【特別企画】「ずっと作家を続けたい。実は――」あわむら赤光・デビュー当時を振り返る【独占インタビュー】

ども、GA文庫のまいぞーです!
第6回GA文庫大賞《前期》の審査が本格的に始まり、ただいま編集部は稼働率300%!!
最高に面白い原稿と出会うため、一作一作を大切に読んでいます。



20130614shinjin.jpg


さて、突然ですが、今回はGA文庫ブログだけで読める特別インタビューをご用意しました! しかも《後期》の募集が始まったばかりのGA文庫大賞に関する独占インタビューです。
インタビューのお相手は
あわむら赤光先生!!
去る先月の某日、新人賞授賞式に参加するために式より数日早く広島から東京へやってきたあわむら先生。そこで、ここぞとばかりに編集部へ監禁お招きして、電子マガジン編集デスク・みっひー氏の号令のもと半強制的なごやかに不意打ちインタビューは敢行されたのです。


20121109shoei.jpg


第1回GA文庫大賞からデビューし、最新作「聖剣使いの禁呪詠唱<ワールドブレイク>」も絶好調!! いまやGA文庫を代表する作家のお一人となられたと言っても過言ではありません。その足跡はGA文庫大賞の歴史そのもの。そんなあわむら先生に、デビューをむかえる前に感じていた気持ちや、デビューをめざす方へのアドバイスなど、GA文庫大賞に挑む全ての方へむけたメッセージをこめて、インタビューにお答えいただきました。それでは、ごゆっくりどうぞ!
―――まず、受賞するまでの投稿歴を教えてください。
いろんなレーベルさんに送り続けて、受賞するまでに五年かかりました。最初の三年は箸にも棒にもかからなかったです。
―――変化のきっかけはありますか?
頭を打って反省し、「執筆ペースを上げよう」とか「違うジャンルも書いてみよう」とか「忘れたころの自作を見直して自分の悪いクセを見つめ直そう」とか、自分を追い込んだんです。そうこうやってるうちに初めて一次選考突破できて。それからは、以後ずっとある程度上の審査に進めるようになって……晴れてGAでって感じですね。
―――受賞の決め手は何だったと思いますか?
差別化できる個性があったのが決め手だった気がします。……気が、します。
―――差別化できる個性?
そうですね、自分の投稿作でイイトコ止まりだったものと、受賞作の「無限のリンケージ」を比較してみて、完成度ではそんなに違いはないと思うんです。けど、「無限のリンケージ」は事件のスケールの大きさや、効果的な時系列の入れ替えテクニック、といったところがイイトコどまりだった自作とは違っていたのかな、と。
―――5年経った今だから思う、デビュー当時の思い出などがあれば教えてください。
一生一度の自分の授賞式に出た時、緊張で思考がフリーズしてしまって、もうあれよあれよと時間が過ぎ去り気づけばホテルの部屋に戻っていたという有様で、あれはもったいないことしたなあ、と。悔しくて悔しくて、実は今でも忘れられません(笑)。
―――では逆に、デビュー「後」に苦労したことはありますか?
投稿作って一本完結のお話を作るじゃないですか? それは山ほど作ったわけですが、投稿時代に2巻を書いたことってなかったんですよ。やろうと思えばできるだろうってタカをくくってたんですけど、いざやってみるとすごく難しかったんです。1巻と同じ完成度で続刊を書く感覚がつかめてなくて苦労しました。
―――それは意外な苦労かもしれませんね。では、作家になってよかった、と実感するのはどんな時でしょうか?
大好きな作品の著者さんに、お会いできた時ですね。この感激は筆舌に尽くしがたいです。あと、下世話な話で申し訳ないのですが、ライトノベルをたくさん買っても全部経費になるのが地味に幸せを感じます。
―――続いて、簡単な日々の執筆サイクルを教えてください。
僕は根性ナシなんで、締め切り前の追い込みとか絶対できないんです。だから一日10ページ(注:投稿用のページ換算なら5枚)をノルマにしてコツコツ書いていきます。それが終わらないとゲームしたり、ネットサーフィンしたりしないようにしてます。ラノベ読むのは誰が何と言おうと勉強のはずなので、ノルマ終わってなくても楽し……読んだりします。仕方ないネ!
―――製作環境も知りたいです。
制作環境は自室で、デスクトップのパソコンを使ってやります。外じゃ書けない派です。音楽もあったら書けない派です。エディタは編集長に紹介してもらった「QXエディタ」がお気に入りでずっと使ってます。
―――小説を書く上で、普段から心がけていること、大事にしていることはありますか?
