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GA文庫大賞AWARDS

結果発表

第13回GA文庫大賞 受賞者発表!

おかげさまで第13回GA文庫大賞は前期733作品、後期1068作品、合計1801作品ものご応募を頂きました。多数のご応募ありがとうございました!
ここに第13回GA文庫大賞の選考結果を発表させて頂きます。


金 賞

ペンネーム 作品名
神田暁一郎 ただ制服を着てるだけ
(受賞作品「かげひなたになる」より改題)
紺野千昭 ダンジョン・ウォーカー ~とある救助屋の冒険日誌。または、
剣も魔法もチート能力もないタイプのダンジョン攻略譚~

銀 賞

ペンネーム 作品名
山藤豪太
(受賞時PN 幼心より改名)
コロウの空戦日記
(受賞作品「XX44-コロウの空戦日記-」より改題)
有丈ほえる ブービージョッキー!!
冬坂 右折 恋食らいのシュガースパイス

ガンガンGA
特別賞

ペンネーム 作品名
相崎壁際 ぼっちの俺は終わった高校生活を変えられない

※敬称略・50音順

■総評
お待たせしました。第13回GA文庫大賞の最終結果発表です。
前期・後期あわせて応募総数1801作の中より、2本の【金賞】と3本の【銀賞】、そして今回初となる【ガンガンGA特別賞】の各受賞作品を選ばせて頂きました。

【金賞】を受賞した「かげひなたになる」はコンビニの店員主人公とJKリフレで働く少女の年の差ラブコメディ。そしてもう一作品の【金賞】受賞作「ダンジョン・ウォーカー」は砂漠や氷河など無数の小世界が連なるダンジョンを救助屋の少年と依頼者の少女が踏破していく冒険ファンタジー。現代ものとハイファンタジーとジャンルは異なるものの、共に前向きなキャラクター像とエンタメ感を伴った展開に、読んでいて彼らを応援したくなる、そんな楽しさを感じる期待作です。

また【ガンガンGA特別賞】受賞作の「ぼっちの俺は終わった高校生活を変えられない」は、卒業間際だった主人公が、ほとんど関わる事がなかったヒロインと3年前にタイムリープ。青春をやり直す物語。秘密を共有することになったヒロインとの新たな学園生活に期待が持てる佳作となります。

【銀賞】受賞の3作品を含め、第13回GA文庫大賞の受賞作はどれも、特徴のあるテーマや題材を上手く面白い物語に落とし込んだ実力派揃いの作品。
GA文庫の一冊としてオススメできる作品ばかりですので、読者の皆さまにお届けできる日を楽しみにしております。

金 賞

ただ制服を着てるだけ
(受賞作品「かげひなたになる」より改題)

PN. 神田暁一郎

【あらすじ】

俺を救ったのは――19歳 職業JKリフレ嬢。
職場で若手のエース管理職として働く社畜 堂本広巳。
日々に疲れを感じていた広巳は、偶然から関係を持った少女 明莉が働くJKリフレにハマってしまう――
「今日も……抜いてあげるね――」
そんな毎日をおくる中、休日に職場から呼び出された広巳を待っていたのは、トラブルに巻き込まれた明莉だった!?
「私行くとこないんだよね―― お願い、一緒に住ませて!!」
突如始まった同居生活!
その中で広巳と明莉はそれぞれの問題を乗り越え、二人で新たな道へと歩み始める――
社畜×19歳の合法JK!?
いびつな二人が紡ぐ心温まる同居ラブストーリー、開幕!!

【選評】

日々に疲れた社畜の主人公とJKリフレで働く合法JK(?)が同居を通じて温かな関係を築く日常ラブストーリー。
それぞれに生きづらさを抱えた二人のキャラクターが紡いでいく関係性のドラマが丁寧に描かれており、心を打たれるような作品でした!
人間関係の複雑さや現代社会のいびつさという、重くなりがちな設定を盛り込みながらも、エンターテイメントとしてのバランス感を維持して書き上げた筆力は、まさに金賞の実力。
JKリフレで働くヒロインということで、選考会では問題作として議論されましたが、特殊なキャラクターを巧みな心理描写で違和感なく魅力的に表現しており、ドキドキしながらキャラにも惹かれてしまう物語も評価されたポイントでした。
ヒロインと同居する日常の楽しさ、二人のドラマに思わず読み入ること間違いなし!
7月の発売を楽しみにお待ちください。

