これは遠い昔の話。
悲しい誓いの始まりの記憶。
大切な誓いを巡る、本格伝記ファンタジー第二弾。
「初めまして。僕はこの館のかかりつけ医です。彼女は僕のお手伝い」
あの誓いから一か月。平穏な日々を過ごすルゼとギルバートだったが、ドミニクと名乗る青年とラティナという名の女性の訪れによって、静かな時間は急変する……。
「竜の遺骸が、移送中に盗まれた」
それは竜が関わる不穏な報せと、その件に関する調査依頼――事件を追っていく中、ルゼとギルバートは、十二年前に交わした怪我を負った一人の少年と小さな竜の叶うことのない願いから始まった、悲しい誓いにたどり着き……
「ボクの足が治ったなら……お前の背に、ボクを乗せてくれるかい?」
大切な誓いを巡る物語、第二弾。