政宗「作者が上田に取材に行った日が、まさに大河ドラマが公式発表された翌日だったらしい」
幸村「そんな奇跡みたいなことあるのかよって思ったけど、写真の日付見たらマジなんだな」
政宗「そういう奇跡を起こすあたり、やっぱり私って、もってるよな」
幸村(なんで、こいつが偉いって話の流れになってるんだろ……)
政宗「さて、『斎藤バジリスク道三の娘の様子がちょっとおかしい』の登場人物紹介第二回をやるぞ」
幸村「何、勝手にタイトル変えてんだよ! しかもバジリスクじゃなくて、マムシなんだよ!」
政宗「第二回は真田幸村みたいだけど、ぶっちゃけ弱小大名のせがれ程度にそんな語ることあるのか?」
幸村「失礼すぎるだろ」
政宗「でも、お前のいた世界だと真田って江戸時代もずっと大名として残ったらしいけど、かなりハードル高かったと思うぞ。幸村は死んでるけど」
幸村「まあ、真田氏の本読んでると、大名として生き残ったのが奇跡と思えてくるのは認める……。幸村の兄、信之が親徳川派だったのが幸いした。運悪かったら、長篠の合戦あたりですでに断絶しててもおかしくないような……」
政宗「ところで、うちの伊達とお前の一族の縁って何かあるのか?」
幸村「うん、ちゃんとある。大坂夏の陣で真田幸村が討ち死にしたあと、その子供を保護してくれたりしたのが伊達家中なんだ。なので伊達は幸村の家にとって恩人の大名なわけ。あと、小説では信繁って名前ではなく幸村でやってます。その理由も本の中に書いてます」
政宗「あっ、今、ずんだ餅食べてるから静かにして」
幸村「話振っといて聞かない流れ!?」
政宗「お前の世界の真田幸村は英雄だけど、いわゆる『天才』ではないな。つまり、私とは違う」
幸村(何、こいつ。ナチュラルに自分は天才ですって言ってるの……?)
政宗「幸村は出自も国衆の一つって程度だし、長男でもないし、関ヶ原のあとの九度山での生活は限りなくニートだし。大坂の決戦がなかったら父親の昌幸と比べて知名度で圧倒的に劣るキャラだった可能性高いぞ」
幸村「それはあるな。知名度がそこで劇的に向上したのはわかる」
政宗「普通の人がものすごく努力して人生最後でとんでもない大英雄になった感がある。その点、日本人ウケがいい気はする。自分も頑張ったらすごい人間になれるかもしれない、しかも中年からのチャレンジでも遅くはないんだって気持ちにさせてくれる」
幸村「お前、他人の評価についてはけっこう的確だな……。前回もそれぐらいちゃんとしゃべれよ」
政宗「ところで、山形の最上のおばさんから芋煮会の誘い来たんだけど、どうする?」
幸村「関係ない話ちょいちょいはさむのやめろや!」
政宗「まあ、ディスってきたけど、関ヶ原で西軍が勝っていたら、幸村も大名になれた可能性は高いな。親父の昌幸とセットでくっついてるのは幸村で、長男の信之は事実上、独立した家を興してる。家が滅ばないために西軍・東軍に分かれたって見方もできるけど、そもそも独立した大名家だとしたら、独自判断でつく側を決めることもあったかもしれんな」
幸村「まあ、そういう『もしも』を想像するのも歴史の楽しみだな」
政宗「芋煮会はロシアンルーレット式で毒入りの椀があるらしい」
幸村「芋煮会にシフトするのやめろ!」
「伊達エルフ政宗」、どうぞよろしくお願いします。