神曲奏界ポリフォニカ
アドレイション・ブラック
著:大迫純一
画:BUNBUN
「私はただ、ありのままを見ただけです」
その瞬間、マナガの中で何かが動いた。 “見通し”によって救われた人たちが集う『レプリシアの家』。 その住人を前に捜査を始めた時、マナガの中で何かが軋みをあげたのだ。 そしてその軋みは、やがてマナガの抱える大きな罪へと繋がって……。
「あなたは心の中に深い喪失を抱えておられるのね」
レプリシアの澄んだ声が静かに、しかし確実にマナガの心を震わせる。
「そしてあなたにも、そのことは話していないはずですね」
次に、彼女が告げた相手は、マティア。少女はただ、沈黙をもって応えるだけだった……。
レプリシアが持つ「すべてを見通す」という力。 それはマナガの抱える「罪」でさえも白日の下に晒すほどの異能なのか。 マティアとマナガ、二人の間に長い間封印されていた「秘密」が今、確かな輪郭を帯びてその姿を現し始めた……。
黒のポリフォニカ、衝撃の第11弾!