どうして俺は、
晴香と出逢う前に、
時雨と出逢えなかったんだろう。
「晴香のこと、忘れさせてくれ」
あの日、恋人・晴香の拒絶にショックを受けた俺は、時雨にとんでもないことを言ってしまった。留守電に残された、結婚すら視野に入れた晴香の覚悟に恥ずかしくなる。反省した俺は時雨に言葉の取り消しと謝罪を申し出る、が――
「後戻りなんてさせない。絶対に。忘れさせてやる」
時雨は俺たちの今までの関係をネタに脅迫してきた! 晴香とやり直したいのに、逆らえず時雨にキスをする俺。でもそれが不思議と嫌でもなくて――