布塚の言葉と誤解した絲川は感激し、布塚に付き合って欲しいと言い出してしまう。そしてストラップを返すことを条件に、布塚は絲川とデートをすることになってしまうのだった。
ショッピングモールでデートをする布塚と絲川、他のぬいクラブのメンバーと合流し、ぬいぐるみ研究家パステル氏のサイン会に参加することになる。サイン会のイベントで互いの好きなぬいぐるみを一致させる布塚と絲川、「こ、これぞ……ハイパーヌイパシーだ――!!!」とさらに誤解を深めてしまう。イベント後、偶然に妹と出会った布塚は、絲川の前で怪獣のぬいぐるみが捨てられてしまったことを言われてしまう。
「ごじたろうを捨てたの、か? 命あるものを捨て、尚且つ病気中とうそをついて私を欺いていたと?」
と怒りの絲川に自宅に連行されてしまう布塚だったが、絲川の大事にしているひよこのぬいぐるみのプリンちゃんにフォークを突き立て、ぬい質とし、脱出する。しかし、今度は絲川に妹を人質に取られてしまう。妹を救うために部室に向かった布塚は、クマの着ぐるみ姿になったぬいクラブのメンバーとすっかり仲良くなった妹を見つける。妹に勧められ、仕方なくぬクラブに入ることになった布塚、絲川たちとの賑やかな日常がはじまるのだった。
【選評】
出だしの唐突感と、主人公の巻き込まれっぷりが潔く、スムーズに読み始めることができた。
その後の展開もいい意味での強引さが楽しく、またキャラクター同士のやり取りや個性も立っており、選考会でもその部分に評価が集まった。
ただ一方でストーリーにあまり絡まない部員がいたり、主人公のモチベーションが中途半端なため、途中から“なぜこんなことになっているのだろう”という疑問がわいてしまったのはマイナス。
特にモチベーションに関しては、部長の執着するぬいぐるみと、主人公のそれに対する気持ちがもう一つ出きっていなかったため、「この先どうなってしまうんだろう」というワクワク感が弱かった。もっと全体を貫くモチベーションをきちんと見据えたうえで、それを最大限活かすような組み立てができるともっとよくなったのではないか。
とはいえ、最後に主人公の妹を絡めて大団円に持っていくあたりは、うまくまとめたと思う。
|
|
【あらすじ】
「ねー、よっしー」
「なんだよ」
「私ねー、今、ノーブラだよー」
「……僕だって今ノーブラだよ」
「無理して我慢する事ないのに。興味あるんでしょ?」
胸元をちらっと広げてみせる。不思議なものだ。ただの肌のはずなのに。しかし、女の子の肌というのはなぜこうも男の視線を惹きつける引力があるのだろう。
「見た! 今チラッと見た」
「見てない」
「えー。よっしーが見せろって言えば、全部見せてあげるのになぁ。よっしーだって女の子のハダカとか、えっちな事に興味津々なんでしょ?」
神社に居候する高校生の家吉には神楽梓という幼馴染みの少女がいた。梓は居候先の神社の娘で、巫女で、家吉をからかうかのように、エッチな誘惑を時折かけてくるのだ。普通に考えればウェルカムなこの状況だが、小学校時代に自分のことを好きだと言ってくれた梓に応えようとしたら、そのシーンを撮られてからかわれたトラウマや、実際に一度煩悩に負けかけたら神主のじいさんから強烈な教育的指導を受けたことを考えると、とても状況に流されるわけにはいかない。
そんな中、クリスマスの日に梓に強引に誘われデートをする家吉は、梓にあらためて好きだと告白されてしまう。自分の梓に対する気持ちがわからず、どう答えればいいのか戸惑うばかりの家吉。だが、梓はそんな家吉にさらに衝撃的な事実を伝える。それは、神社のしきたりにより、もう家吉に会えないということ。選ばれた男性との性行為によって、未来を見通して託宣を下す。それが梓の家系に代々受け継がれている能力であり、大晦日の夜に儀式を行なうことになっていたのだ。
その日以来、梓は拝殿の奥で生活するようになり、家吉は梓と会えなくなってしまっていた。拝殿の前には巫女クラブの村西さんという体育教師がいて、梓には会わせられないという。引き離され、梓が知らない男と儀式を行なうということに悶々と悩む家吉は、ようやく自分の気持ちに気が付くのだった。
