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受賞者インタビュー第五十三回
第七回GA文庫大賞《奨励賞》受賞作、9月15日発売「姉(かのじょ)と妹(カノジョ)の下着事情。」
著者・柚本悠斗さんインタビュー



――それでは自己紹介をお願いします。

 この度、『姉と妹の下着事情。』にてデビューさせて頂くこととなりました、柚本悠斗と申します! よろしくお願いします!

――よろしくお願いします。早速ではありますが、こんな不健全な作品を書くに至った経緯をお聞かせください。

 え……不健……? 話が違――。

――どうぞ(無言の圧力)。

 ……えっと、最初に思い描いたのは、単純に主人公とヒロインが協力しあう構図の物語で学園ラブコメを書こうと思ったのがきっかけでした。よくある感じです。  とはいえ、それだけではやはりつまらないので、なにかキーになる要素を入れ、そこにどんなドラマを落とし込もうかなと悩みました。インパクトのある要素がいいなぁと。

――悩んだ結果、選んだ要素が下着ということですね(苦笑)

 ……ここしばらくフェチズムをテーマにした作品を書いていました。でもそれだと凄く客層が狭まるなと感じたんです。事実、読んでくれた方からは『面白いけど人を選ぶよね』とか『楽しいけど主人公ただの変態だよね』とか。  つまるところ、ニッチ過ぎたんですよね。そこで、もう少し幅を広めようと考えた結果、女性の胸を偏愛するあまり、下着を作りたいという主人公に落ち着きました。

――幅を広めた結果が下着とか、ちょっと理解に苦しみますね。

 ……男子高校生の青春といえば、透ける下着を横目で視姦プレイすることでしょう? 担当さんも学生時代に心当たりがないとは言わせませんよ? ピンクに白のレース付とか最高ですよね。今まで書いた作品での登場率8割です。  担当さんの好きな色はなんですか? 次回作で担当さんの好みの下着を世にお披露目(暴露)したいのでぜひ教えてください!

――ノーコメントで。続けてください。

 ……つまりですね、男子高校生誰もが憧れるブラウスに透けるカラフルな下着。そこには胸だけじゃなく色々な女の子の事情が詰まっていて、下着を作りたいと思う主人公だから生まれるドラマがある。そう思うと、なんてライトノベル的だろうと。

――では、作品を書くに当たって気を付けた点などはありますか?

 先にも言ったように、人を選び過ぎないように書こうと。それと、出落ちにならないようにきちんと横軸を作って青春ドラマをやろうと。そしてなにより、健全に不健全なことをやろうと思いました。別な言い方をすれば、シリアスにエロをやろうと。

――シリアスにエロ? ちょっとなにを言ってるかわからないですね。

 ……いやいや、「もっとサービスシーン書いてね!」といわれ、「は! 仰せのままに!」と意気込んで書いたものの、「確かに状況的にはサービスシーンですが、サービスシーンに見えないんですけど……(怒)」と何度言われたことか(震)。  作中のキャラクターたちはそれこそ青春を賭けて大真面目に不健全なことをやっているので、サービスシーンがサービスシーン足り得ず何度もリテイクがあったくらいです。

――そんな健全? 不健全? な作品をGA文庫大賞に応募した理由は?

 以前、GA文庫大賞に別のフェチ作品を送ったのですが、その評価シートに『主人公のアクが強い』とか『生々しい』とか『上級者向け』という指摘を受けました。  私にとっては誉め言葉だったのですが、少しマイルドに仕上げた下着事情がどこまで受け入れられるかな? というお試し気分です……いやまさか、こんなことになるなんて人生わかりませんね!

――全然マイルドじゃないですよね。受賞後の改稿作業はどうでしたか?

 凄くマイルドです! 楽しかったです! 何度も打ち合わせをし、何度も原稿を直し、自分一人では限界だと思っていた作品がどんどん良くなっていく手ごたえを感じていました。編集の方はすごいなぁと実感しましたよ。いや、お世辞じゃなくて。  あとはフェチズムをテーマの一つにしていますので、毎晩担当さんとフェチについて語り合ったのもいい思い出です。いやまさか、担当さんのフェチが下腹部の――。

――では最後に、読者の方へ一言。

 タイトルにあるように、下着を題材にしたラブコメ作品です。ですが、たんなるフェチものではなく、作品の根底にあるのは夢と悩み。そして多様な愛と絆の物語です。  私の思う青春をたくさん詰め込みました。よろしくお願いします!  ていうか、打ち合わせと違うじゃないですか! タイトルがちょっとアレでソレな感じだから、ここは一発健全さアピールでいこうって――。

――ありがとうございましたー(雑)

 

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