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金 賞

ダンジョン・ウォーカー ~とある救助屋の冒険日誌。
または、剣も魔法もチート能力もないタイプのダンジョン攻略譚~

PN. 紺野千昭

【あらすじ】

門の向こうは未知の世界-迷界(セフィロト)-。
ある界相は燃え盛る火の山。ある界相は生い茂る密林。
摩訶不思議な生物が蔓延るそこに数多の冒険者たちが挑むが、生きて帰れるかは運次第――。
そんな迷界で生存困難になった者を救うスペシャリストがいた。彼の名は「救助屋」のユーリ。
「金はもってんのかって聞いてんの。救助ってのは命がけだぜ?」
実力は本物だが一癖も二癖もある彼の店に、親友を助けてほしいという少女アウラが訪れる。
「私も連れて行ってください!」
目指すは迷界の深部『ロゴスニア』!
危険が満ちた旅路で二人が目にするものとは!? 心躍る異世界冒険譚が開幕!

【選評】

救助屋の少年と花屋の少女という異色のバディが、謎に包まれた異界の集合体「迷界(セフィロト)」を探索する少し不気味で、驚きに満ち溢れたファンタジー作品。
門をくぐる度に大きく様変わりする迷界の描写に、心を鷲掴みにされました!
目の前に広がる景色を解像度高く描写する著者の表現力は大変素晴らしく、受賞にふさわしい実力といえるでしょう。
未知の生き物や大自然の驚異が次々に迫り、今度は何が待ち受けているんだろうと、ページをめくるワクワク感を最後まで感じられた作品です。
終盤では、主人公ユーリの導きで依頼人の少女が成長する様も描かれており、キャラクターの変化も本作の魅力になっています。
興奮と感動の大冒険をお届けします。刊行を楽しみにお待ちください。

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銀 賞

コロウの空戦日記
(受賞作品「XX44-コロウの空戦日記-」より改題)

PN. 山藤豪太(受賞時PN 幼心より改名)

【あらすじ】

「死はわたしの望むところだ。私は『死にたがり』なのだから」
絶望的な敗勢の戦争の中で、とある事情から「死ぬため」に戦闘機乗りになった少女コロウ。配属されたのは、「絶対に死なせない男」カノーが率いる国内随一の精鋭部隊だった。
危険を顧みない飛び方を繰り返すコロウを、仲間たちは「生」につなぎとめていく。
日々迎撃に繰り出していく戦闘機乗りたち。
コロウの日記にはその生き様が克明に記されていた――

【選評】

架空の大陸における戦争で、本土を守るため爆撃機の迎撃に繰り出す戦闘機乗りたちの物語。
私達の歴史にあった出来事をモチーフとして取り入れながら、オリジナルな物語としてしっかりと書き上げられていました。
「死にたがり」を自称する主人公と、彼女を死なせまいとする仲間たちの関係が軽妙に描かれ、重いシチュエーションながらそれを感じさせず、軽やかに読むことができます。
後半では主人公が「死にたがり」であった事情など、丁寧に伏線を回収し、畳み掛けるように読み手を振り回してくれました。
独特の形式で淡々とした筆致ながら、強く物語に引き込む力を持っている作品です。

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銀 賞

ブービージョッキー!!

PN. 有丈ほえる

【あらすじ】

19歳の若さで日本最高峰の重賞競走・日本ダービーを制した風早颯太。
しかしそんな栄光も今は昔。勝てなくなり、ブービージョッキーと揶揄される颯太の前に現れたのは――
「この子に乗ってくれませんか?」
可憐なサラブレッドを連れた、超セレブなお姉さんだった!?
「わたしが下半身を管理します!」
「トレーニングの話ですよね!?」
美女馬主・美作聖来&外見はお姫様なのに中身は怪獣の超優良血馬・セイライッシキ。
ふたりのセイラに翻弄されながらも、若き騎手は失っていた情熱を取り戻していく。
「あなたのために勝ってみせます」
燃えて萌える、至高の競馬青春コメディ。いざ各馬一斉にスタート!

