消えたはずの彼女は、時を隔てて再び現れた
"「葉月、なのか……?」
「うん……そうだよ」
7年前に行方不明になった彼女は突如として現れた。
消え去った当時のままの14歳の姿で――。
かたや大学生になっていたヒナタ。
同級生だったはずの二人に生じた7年のズレ。
齢の差があっても気持ちを通わせ合う二人だが、
お互いが覚えている「昔の記憶」には、
なぜだか微妙な違いがあり……。
ふとヒナタの心に疑問が浮かぶ。
目の前にいるのは、本当にかつて一緒に時間を過ごした相手なのか?
それは葉月も、また同じだった。
彼女はおびえた目でヒナタに問いかけてきた。
「あなたは……誰、なの?」
"