GA文庫

GA文庫TOP > GA文庫大賞 > 第6回GA文庫大賞(2014年)

GA文庫大賞AWARDS

結果発表

第6回GA文庫大賞 優秀賞受賞者発表!

おかげさまで第6回GA文庫大賞は前期528作品、後期533作品、合計1061作品ものご応募を頂きました。多数のご応募ありがとうございました!
ここに第6回GA文庫大賞・優秀賞の選考結果を発表させて頂きます。


優秀賞

ペンネーム 作品名
北川まんた 剣銃士と最強の補助系魔法使い
スタジオぽこたん 少年給魔師と恋する獣(乙女)
龍田 魔王少女フィジカルぱとらRaiseDead!!
千羽十訊 神楽剣舞のエアリアル
(受賞作品「スカイ・ララバイ・ツルギノマイ」より改題。2014年7月刊行予定)

奨励賞

ペンネーム 作品名
西表洋 ラーメン道テイク2
広岡威吹 勇者学校で魔王がスパイ?
雪川轍 クロスワールド・スクランブル
わいのじ Time Travel to Smile

※敬称略・50音順

■総評
 第6回GA文庫大賞の最終発表です。
 前期後期合わせて1,061本の応募作の中から、今回は4本の優秀賞を出すことができました。惜しくも大賞こそありませんでしたが、いずれも選考会で高い評価を受け、堂々の優秀賞。
 まずは受賞された皆さま、おめでとうございます。
 ここからがプロの作家としてのスタートラインとなります。担当と一緒に作品のブラッシュアップをがんばってください。

 さて、6回目となりました今回のGA文庫大賞ですが、応募者の平均年齢は28.22歳。下は15歳から上は56歳まで(どちらも複数)、国外からの応募(複数)もありました。こうした幅広いところから応募をいただけるというのは、新人賞主催者として大変ありがたく、嬉しく思います。

 応募作についてですが、今回の傾向としては全体的に異世界ファンタジー with 異能バトル、な作品が多かったでしょうか。
 ライトノベルは10代向けのエンタテインメント小説である、という以外に確たる縛りの存在しないカテゴリーなので、募集された時点で読者となる皆さまにとって一番興味のあるジャンルが応募作にもそのまま傾向として現れるのかもしれません。最近の売れ線的傾向なのか、たまたまそうなったのかわかりませんが、興味深い結果でありました。
 逆に現代ものについては、ストーリーや構成自体にひねりというか仕掛けのある作品が強く、普通のラブコメ的な作品は少なかった印象です。
 読んでいて「を、ひねってきたな」と思わせられたり、「これはよく考えてあるなぁ」と感心させられたりと、普段の仕事では使わない脳みその別領域を刺激されるようで、大変興味深く読ませていただきました。
 惜しくも選に漏れた応募者の皆さま。すでに届いている人もそうでない人も、評価シートを参考に次回作での応募をスタッフ一同心よりお待ちしております。

 さて、第7回前期を募集しておりますGA文庫大賞ですが、ただいまWebでの応募受け付け準備を進めております。まだちょっと時期についてはここで明言できないのですが、できるだけ早急に実装して、応募にまつわる負担を減らしたいと考えております。もし何かご要望などありましたら、公式ツイッターアカウント(@GA_bunko)や、公式ページ(http://ga.sbcr.jp/index.html)の一番下にある問い合わせフォームよりご意見をいただけますと幸いです。

