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ニューフェイス一問一答
第七回 4月15日発売「ストレイジ・オーバー」
著者:中尾 寛さん インタビュー



◆PROFILE◆

 1974年、九州生まれ。北海道・東北育ち、東京在住。2004年、異形コレクション『妖女』(光文社文庫)の公募にてデビュー。趣味は夜の散歩と音楽鑑賞とパソコンをいじって不調にさせること。特技は迷子。行きと帰りを同じ道にしたくないうえに地図を見たら負けだと思っているので、たいがい目的地から遠く離れてしまう。人生も、なかなかに迷走中。

――GA文庫にこの作品を投稿しようと思ったのは何故ですか?

 創刊の時期に、ちょうどこの作品を書き始めまして、気になってはいたのですが、あまり派手な物語ではないので、投稿するかは迷いました。

 でも、デビューされた方々の作品を読み、受け入れてもらえるんじゃないかと考え直し、送った次第です。

 結果、投稿前に何度も読んだ新人情報局にこのような場を設けてもらえたわけで、座右の銘にしようかと考えています。

 迷ったら進め!

――この作品にこめられた思いを教えてください。

 ボディータッチの重要性です。

 嘘です。
 えー。困っている人がいて、おおっぴらに助けるのは恥ずかしい、でも無視するのは気が引ける。悪いことだったら、ふん、と虚勢を張れるのに、いい人と指摘されると、熊のような男でも照れ笑いを浮かべる。
 そのあたりのもやもやです。

 うーん、微妙に違います。
 クラスメートのなかで、スポーツも勉強もできて男前で優しくて金持ちなんていう人は、一握りです。みんな、長所と短所を伸ばしたり縮めたりしながらやっているわけで、だから……。

 こめられた思い、ですか。うー。
 『明文化できない、なにか』という答えにしておきます。

――この作品のみどころを教えてください。

 金もなく、コネもなく、大人の対応もできない主人公たちが、無い知恵を絞って誰かのために頑張る姿でしょうか。
 ほぼ普通の高校生ですから、できることは限られます。でも、できないことばかりだからこそ、できることがある。そんなところを描いたつもりです。

 あとは、ヒロインの工藤高子。
 良くも悪くも存在感がありますので、みなさんにどう受け取られるか、こちらのほうが興味があります。かわいがってもらえれば嬉しいのですが……。

 田倉トヲルさんのイラストもポイントが高いでしょう。
 美男子と美少女です。これだけで価値があります。

――最後に読者のみなさんに一言お願いします。

 二歩進んで、一歩下がる。

 それでも大いなる前進だ。

 そんなつもりで書きました。共感したり苛立ったりホッとしたり、なんらかの感動を届けられれば、それ以上、望むものはありません。

 見かけたら、お手に取っていただけると嬉しいです。

 

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