なぜなにGA文庫大賞 一問一答の巻 その1

 レイアウト変更も終わり、新居(編注:編集部で生活するのは止めてください)でうっきうきな今日この頃。みなさまいかがお過ごしでしょうか。
 GA文庫K村です。
 以前ちょいと公式ツイッターでも呟いたのですが、GA文庫大賞に関する一問一答コーナーを作ってみました。
 あまり難しいことには踏み込まないつもりですが、自分だけで考えていてもなかなか答えの出ないようなことについて回答していきますので、多少なりとも参考にして頂ければ幸い。
 ただし、ここで触れているのはあくまでもGA文庫大賞での話です。
 他の賞がどのようになっているかは、正直わかりません。
 そのあたり、ご利用は計画的にお願いします。
 というわけで、早速スタート。
Q:応募者の平均年齢は?
A:第3回前期の平均年齢は27.1歳でした。
 ちなみに上は60代が2人。
 一番下は14歳。3名様。
 10代の応募者は28名様29作品。
 10代できちんと書き上げて応募してくる、というのは素直にスゴイと思います。
 さすがに一次通過率はあまりよろしくない印象ですが、中には
「あ。これいいわ」
という作品もあったと聞いていますし、K村が担当した作品の中にも、2本ばかり一次通過作があったような気が。
 ぜひぜひがんばってくださいませ。
Q:地方(海外)在住だと不利ですか?
A:審査に関してはまったく関係ありません。
 というか、そもそも応募作を読むときに応募者のプロファイルは見てません。
 なので、審査そのものに関しては影響なし。
 ただし、受賞したあとについては遠距離、特に海外だといろいろ不自由だと思います。
 特に受賞→プロになる、という段階では、作品に取り組む姿勢や創作そのものなど、いろんなことがドラスティックに変わります。
 そうしたとき直接編集担当と会って話ができるかどうか、というのは結構デカイ。
 まあ国内であれば何とでもなりますが、さすがに海外はシンドイかもしれません。
 ただ、他のレーベルさんですが、実際海外に居住しながらライトノベル作家をやっている方もいらっしゃいますので、それほどナーバスになる必要はないと思います。
Q:他の賞に応募して落選した作品で応募しても大丈夫でしょうか。
A:先に応募した賞の規定にもよりますが、通常落選した応募作に関してはその後どこで使っても問題ないはずなので、その意味では大丈夫。
 ただし、一部応募した全ての作品に関して、著作権は賞の運営母体にある、という規定になっているところがありますので、そうしたところに応募した作品は、そのまま転用すると問題が発生する可能性があります。
 そして使い回し作品でのGA文庫大賞への応募ですが、改稿してあるにせよしてないにせよ、それが審査に影響を及ぼす、ということはありません。
 というか、そもそも読む段階ではとにかく“目の前の原稿”にしか注意を向けなかったりするので、それがどういう経緯でできあがった作品か、などといったことはどうでもよろしかったりします。
 ここだけの話、K村は読むときあらすじ見ません。
 だってそのほうがおもしろいぢゃん。
 ただし、ここでひとつ言っておきたいのですが、もし本当にプロを目指すのであれば、完成したひとつの作品を大切に使い回すだけではなく、新しい作品を同時に投入して勝負したほうがいいです。
 理由はざっくり2つ。
 その1 スポーツでも何でもそうですが、実力を付けるためには反復練習が大事。
 てことは、受賞前にはとにかくたくさん書くことが実力を付けるための近道。
 まずは1本完成させる。
 次に完成作品をとにかく増やす。
 必要に応じて、シーンや会話などのパーツを練習する。
 こうした書き続ける努力が基礎力になります。
 その2 プロになった場合、受賞作の続きを書くように求められたり、新しいシリーズを立ち上げたり、より売れる方向へのチューニングを求められたりと、作品のバリエーションが必要になります。
 そのとき、新しいものを次々書いてきた人のほうが、対応力がある。
 デビューしちゃってから右往左往するよりは、事前に基礎力をつけておいたほうがいいですよね、というだけの単純な話ではありますが。
 と言いつつ余談ですが、審査の段階で常連さんとか複数応募してくれている方に関して話題になることがあります。
 というのも、審査は作品に対して行うものですが、編集部が賞を通じて必要としているのは、“書き手”だったりします。
 すなわち編集部としては、応募者が書ける人かどうか、について関心が非常に強い。
 なので、複数の作品が審査員に読まれている人に対して編集部では、
・この応募者はどんなものが得意なんだろう
・この作品はこういうふうに修正したほうがいいと思うんだけど、対応できるだろうか
・複数応募してきてるし、他の賞にもいつも送っている。ということは書くスピードが速いのでは?
 といった話が出るのですね。
 これがいい方向に働くと、結果として編集部から応募者に声をかけやすくなる、という効果があります。
 もちろん逆に、
「この人は、たくさん応募してくれているけどどうなんだろか……」
ということにもなりかねないので、粗製濫造すると自分の首を絞めますが。
 というわけで、ちょいと話がそれましたが、使い回し作品での応募は問題ありません。
 ただし、書く力を付けるには、書き続けるしかありません。
 その意味でも常に新作を書く努力はして欲しいなぁ、と思う次第であります。
 といったところで今回はオシマイ。
 近いうちに続きをやりますので、しばしお待ちくださいませ。