優秀賞

剣銃士と最強の補助系魔法使い

PN. 北川まんた

【あらすじ】

『エターナル・シフト』――人の意識を肉体から切り離し、プログラムによって創り上げた仮想世界へとシフトするシステム。
俺ことソウマはそんな大層な代物を使って、巨大隕石の衝突から滅びようとしている地球から、意識だけこの世界に逃げてきた。
このシフト先の仮想世界『ユグドラシル』は既存のファンタジーオンラインゲームで使用されていたものをベースとしているらしい。
人間とは勝手なもんで、俺がここにきた時点で既に《魔法王国アース》・《神国ヴァン》・《妖精国アレフ》……と残りはなんだっけ。
……要するに避難してきた三百万人ほどの人間によって、九つもの国に分かれて覇権争いなんていう、思い切り「ファンタジー」をエンジョイしているわけ。
命からがら逃げてきておきながら今度は戦争とは、まったく大したもんだよ……え?俺はまあ、「剣銃士」とかいう職業をソロでやってなんとか凌いでる。
正直人とつるむのは嫌いなんだ。俺もここに来てから色々とあってな……。
なのにどうしてだろう、この世界の中心にある『世界樹』で偶然出会った女の娘、ユキ。コイツと出会ってからどうにも気になって構ってしまう。
だってコイツには、どうしても助けてあげなきゃいけない隠された秘密があるから――。
創られた世界で少年と少女が出会った時、今ここに真実の物語が幕を開ける!

【選評】

『エターナル・シフト』を使って仮想世界へとシフトする、冒頭のシーンがとても力強い描写で一気に作品の世界感に惹きこまれました。
主人公のソウマのどこか引いたようでいて、実は熱くていい奴だ、と演出するタイミングも的確であり、とても魅力的な主人公に仕上がっていたと思います。
またヒロインのユキも、ある大胆な設定を基に、キュートさだけでなく儚げさも上手く備わったことで、二人の関係性と物語の展開にも深みが出ていました。
バトルシーンも非常に丁寧に描かれており、純粋にファンタジーとしても楽しめる作品でした。

PAGE TOP

優秀賞

少年給魔師と恋する獣(乙女)

PN. スタジオぽこたん

【あらすじ】

武藤一織は華奢ではあるがれっきとした男である。
しかし何故か『名門女子高』に入学させられ、そこで幼馴染のユイとレイナに再会する。
一織は地脈を妖魔から守る魔術師でありながら、戦う力を持たない稀有な存在で、四神獣の力を降ろす『獣化』で戦う巫女のユイとレイナを影で支える使命を背負っていた。
一織だけが使える『給魔の儀』を行い、膨大な魔力を体内に注入しなければ、巫女は『獣化』できないのだ。
しかし、ユイに給魔しようとすれば「アンタの給魔は、いつもいつもなんかいやらしいのよ!」と叩かれ、レイナを助けようと駆けつければ「あなたの軽率な行動で、迷惑するのは私達なのですよ?」と逆に説教されてしまう。
久しぶりに再会した少女達は何故か一織を拒絶し、給魔を嫌がっているようだ。一織も美少女に成長した二人に戸惑い、強く給魔を迫れない。
「もっともっと力をつけなきゃ、二人が認めてくれる位の力を……」
一織は仲直りするために涙ぐましい努力を続け、関係を修復していく。
しかし今度は、些細な誤解から一織をめぐりユイとレイナが大喧嘩し、それが原因となって、妖魔以上に恐ろしい強敵が復活。一織は命を狙われることに――。
強さのベクトルは一つじゃない。自分の巫女<メス>を守ると決めた“最弱”給魔師の戦いが始まる。

【選評】

『給魔』という戦闘には不向きな魔術しか使えない、見るからに“弱そう”な主人公が知恵と強い意志で仲間を守り、使命を果たすという展開は熱く、最後まで一気に読めました。
特に力ずくでの決着を望まない主人公の優しさと、対する敵キャラの複雑な感情を見事に描き切ったラストバトルの感動的な結末には脱帽!!
その他にも、普段は頭の上がらないヒロイン達がタブーを犯したときに、主人公が激しく叱りつけて屈服・従属させるシーンでは普段とのギャップをしっかりと活かして演出したりと、随所で著者の文章力が光ってました。
また、登場するヒロインは、それぞれキャラクターが立っているうえにとても可愛らしく、主人公を含む三角関係もしっかり描かれており、ラブコメとしての出来にも文句なし。全体的にライトノベルとしての完成度が高い作品です。

PAGE TOP

優秀賞

魔王少女フィジカルぱとらRaiseDead!!