「嫌いな努力は身につかない」が持論なんで、楽しい努力をすることですね。例えばお堅い本を片っ端から読めと言われると僕は正直辛いです。でも逆にライトノベルは好きなので、それをたくさん読んで研究することは苦になりません。自分の好きじゃないものは書けないタチなので、売れる要素かもと思ってても逃げてるものはあります。逆に自分の好きなものを見つめ直し、読者さんのニーズと合致しているクロスポイントを探すのに成功できれば、僕は楽しんで書けて、読者さんからはご支持をいただくことができます。そういう風に自分が楽しいことをして、それを成果につなげるように心がけています。
―――ところで、最新作「聖剣使いの禁呪詠唱」のアイデアは、何から着想を得たのでしょうか?
露骨な宣伝きましたね! 着想というよりは課題に挑んだって感じです。先に書きたいものがあって、「カッコイイ主人公の熱いバトルモノ書きたい」「幼馴染みたいに親密なWヒロインの萌えるイチャラブ書きたい」って編集部にお願いしたら、「その二つをシンプルな設定で表現できたらいいよ」って課題出されて、必死に考えて思いついたのが「前世が二つある」という設定アイデアです。「個性的で、シンプルで伝えやすい、核となるアイデアを突き詰める」ってことをもっと早くから自力でできていれば、僕は四年でデビューできたかもしれませんね!(笑)
―――それでは、これからの目標をお聞かせください。
ずっとずっと作家を続けていたいです。実はこれすごく難しい、壮大な目標なんじゃないかと最近はヒシヒシ感じているんですが。
―――さきほどの楽しみを成果につなげることにも似てますね。では、職業作家でいるための最重要条件だと思うことはなんですか?
「引き出しの多さ」でしょうか。
―――もうすこし詳しく教えてください。
一つの作品の短所を見つけだす審美眼を養うことではなく、一つの作品の長所を楽しめる感受性の豊かさを養うことだと思います。さっきも言ったような、楽しいことなら努力できる人、好きな物しか書けない人は、僕に限らず多いと思うんです。でも自分の好きな物が少なすぎると、仮にそれが読者さんに求められなかった時、もう嫌いな物を書き続けるしかなくなってしまいます。地獄ですよね。でも、自分の好きな物がたっくさんあるなら、色んな作品を楽しく書いて、いつか読者さんに求められることができると思います。これも一つの「引き出しの多さ」だと僕は思うんです。
―――最後に、作家を志す方々へアドバイスを!
「これなら負けない!」っていう自分の武器を何か一つでいいから磨いてください!
それは「熱いバトルシーンの演出力」でもいいし「泣けるストーリーの構想力」でもいいし「抱腹絶倒のコメディセンス」でもいいし「可愛いヒロインが書ける感性」でもいいし「プロより優れた売れる作品への嗅覚」でもいいし「プロにも負けない完成度の高さ」、本当になんでもいいんです。その何か一つがあると、受賞するにも、その後活躍するにも有利だと思います。まさしく「武器」になると思いますね。
編集さんに「この作者さんなら、他にもこんな話を書いてもらったら面白いだろうなあ」って妄想させられたら勝ち、みたいな。僕自身、読者さんに「この作者なら、他にもこんな話が読みたいなあ」と思っていただける作家になれるよう、がんばります。
というわけで。
それでは、皆さんと第六回GA文庫大賞授賞式でお会いできることを、そして発売された受賞作を読ませていただける日を、楽しみにしております。
―――本日はありがとうございました。
いかがだったでしょうか? 
見切り発車の企画でしたが、あわむら先生のおかげでかなり濃いインタビューになったのではないかと! 
そして、もしかしたら別の作家さんをお招きして、第2回、第3回もあるかも? ひょっとしたら第X回のお相手は、やがてデビューするあなたかもしれません……!
第6回GA文庫大賞《後期》はただいまエントリー受け付け中です。


第6回GA文庫大賞のページはこちら


「これなら負けない!」という力作のご応募をお待ちしております。
なお、実は今回のインタビューには続きがあります! しかもなんと、これはまだ半分以下。
むしろここからが本番といわんばかりに、あわむら先生の激アツで赤裸々なトークが炸裂!

20130614magazine.jpg

歴代GA文庫大賞への熱い、熱すぎる想いを語りつくす本音満載の特別インタビューは、現在好評配信中のGA文庫マガジン6月号でお楽しみいただけます。よろしければ、お手頃価格、iOSは85円(税込)、Android&PCは89円(税込)で読める電子マガジンをチェックしてみてください。本気のあわむら赤光がそこにいます。
以上、まいぞーでした。