私の名前はオティーリエ・シェフィンコ。
高名なシェフィンコ公爵家の一人娘にして――自他ともに認める嫌われ者である。
あれは五歳の、初めて公のパーティーに参加した時のこと。
私はそのパーティーで貴族社会から拒絶された。
理由は、未来の王太子妃に「悪役令嬢」と断罪され、一方的に忌避されてしまったから。
以来、孤立し続けてきた私だが、貴族の子息令嬢が通う学園に入学することに。
そこで私は、謎多い男子留学生と王太子妃の寵愛を受ける「運命」の少女と出会う――。
「嫌われ者だろうとも、公爵令嬢ですもの。その名に恥じない振る舞いをしたいだけですわ」
これは理不尽な悪意と謂われない悪評に晒されながらも、気高く生きる令嬢の成長物語。