PN. 龍田

【あらすじ】

「禾斗目高校の制服……あなたが、相手ですね」
路地裏で日月が出会ったのは、アニメ「魔王少女☆フィジカルぱとら」の衣装をコスプレした《血闘者》の少女だった。
その純白のセーラー服を改造したような衣裳に、輝く金のツインテールの下に整った面差し、翡翠の双眸を開いてこちらに向かう凛とした姿は、姿を偽り己の実力を競い合う路地裏格闘《血闘》に突如として現れ、ほぼ全ての敵を「一撃」で沈め頂点に至り、そして消えた伝説のランカー《魔王少女》そのものであった。
だが――日月は、そんな《魔王少女》を、あろうことか「一撃」で沈めてしまう。
「いるところにはいるもんなんだな……ニセモノって」
何故なら彼こそが……!?

――この地には、魔王少女が現れる。そんな噂が流れ出して一年。
「本物」の一撃に憧れ、姿形を真似て頂点を目指す「ニセモノ」少女と、かつて「本物」の一撃に破れ、誰も正体を知らないはずの日月を疑い、付きまとう現役のランカー少女。
《魔王少女》に憧れるふたりの少女が《魔王少女》を辞めた少年と出会うとき、再び《血闘》に新たな伝説が刻まれる!!
白熱の路上バトルアクション、開幕。

【選評】

《血闘者》である來未、小町といったヒロインが戦いに賭ける強い情念を隠そうともせず「伝説の《魔王少女》」である主人公・日月にぶつけ、戦いの内外で文字通り「体当たりで」アピールしてくるさまには、とても「熱さ」を感じます。またそんな彼女たちと対照的に、日月には、何故《魔王少女》になったのか、どうして辞めたのかなどの「秘密」を積むことで一歩引いた距離に置きストーリーを展開、それを《血闘》を媒介に解きほぐし、関係の変遷から至るクライマックスは読後強いカタルシスを感じ、また《血闘》を中心とした物語世界に憧れを掻き立てられました。

PAGE TOP

優秀賞

神楽剣舞のエアリアル
(受賞作品「スカイ・ララバイ・ツルギノマイ」より改題。2014年7月刊行予定)

PN. 千羽十訊

【あらすじ】

地表がほとんどなく、空に浮かんだ浮島が無数にある異世界。
その世界の空には時々「穴」が開き、地球から様々なモノや人が落ちてきていた。
日本から落ちてきた少年、雪人(ゆきひと)は、空に開く穴――ウイルドレンドから落ちてくるものを調査するための人間を育成する学院に、家族同然の少女、風夕(ふゆ)とともに入学した。
異世界からきた人間は基本、魔術が使えないと言われているが、雪人は元々“退魔士”だったがゆえ、魔術が使える特別な存在だった。
成績上位者が選抜される調査団の試験で、ライバルの少女フランツィスカと戦う雪人は、魔術の翼を身に纏い、魔術で錬成した刀を振るい、戦う。
彼らの冒険は、やがて失われた英雄伝説へと近づく――。
天空の下、魔術と剣戟が加速する異世界バトルファンタジー!

【選評】

個性的で面白い作品の多い受賞作の中で、「王道の冒険譚」として、本作を推しました。
空を舞台とした魅力的な異世界に、主に翼として顕現させる、使い手を極度に強化する魔術《霊殻魔術》や、《東方退魔機関》でかつて《妖刀使い》と呼ばれた雪人の抜刀術をはじめとした魔術剣技等の各種設定は、物語を華やかに彩ります。
主人公の雪人は、とにかく強い。そして単に強いのではなく、性格、行動が非常にカッコイイキャラでした。
ヒロインの風夕やフランツィスカも強く、かわいい。読んでいて、ビジュアル化が楽しみになる、とても魅力的なキャラに感じられました。
少年少女たちの身近な冒険が、やがて世界に関わる大きな物語へとシフトするスケール感・展開が素晴らしいストーリーでした。読者を盛り上げるリーダビリティに優れた、非常に“戦闘力”のある作品です。
この作品をGA文庫で出せることを、とても嬉しく思います。

