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受賞者インタビュー
第二十三回 10月15日発売「かんなぎ家へようこそ!」
著者:冬木冬樹さん インタビュー



――というわけで、恒例の新人インタビューを開始します。まずはなにか面白いことを言ってください。

 いやいやいや、ちょっと待ってください。マジで誰なんでしょうね、面白いインタビューとか始めた人。冬木は面と向かえば何も言えず、口を開けばダウナーな発言しかできませんよ。

――細かいことは気にしなくてよろしい。というわけで、『かんなぎ家へようこそ!(受賞時:かんなぎ家のひとびと)』を書いたきっかけを教えてください。

 実は『かんなぎ家の人々』という話は昔書いており、それを『あのころに比べたら多少は腕上がったんじゃね?』と思いこんだ冬木がリメイクしようとしたのがきっかけです。

――設定と物語はできていたということですか?

 それが、残っているのはキャラ名だけ。
 初代「かんなぎ家」は家族を殺された遍(あまね)ちゃんがめーちゃんに復讐するお話でした。

――全っ然違うじゃないですか! どこをどういじったら今回のようなホンワカした話になるんですか??????

 いやぁ、なんか気が付いたらこのような大惨事に。

――書く前にプロットを立てたりはしないの?

 はい。  いつも出たとこ勝負というか、筆先勝負というか、キーボード任せです。
 だから本作に限らず、作品を書き上げて最初に思うのは、
「ああ、無事終わった!」
 ということです。

――なんという行き当たりばったり。

 本当に。

――GA文庫大賞への応募歴が長いのですが、応募の理由も行き当たりばったりですか?

 ……。

――もしも~し。

 以前から、いくつも他の賞に応募していたのですが、ある日新たなる応募先を探していたところ、GA文庫大賞のHPを発見したのです。
 そこで目にした『第1回大賞』につられて応募しました。
 すなわち、ちょっとした出来心、というヤツです。

――……。

 いや、きっかけは第1回大賞ですが、応募を続けた理由は評価シートですね。なんだか途中から目的が受賞よりも評価シートに変わりました。これを本末転倒と言います。

――本末転倒って、そもそも本末がないじゃないですか。ところで評価シートのどこがよかったですか?

 評価シートさえもらえればなんでもよかった。……嘘ですよ。GA文庫の評価シートには、なんて言うか『血が通っている』感じがしました。うまく言えませんが。具体的な部分では、商業化のあとの展望、作品のそのものに対する指摘を通しての作家本人へのアドバイスなどなど、冬木だけでは気付けないことを編集さんからの生の声で教えていただけるのがありがたかったですね。

――確かに生の声なのは間違いないですね。その分容赦ない、とも言えるんですが。ではここで、本作のアピールポイントを教えてください。

 なんといっても会話ですね。
 ボケ担当の座敷童子、遍(あまね)ちゃんが、徹頭徹尾ボケ倒すところを、今回のヒロイン帯(おび)ちゃんがいかにしてツッコミ、いなし、うっちゃるか。
 この緊張感溢れるやりとりが本作の全てです。
 他にもかんなぎ家はいちおう「幸せ」を求める話なので、そんなほっこりした気分になっていただけたらなぁ、とは思います。
 まあ、そんな文章のことよりも、なんと言ってもすまきさんの絵! 絵の魅力がはんぱねぇです。

――それはわかるが、ちょっと落ち着け。

 いやだって、本当に絵の魅力すごいですぜ。
 人外! 素晴らしいですね人外! 巫女! 凄まじいですね巫女! あの巫女を見た瞬間、恋に落ちました。
 もちろん、ハナもめーちゃんも素晴らしいです。冬木の想像などはるかに超える魅力あるキャラを描いてくださった、すまき俊悟さんには感謝の念がたえません。
 しかし面と向かうと緊張してお礼が言えないので、こうして公共の場をお借りしてお礼を申し上げます。本当にありがとうございます。これからよろしくお願いいたします。

――そういうことは面と向かって言いましょう。

 冬木はこう見えて緊張するタチです。授賞式とかひどかったですしね。あの時は壁になりたかった……。

――ところで「かんなぎ家」の中で好きなキャラクターは誰ですか?

 好きなキャラクターは次女! 犬神! ゴスロリ! チワワ! の、幼女。ハナです。
 非常に損な役回りのキャラなのですが、冬木はああいう哀れなキャラクターが大好きです。

――次に、GA文庫大賞への応募志望者に一言。何回も投稿してるので、素晴らしい言葉を期待しております。

 ハードル高っ!
 ええと……一回二回落ちたぐらいで諦めないでください。確かに初めて書いた作品が賞をいただく方もいらっしゃいますし、書き始めて二、三年でプロになる方もいらっしゃいます。送るものはいつだって自信作ですし、それが箸にも棒にもかからなかったらめちゃくちゃへこみます。
 冬木もペンネーム違う時から数えたらGA文庫に限らず二十回以上落ちていますし、小説家という職業を志してもう十年を超えます。やっとここまで来ました。何度も競い合った常連の方、これから投稿しようとする新規の方、諦めない限り可能性はあると思います。一緒に頑張りましょう。
 そして読者の皆様。
「かんなぎ家のひとびと」あらため「かんなぎ家へようこそ!」、ならびにGA文庫へ投稿したこともある「狐の百物語」あらため「ふぉっくすている? 1本目(MF文庫Jにて刊行予定)」、それからもう一冊MF文庫Jにて刊行準備中の魔法少女モノ(?)、この三冊を精一杯頑張っていきますので、どうぞあまりいじめないでください。

――ちゃっかり宣伝も入ったところで、インタビューを終わります。どうもありがとうございました。

 

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