GA文庫大賞一次選考感想:僕にその手を汚せというのか

 よく見ていたサイトは「ラノ漫」、サトです。
 今回はGA文庫大賞第2回後期の一次読みからの傾向を、と思ったのですが……編集Tが具体例をたくさん紹介していたので、私は個人的かんそーをいくつか。
 第2回後期では90作品ほど読ませて頂きましたが、なんというか、一次選考の当落線上の作品が非常に多かった印象です、本当に。
 一次で残念ながら落ちてしまった方でも、残る可能性が割とあった方がいます。気落ちせず頑張ってください、次回作もお待ちしております。そして一次通過した方でも、選考時はギリギリだった可能性もあります。過信せず精進ください、次回作も楽しみにしております。
 ですが、「レベルが高かった」かというと、ごくごく個人的には「それほどでもない」とも思ったりしています。今まで一次で読ませて頂いた作品から5作ほど奨励賞が出ていますが、そういう候補レベルまでの手ごたえを感じていない状況です、二次読み以降で出会える可能性もある訳ですが。
 また、個別な面ですと、多かったのは、ちょっと厳しめの意見になっちゃいますが「テンプレです。この作品の“売り”はどこでしょう? 最後のこれはどんでん返しとしては甘いのでは」といった作品です。「テンプレ」っぽい作品は市販のライトノベルでも普通にありますが、プロの方が書くと「テンプレ」は「王道」になる場合があります。新人賞作品としては「独自性」、「展開の驚き」を重視した方が、当社に限らず有効だと思いますよ。
 あと「面白い作品ですが、主人公、もしくはヒロインの設定が奇抜過ぎるかもしれません。独自性は出せていますが、今のラノベ読者には敷居が高い作品になってしまって……」という方がいくらかいらっしゃいます。何事もバランスが肝心と言えるかもしれません。
 最後に、これは、あくまで一意見ですが、GA文庫大賞は、市販できる作品を前提に選考をさせて頂いている賞になります。そのため各ジャンルのニーズは、少年向けライトノベル作品としての今の市場のニーズが、直結してくると私は思います。これはプロの作家さんとプロットについて相談する場合もよく俎上に載ることです。
「青春小説」でも、「人がたくさん死ぬシリアスな話」でも、「オーソドックスなファンタジー」でも、「いままでにないジャンル」でも、「面白ければ」大丈夫です。ですが、それぞれにおいて要求されるレベル、クオリティは、異なるのではないかと思っております。
 傾向と、その対策の一案を以下に。
 青春小説では「地味にならないよう設定や展開を派手めに」すると良いのに、と感じる作品がいくつかありました。
 シリアスな話では「会話の掛け合い等の要素を強化」、「日常シーンでコメディ色を導入」等があれば良いのに、と思う作品がいくつかありました。
 オーソドックスなファンタジーでは、仮に既存の有名作、人気作に匹敵するレベルだとしても、セールス的な「売り」は必須と感じます。「独自性のある設定の構築」も取り入れた方が良いのに、と思う作品がいくつかありました。
 いままでにないジャンルでは、「市場ニーズと離れすぎないよう、適度にチューニング」があれば良かったのに、と感じる作品がいくつかありました。
 GA文庫大賞第3回前期の締め切りは5月31日です。皆様からの新しい作品をお待ちしております!