PAGE TOP

奨励賞

ラーメン道テイク2

PN. 西表洋

【あらすじ】

ラーメン屋に並んでいる途中に撃たれて死亡し異世界に転生した主人公・チャー。
生粋のラーメン好きで、ラーメンに人生を捧げていたチャーは、記憶を残して生まれ変わったファンタジーの世界でも、ラーメンを追求することを誓う。
あらゆることが現世と違う世界で最高のラーメンを作るために、チャーは魔力を鍛えて日々狩りをするのだった。
ある日チャーは、もっとこの世界の情報を得てラーメン作りに役立てようと、王都に出ることにした。
王都に向かう途中、魔力の病にかかっている少女メイを鍼の腕前で助けて妹分にしたり、王女騎士団に所属するアテナとも親交を得たチャーは、アテナの尽力により、王都で屋台を開く許可を得ることができた。
念願のお店を手に入れたチャー。果たして自慢の腕前は王都で通用するのか――。
「はい。こんなに美味しいイノシシの煮込み肉は、滅多に食べられません」「あ、そ、そう──」
それはラーメンの評価ではない。
「お待ち。チャーシュー大盛りにしといたぞ」「ありがとうございます!」「麺とスープも大増量だ」「────ありがとう、ございます」「そっちは嬉しくないのな」
微妙な評価に加えて、王都にドラゴンまでやってきて――果たして、チャーのラーメン道の行く末は……!?

【選評】

いろいろな意味で、今回一番の問題作だったと思います(笑)。ラーメン屋に並んでいて撃たれて死んだ主人公(しかも天才鍼灸師)がファンタジー世界に転生して、その世界でもラーメンを追求するという流れだけ追ってみると、果たしてティーンズ向け小説とは何ぞや?と思うくらいインパクトがありました。他方、読み進めると驚くほどライトノベルで、主人公御自慢のラーメンを食べて様々な反応をするヒロインの可愛らしさや、あとからじわじわくる読み味が心をつかんで離しませんでした。類を見ない作品で、ぜひ世に出したいと考えました。

PAGE TOP

奨励賞

勇者学校で魔王がスパイ?

PN. 広岡威吹

【あらすじ】

魔族に対抗するために作られた勇者学校に、魔界から二人組の男女が入学してきた。魔界の元王位継承権保持者のグレイとお目付け役として同行した吸血鬼のサラ。
幼い頃に勇者と対峙し、魔呪気を全て失ったことで魔界最弱となってしまったグレイの力を取り戻すため、勇者学校に潜入しにきた二人だったのだが――
「家族じゃないと寮の同室は認められないじゃと!? それなら我はグレイの妻になる!!」「えぇ!?」
夫婦?となり注目を浴びつつも無事に入学を果たしたグレイたち。
入学後も二年生の主席を打ち破るなど注目を集め、一部の生徒から目を付けられつつも、気にも留めず順調に潜入を続ける二人だったが……突然魔王が何者かに殺されてしまったとの連絡が!!
父親の死に動揺しつつも、王位継承権を失った自分には関係ないとグレイは言うが、サラはなぜか焦りを見せていた。
サラを問いただす中で明かされるグレイの力の秘密。いくつもの陰謀が蠢く中、グレイは自らの力を取り戻すことができるのか!

【選評】

タイトル通りの魔王勇者モノの本作ですが、イベント配置や物語の展開のさせ方が上手く、非常に読ませる力のある作品に仕上がっていました。選考作品の中でも読みやすさではトップクラスだったのではないかと思います。
主人公のグレイが魔界最弱となってしまった過去を持ちながらも快活さを忘れず、前向きに振る舞う姿はカッコよく、また登場するヒロインたちも可愛く個性的に描かれていました。さらに、それぞれの立場や想いが物語中で有効に機能している点も高評価を得ました。

