「伊達エルフ政宗」全国編4【近畿】

20160328date_elf_masamune政宗「4月のGA文庫新作『伊達エルフ政宗』本編ではまだ登場しない全国の武将を地域別にいくつかピックアップして紹介していくぞ」

 

 

 

 

20160328date_elf_yuuto幸村「今回は近畿編です」

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■筒井ガーゴイル順慶(本拠:大和筒井城 奈良県大和郡山市)

 ガーゴイルはとくに大和、現在の奈良県に多い。これは奈良県に古い寺社が多いことによるものだ。かつて、神社の狛犬や寺院の仁王像の代わりにガーゴイルを置いて門番とすることが広く行われていた。狛犬はよく見ると小さな突起物が頭に生えているが、これはガーゴイルの角の名残である。かつてはガーゴイルのようなコウモリじみた羽も生えていたという。
 ガーゴイルは石のようにぴたりと体を止めておくことが得意で、もし火事などが起きた際でも生きているのですぐに逃げ出せる。大きな寺社ではガーゴイルを雇ってこの仕事をさせていた。
 やがて、ガーゴイルの一部は大和の大勢力、興福寺に連なる武装集団となるが、その一つが筒井氏の先祖であり、戦後乱世に筒井氏を継ぐ者として順慶(じゅんけい)も生まれた。
 さて、順慶がまだ幼い娘だった時のこと。家老を含めた定例の会議が当主、順昭(じゅんしょう)の元で行われていた。
 そこにつかつかと順慶が入ってきた。
 小さな子供が入ってきたことで、数人が思わず笑い出した。緊張感のある空気がゆるむ。
「おい、ここはお前にはまだ早い」
 当主も笑いながら言った。
 だが、順慶本人はにこりともせず、当主の前に行き、そしてこう言った。
「もう出ていっていいよ。父様の代わりはもう終わり」
 実は大和一国の支配権をほぼ確立した英傑、筒井順昭は三十歳にも満たずに病死していたのだ。その代わりを似た顔の影武者が行うことで、どうにか筒井氏は保っていった。
 その代わりはもういらないと幼い順慶は言ったのだ。至極、真面目な顔で。
 こうして影武者は出ていくことになり、順慶が当主となった。
 順慶は幼心に父親がなぜ死んだのかを知っている。
 ――あれはガーゴイルの病だ。
 一部のガーゴイルは石化能力を上手く機能させられず、大人になると体が硬くなって死んでいくのだ。これは遺伝することも多いから、おそらく自分もそう長くは生きられぬだろう。早熟の順慶はそんなこともだいたいわかっていた。

 ――せめて、その前に父様が目指していた大和一国の支配を。
 順慶は自分から戦国の動乱に飛びこむことを決めた。

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■六角サトゥロス義賢(本拠:近江観音寺城 滋賀県近江八幡市)

 安土城のすぐ近くに観音寺城という別の山城があるのは比較的よく知られている。
 この観音寺城がサトゥロスの大名、六角氏の居城である。早い段階から石垣が使われ、安土城のモデルにもなったと言われている。
 六角氏は元々佐々木氏の出のはずだが、サトゥロスと混血したようだ。そして、ほかのサトゥロスと比べて角が複雑で六本もあったことから、六角という苗字を使用しだしたらしい。
 今でもサトゥロスはお祭り好きで無責任な性格の者が多いと言われる。それは六角氏でも同様だったようで、ピンチになると、すぐに甲賀(こうか)の森に潜伏して、ほとぼりが冷めると戻ってくるのである。
 サタンこと織田信長が攻めてきた時も同じ作戦を使ったが、この時は復帰のチャンスがなくて、そのまま没落してしまった。まあ、居城のそばに安土城を造られては六角氏も立つ瀬がないと言えよう。
 ちなみに近江商人の根拠地はこのあたりである。サトゥロスは贅沢好きで派手好きが多いので、彼ら向けに商売人が集まってきたというのが真相だろう。当時の首都である京からもかなり近いし、いろいろなものが流通したに違いない。

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「伊達エルフ政宗」、どうぞよろしくお願いします。

 


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