少女たちは旅立つ――どこかにある《楽園》を目指して
ほとんどの陸地が水に沈んでしまった蒼の世界。海上にたたずむ巨大人工島《駅》で暮らしていたイスカは、一人の少女と出会う――。
「わたしを《楽園》まで連れていってくれませんか?」
まるで人形と見まがう少女、アメリは自らを「魔女」だと名乗った……。
かつては高度な文明を築き、人類を繁栄に導いた魔女。だが、魔女は姿を消し、頂点を極めた文明は滅び、その遺産だけが残された。そしてイスカ自身、魔女がこの世界に遺した吸血人形だったのだ。消えたはずの魔女と、魔女が遺した人形。二人は旅立つ。この世界のどこかにあるという魔女が住む《楽園》を目指して。