戦塵外史 四 豪兵伝
著:花田一三六
画:廣岡政樹
巨漢の樵が戦場で振るう血塗れの鉞。そこに籠められていたのは妻と、そしてまだ見ぬ子への想いだった。
屈強な傭兵が、ある日剣を捨て鍬を持った。いったい何が彼にそんな決意をさせたのだろうか。
憑かれたように女人像を彫り続ける石工。彼の奇行の深奥には、幼い日の忘れえぬ記憶があった。
そして名もなき荷駄隊の人夫が目撃した戦場の本当の姿とは……。
王侯貴族から傭兵、そして市井の人々にまで隈なく光をあて、その生き様を繊細に、しかし大胆に、あますところなく描ききった珠玉の短編集。大陸シリーズ未収録短編八本が、遂にこの一冊に集結!