大晦日の日、自分が儀式の相手になる事ができれば、という可能性に賭け、拝殿に向かう家吉。立ちはだかる村西さんを説得し、突破した家吉は、儀式の相手に立候補する事を神主のじいさんに認めさせる事に成功する。それぞれの男が、神を降ろした梓にアピールしていく中、家吉は梓に愛の告白を叫んだ。梓は家吉を選び、家吉は梓を大切に想い抱きしめるのだった。周囲が拍手喝采の中、神主のじいさんは家吉に一枚の紙切れを差し出した。
「婚姻届?」
全ては、しきたりのせいで婿取りに苦労する神楽家による計画であったのだった。呆然とする家吉だったが、梓の満面の笑顔を見ると、これからも焦らされ続ける関係も悪くないと思い始めるのだった。
【選評】
女の子に迫られるのに手は出せない、コミカルな楽しい日常がしっかりかけているうえ、なぜ梓が積極的なのかについてもしっかり伏線になっていて良かったと思います。ヒロインが手の届かないところに行ってしまいそうになってハラハラさせる展開も上手く機能しており、最後まで先が気になる構成になっていました。
ただ、後半、ヒロインを失いたくないと主人公が決意してからラストまでが基本コミカルなペースで進んでしまうため、少し肩すかしな感じも受けました。村西との問答や候補選びの流れ自体は大変面白かったのですが、それぞれのイベントの前に、もうちょっとシーンを盛り上げるための演出が欲しかった印象です。
とはいえ全体に完成度は高く、非常に楽しく読める作品でした。
|
|
◆ ◆ ◆
| 二次選考通過者一覧【10作品】 |
| No |
作品名 |
PN |
| 1 |
クイッキー・ウィズ |
青々 |
| 2 |
夢食桃鳴 |
暁ヘベレケ |
| 3 |
ぶきっちょアリスと聖バレンタイン戦争 |
稲荷京 |
| 4 |
ヨルバケコナギ |
上田不伝 |
| 5 |
ネコとタヌキとネズミと魔法 |
大神悠 |
| 6 |
太陽系第三惑星恋情テラデレ |
川辺顕治 |
| 7 |
シュレーディンガーの猫娘 |
境康隆 |
| 8 |
主従関係!? |
土谷兼 |
| 9 |
ぬいデレ |
とり |
| 10 |
焦らして! 巫女さま |
山田山一 |
|
※敬称略・50音順
◆ ◆ ◆
| 一次選考通過者一覧【21作品】 |
| No |
作品名 |
PN |
| 1 |
クイッキー・ウィズ |
青々 |
| 2 |
ヒロイック・ロール |
青々 |
| 3 |
夢食桃鳴 |
暁ヘベレケ |
| 4 |
タケルプロジェクト |
彩月くう |
| 5 |
DOUBLE! |
有沢真尋 |
| 6 |
変身っちゃいますが、何か? |
猪田真 |
| 7 |
放課後コネコネ! いきもの クラブ |
いとしき |
| 8 |
ぶきっちょアリスと聖バレンタイン戦争 |
稲荷京 |
| 9 |
ヨルバケコナギ |
上田不伝 |
| 10 |
ネコとタヌキとネズミと魔法 |
大神悠 |
| 11 |
太陽系第三惑星恋情テラデレ |
川辺顕治 |
| 12 |
正義の味方彼女 |
君条文 |
| 13 |
シュレーディンガーの猫娘 |
境康隆 |
| 14 |
灰喰らいと青銅の王子 |
桜井楼 |
| 15 |
半人前吸血鬼の苦悩 ~今宵君の声を訊きに~ |
白玉あずき |
| 16 |
主従関係!? |
土谷兼 |
| 17 |
しゅせんど!! |
徳田武威 |
| 18 |
ぬいデレ |
とり |
| 19 |
ぷりてに |
肥田怜之 |
| 20 |
○○デレ! |
山崎のねむ |
| 21 |
焦らして! 巫女さま |
山田山一 |
|
※敬称略・50音順
■メーカー・関連リンク
・GA文庫
・来月の新刊
・タイトル別一覧
・オリジナル壁紙ダウンロード
・壁紙ダウンロード
・GA Graphic

■GA文庫 INDEX
■GA文庫 タイトル別一覧 INDEX
■GA文庫 新人情報局 INDEX
■壁紙ダウンロード INDEX
■コラム INDEX
■GA Graphic INDEX
■個人情報のお取扱について
■GAGraphicに関する質問・お問い合わせはこちら
|