PAGE TOP

奨励賞

クロスワールド・スクランブル

PN. 雪川轍

【あらすじ】

鏡を覗くと、腰まで届きそうなサラサラの黒と、大きな目が見つめてくる。
桜色に染まった薄い唇に弧を描かせて、小首も一緒に傾げてみる……いい笑顔! それはまるで人形が感情を持って、愛らしく微笑んでいるかのようだった。
小さく膨らんだ胸。白く柔らかい腕。体を支える足は、言い訳しようもないくらい可愛らしい少女の姿で――――が「……ぼ、ボクは……ボクは男だあああああああああーーーーーーーーッッッッ」。それは六道六天魂の叫び。
かつて、この世界では魔法による大きな戦いがあった。多くの命が失われ人々が心から平和を祈ったとき、それを叶えたのは『五人の魔法使い』と呼ばれる者たちだった。
しかし、世界は彼らによってさらなる時代「死なない世界」を迎えたのだった。
そんな世界に住まう六道六天は見た目は美少女。しかし、魂はれっきとした男の子。
幼い頃発現した魔力を押さえるためにその力を封印したら、身体が女の子になってしまったのだった。
成長し、かけられた封印を解けば元の身体に……と考えるものの、それが唯一出来るのは「地獄の閻魔」とも呼ばれる、三空学園長のみ。
そんな彼女がある日、六天と巴に「敵」を倒して欲しいと依頼してきた。働きによっては掛けられた封印を解いても良い……と。しぶしぶその依頼を受ける六天だったが――。

【選評】

主人公が見た目は美少女!といういわゆるTSをあつかった作品。その設定だけを聞くと少し色物的なイメージを持ってしまうかもしれませんが、その愛くるしい見た目とは裏腹に「男子」として奮闘する六天はお嬢様ヒロイン巴や他のヒロインから愛され頼られる存在としてきちんと描かれていたのは好印象でした。彼の切実なる「元の身体に戻りたい!」という心情を伝えるのにもそれは有効でした。また魔法が支配し白と黒の陣営に分かれて戦う世界というのは面白い設定でした。魔法死や反転という概念でオセロのように動く陣取り合戦の設定なども良かったです。

PAGE TOP

奨励賞

Time Travel to Smile

PN. わいのじ

【あらすじ】

ある日高校生の双海遼太郎が家に帰ると、そこには見たこともない少女の姿があった。
少女曰く「自分は未来の遼太郎の娘で、未来から遼太郎の結婚を邪魔するために飛んできた」という。そんなことまったくといって心当たりがない……わけでもない遼太郎。
実は遼太郎の一族は「一度だけ時間を飛べる能力」を持っていたのだった。
それでも、娘と名乗る少女・雪音がなぜ未来から飛んできたかはわからない。どうして結婚を邪魔しにきたかもわからない。確かに遼太郎にはずっと付き合いたいと思っている女の子はいるが、まだ付き合えてさえもいない。結婚できたとしても、まだずっと先のことのはず。
何もかもわからない状況のなか、気づいたらもうひとり娘が増えていた。
「お。父さん、でいいのかな。若い父さん!おっはよー!」「お、おは、よう……?」
まるで事態が飲み込めない遼太郎。そんな折、雪音は本当に遼太郎最愛の少女・阿梨亜との関係を妨害し始め、もうひとりの娘・鈴音はそれを笑って見過ごし、さらに阿梨亜はやきもち(?)まで焼いて、遼太郎の毎日は大変なことに。
そして、とあるきっかけから、ついに二人が未来からやってきた理由が明らかになるが――!?

【選評】

構成がとてもシンプルで読みやすく、そんななか、たったひとつだけ盛り込んだタイムトラベルの要素がとてもうまく機能していたことに好感を持ちました。未来からやってきた娘はとても可愛らしく、最初は憎たらしくも見える娘たちの行動が、結果的に主人公を動かし、ヒロインと未来を選択していくことになる流れには胸が熱くなりました。ベースはラブコメではあるものの、主人公の想いや物語もきちんと描かれていて、加えてとにかく娘が可愛いので、ぜひありがちなラブコメに飽きた読者のみなさんにも読んでみてほしいと思います。