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受賞者インタビュー
第三十一回 12月15日発売「双子と幼なじみの四人殺し」
著者:森田陽一さん インタビュー



――よろしくお願いします。この作品を書くきっかけはなんでしょう?

 この作品はGA文庫大賞《後期》に応募した5作のうちの2作目なんですが、これを書く直前に、前期の評価シートが来て、特に構成がダメとあったので、構成を改善した作品を書こうしたのがきっかけですね。脚本関係の本を10冊ぐらい読みました。

――あぁ、一次通過発表の時、森田さんは4作品通過してて、目立ってましたね。一番参考になった脚本関係の本はなんですか?

「シナリオの基礎技術」(著:新井 一)ですかね。しかし、こういうのもなんですが、抜群に役に立ったと思った本はありませんでした。だから、数でカバーするため沢山読んだという感じです。それぞれの良いところを学ぼう、みたいな。10冊が沢山かどーかは分かりませんが。

――GA文庫大賞への応募理由はなんでしょうか?

 第3回《前期》に送ったときに貰った、評価シートが良かったからですね。だめだと指摘されたところに、かなり納得できたので。だから、沢山評価シートが欲しくなって……5作ほど送りました。前期に送った理由はタイミングが一番ですかね。ほかにもありますが。

――裏を取ったところ、その評価シートを書いたのは「這いよれ! ニャル子さん」の担当でした。お役に立てて何よりです。さて、刊行にあたって、編集担当とは、どんなことを相談しましたか?

 なんか表記揺れのことばかり記憶に残っていますね。何故だろう? あとはモブキャラに名前をあげました。染毬(そまり)ちゃんです。猫みたいですね。打ち合わせは予想よりも結構長時間でしたね。

――一度食事を挟んで、原稿の最後までやりましたからね。刊行にあたっては、応募原稿から変更があったポイントはどこでしょう?

 あまり、ないですね。一章まるまる書き直した章がありますが、短い章で、大枠は変わってないので。あとはちょこちょこ分量増やしたって感じでしょうか。分量増やすっていうのは、意外ときつかったですが。アドリブに弱いです。

――確かにラストの展開まで、基本変わってないですね。次の質問です。好きな作家さん、作品は何でしょう?

 西尾維新先生、森博嗣先生、上遠野浩平先生、綾辻行人先生、清涼院流水先生 、大槻ケンヂ先生などが好きです。小説を読むようになったのは大学生くらいからで、サークルの部室に「ヒトクイマジカル」があったからですね。大槻ケンヂ先生だけは筋肉少女帯が好きだったので高校生のときから読んでましたが。

――「ヒトクイマジカル」、匂宮兄妹の回ですね。紫木一姫も印象的でした。アニメはどんな作品が好きでしょう?

「NOIR」とか「MADLAX」とか「CANAAN」が好きです。美少女ガンアクションが大好きです。あとは「アキハバラ電脳組」とか。他にも色々ありますが。今のも大体見てます。「Fate/Zero」BD-BOX予約しました。「UN-GO」と「未来日記」も面白いですね。

――ゲームもお好きなようですがどんなものを遊んでいますか? 使用キャラは?

 格ゲー、音ゲーが好きですが、好きすぎるので、やらないように自制してます。ザンギエフ、ヒューゴー、ポチョムキン、大道寺きら。基本投げキャラが好きです。特に一回転。投げキャラ以外にも沢山いますが。

――編集長も好きですよ、投げキャラ。本人自身もよく「元ラグビー部」「元柔道部」と思われてますが。それでは作品の方に戻りまして、本作の主人公迷悟と、双子のヒロイン、一縷と朽縷は独特な名前ですね?

 迷悟は四字熟語からですね。迷悟一如とか迷悟一途ってやつです。一縷は一縷の望みからです。一縷の望みを叩き潰すって意味で付けました。もともと悪役だったので。で、朽縷は「チルチルミチル」みたいな感じで。

――悪役!? 妹の朽縷とずいぶん違いますね。悪役というのは本作ではないですよね?

 迷悟と一縷はプロットだけ作った別の作品のキャラでした。朽縷は後期に送るために書いた最初の作品の悪役でした。まぁ、なんというか、キャラのリサイクルですね。

――なるほど、同じキャラを別の舞台で活躍させていたのですね。投稿作一般で、評価の高かったキャラは、他の新作で活躍させるのもひとつの手法ですね。本作では、お気に入りのキャラはいますか?

 吉崎善果です。名前の由来は善因善果っていう四字熟語です。次はこのキャラを主人公にしようと思ったぐらいです。

――なるほど、吉崎善果ですか。これから「双子と幼なじみの四人殺し」を読む方は注目ですね。注目といえば、本作のイラストレーターsaitomさんは森田さんのご提案だそうですね。イラストが上がってきたときはどうでしたか?

 自分、キャラクターを作るときにある程度固まったら、絵を描くんですが、まぁ下手くそなんですね。描きたいものが描けないって感じで。で、キャラデザもらうじゃないですか。こっちは文章でしか伝えてないのに、頂いた絵がイメージしてたものにぴったりって感じなんですよ! うぉぉぉぉ! これだよこれ! ってなりましたね。更に、口絵とか見せて頂いたときは、こんなに可愛くていいの? ってなりました。

――そうですね、素敵なイラストをあげて頂きました。この作品を書いての感想は何かありますでしょうか?

 こんなこと言っていいのか、分からないですが、ろくでもないキャラクターしか出てこないですね。自分で書いておいてなんですが。

――そんなことないですよ。個性的なキャラが活き活きとして楽しいです。内容的にネタバレになるので、多くを語れないのが悩ましいですが。最後に、「双子と幼なじみの四人殺し」に興味がある読者に一言お願いします。

 楽しんで頂ければ幸いです。とは言うものの、中々万人に楽しんでもらう、というのは難しいものだと思います。でも、少なくとも自分が読んで楽しめるものは書いたつもりです。なので、それを踏まえもう一度、楽しんで頂ければ幸いですと言います。

――GA文庫大賞の応募志望者にも一言お願いします。

 GA文庫大賞の受賞率は大体1%です。つまり受賞しない確率は99%です。これだけ聞くと、難しいように感じますが、1%しか当たらないくじを160回引くと、一回も当りを引けない確率は20%しかありません。300回試行することで、95%の確率で当りを引けます。450回だとなんと99%です。確率が逆転します。だからなんだよ? 小説の選考ってそういう話じゃねーだろ? と言われそうですが、1%が引けなかったからといって諦めないことが重要だと思います。こういうのは、何回もチャレンジできる類のものなので。

 

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