【選評】

かつて一度は栄光を掴んだものの、不調からすっかり勝てなくなってしまった若きジョッキーが主人公。そんな青年の元に突然美女の馬主が現れて……というラブコメ風味の青春ストーリー。競馬という難しい題材をわかりやすく、面白く、そして何より熱く描けていたところが魅力的でした。
競馬の素人でも話がわかるように説明は十分なされつつ、それが話の邪魔をしていない。解説のスマートさやバランス感覚はとても目を惹くものがありました。ヒロインとの関係性の進展や、挫折を乗り越えてからのライバルとの一騎打ちなど、「読みたい」ポイントがしっかり押さえられて、全体構成がしっかりと練りこまれているのを感じます。
セレブ美女の馬主と、一緒に働く厩務員の女の子と、そして外せない相棒の馬と。三人(?)の美少女に振り回されながらも前に進んでいく主人公に思わず声援を送りたくなる、爽やかに仕上げられた作品でした。

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銀 賞

恋食らいのシュガースパイス

PN. 冬坂 右折

【あらすじ】

――この街には、都市伝説がある。
――痛んだ恋心を食べてくれる恋食らいのバケモノ
「本当は分かっているの。あいつの恋路を手伝ってやった方が、良いんだって……どうしたらいいのかな?」
どこかミステリアスな雰囲気を漂わせる美少女・深山葵は困っていた。それは高校一年生にして初恋もまだだというのに、お人よしな性格が災いして、親友の鵜飼朋絵からの恋愛相談を安請け合いしてまったからだ。それが絶対に成就しない恋だとわかっていて。
親友が傷つかず円満な解決を探る中、彼女は同じクラスの佐藤孝幸が恋愛カウンセリングをしていることを知り――。
「俺には、他人の恋心を消す力があるんだよ」
恋愛は多様で終わり方もさまざま。これは手遅れになった恋を成就させるまでの物語。

【選評】

「恋心を消す能力を持つ」少年が、すでに成就できなくなった恋を違った形で解決に導く、そんなどこか矛盾するような恋物語。
こういった恋愛小説では恋が実るのがオーソドックスだと思うのですが、この作品はそれに対して真っ向から勝負している内容で、その意気込みに負けないような物語になっており、まさに受賞に値する作品だと思いました。
各キャラクターの等身大な心情なども繊細に描かれていて、それぞれの背景なども見事にエピソードに繋げており、非常にレベルの高い作品でした。
恋心は十人十色。それを丁寧にしっかりと表現しており、切ないけど優しい、そんな美しい物語でした。

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ガンガンGA特別賞

ぼっちの俺は終わった高校生活を変えられない

PN. 相崎壁際

【あらすじ】

恋、友情、輝かしい青春。そんな期待に胸を膨らませた俺の高校生活は……結局ぼっちのまま終わった。そして迎えた卒業式前日。
「死なないで! 七村くん!」
モデル顔負けの美人・花見辻をかばい、トラックに轢かれて人生の幕を閉じた……はずだった。
「い、生きてたのね……よかった」
しかし何の因果かあの事故を機に、俺は同級生の花見辻と一緒に高校一年生の入学式に戻ってしまったのだ。
二度目の高校生活は輝かしい青春など期待せず大人しくぼっちで過ごそうと思いきや……彼女からとんでもない提案が。
「あなたのぼっち脱却、私が手伝ってあげる」
いやいや花見辻、俺は望んでないぞ!
この物語は俺が二度目の高校生活で送る最悪で最高の青春ラブコメだ。

【選評】

二度目の高校生活でもぼっちを貫こうとする主人公と、二度目の高校生活くらい違った学生生活を送らせようとするヒロインとの軽妙でテンポの良いタイムリープ青春ラブコメ。
冒頭のシーンで、主人公が憧れの高校生活に夢を膨らませるプロローグと、それが打ち砕かれたエピローグを両方描く度胸に驚かされながらも、非常に面白いアプローチで物語へ引き込まれてしまいました。
ぼっちになることをめげない斜に構えた主人公や、主人公のことをどこかほっとけないヒロインなど、キャラクターも等身大に描かれていて、二人の関係を応援したくなってしまうくらい見事に描かれています。
コミカルだけど読み応えもある内容で、非常に完成度の高い作品でした。