GA文庫ではシャムロックシリーズでおなじみの沢上水也先生の新シリーズ「魔王はあまねく愛をまく」、現在1巻が好評発売中となっております~!
今回は前作とうってかわって、ひょんなことから魔王の息子になってしまった平凡な高校生桜山流星の受難(?)の物語。
「強制セクハラの呪い」をかけられたことによって幼なじみの水沢真里亜や、学園中の憧れである生徒会長鳳凰院つぼみに次々と●●なことや、果ては●●なことまで(自分の意志とは関係なく)してしまう流星君。
当然、他の生徒達が黙っているわけもなく、彼の学園生活は大変なことになってしまいます! そして、そこに魔界から使いがやってきて事態はさらに混迷を極めることに……!?
そんな「魔王はあまねく愛をまく」、今回は特別にキャラデザインラフと、1巻に収録された●●な口絵と挿絵を一部公開させていただきます!
超ハイテンションで贈る、学園どたばたセクハララブコメ、どうぞよろしくお願いいたしますー!
■8月xx日
怒涛。
まさに怒涛。
7月の終盤はそのようにしか表現できないほどの忙しさでした。
通常の文庫制作に、新人賞審査とGAマガジン制作を足すだけで、人間、こんなに死ねるんですね♪ うふ★
……それはともかく真面目な話、7月の最終週は仕事以外の記憶がほとんどありません。ていうか、下手したら仕事の記憶もありません。……本当に他に何をしていたんだろう……。あれ、川の向こうで死んだはずのお祖父ちゃんが手を振ってるよ……? ああ、お祖父ちゃん、今ぼくもそっちに行……
■8月xx日
とある南の島。
ヤシの木の下の砂浜に寝転んで、もぐもぐとバナナを食べる若者に、恰幅の良い資本家が話しかける。
「きみ。そんなところでぶらぶらしていないで少しは働いたらどうかね?」
「働く? 働くってどういうことだい」
「そこにうちの工場があるだろう。そこで働けば月に●●ドル稼ぐことができる。悪い話じゃないだろう?」
「金を稼いでどうするっていうんだい」
「勿論それで広い家を買ったり、大きな車を買ったりするんだよ」
「家と車を買ったらどうなるんだい」
「そうすれば生活にも余裕が出来て、ゆっくりとくつろげる時間が増えるだろう?」
「ふーん。じゃあ結局、今とあんまり変わらないってことだな」
そういうと若者は、再びごろりと横になって2本目のバナナの皮をむき出した。
……「働く」ってなんでしょうね?
バナナ食べたい。
■8月xx日
先月無事終了した引っ越しですが、予想通りまだダンボールが片付いておりません! えっへん!(ここ、いばるところ!) まあ、まだ他の人間も片付けていないので多分大丈夫でしょう。そう。きっとそう。
そして、大丈夫、大丈夫と言いながら次の引越しまでダンボールを静かに熟成させるターンに突入です。
■8月xx日
家族で地元の花火大会を鑑賞。
最近の花火はすごいですね。色も増えたし、形も豊富。アフロ頭の人が出てくる花火とか思わず笑っちゃいましたもんね。
他にも星型とかハート型とかミッキー型(?)とか。職人さんの遊び心が窺えます。
屋台や出店が醸しだす雰囲気はいかにも夏休みですし、浴衣を着てぶらぶらしてるだけでも実にまったりとできます。あー、夏だなあ。
……ちなみに夏らしいイベントはこれだけだったという話はぼくとみんなの秘密ですぜ……。
■9月xx日
なんだかんだいってもう9月に突入してしまいました。ということで今回は2ヶ月にわたる編集部日記となってしまいましたとさ。
最近、時間が経つのが早過ぎると思うのですが、それはやはり歳のせいでしょうか? それとも時間泥棒のせいでしょうか? そうです、みんなエンデが悪いんです!
エンデで思い出しましたが、うちの編集長の口癖は「えんでねが」です。たまにこれ1行だけのメールが来てびっくりすることがあります(実話)。
まあ、それもえんでねが。
人生そんなもんかもしれませんね。
■7月xx日
今月は編集部引越しという大イベントがあるのです。
……といっても同じフロア内で場所を移るだけですけどね。
しかし机の周りが猛烈に片付いていない私にとってはまさに地獄の責め苦(そう、※あの雪崩事件からまったく学習していなかった驚愕の事実が今ここに判明です!)。
荷造り用の段ボールを前に、ただただ途方にくれる日々なのでした。
……四次元ポケット欲しいよう……。
■7月xx日
初めに申し上げておきますが、以下の話はフィクションです。実在の人物・団体とは何の関係もありません。……たぶん。
「どんな名作でも〆切がなければこの世に生を受けることはなかっただろう」という言葉があるくらい大切な「〆切」ですが、世の中では何故だかないがしろにされることも、ままあるようです。何故でしょうね。
そのような場合に必要になってくるのが、いわゆる「催促」です。
作家さんも人間。
最初の予定通りに執筆が進まないことも当然あります。しかし時間は有限なのです。「催促」しないわけにはまいりません。
まず第一段階としてメールで探りを入れてみます。
無反応。
この場合「便りがないのは元気な証拠」とはいきません。すぐに電話をいれてみます。
ずっと留守電。あるいはお客様の都合により電話が使えない状態になっております。
さて、ここからが思案のしどころです。
作家さんによりますが、ラストスパートをかける時、一切の雑音を断って、集中して執筆される方もいらっしゃいます。いわゆる山篭り状態ですね。そんなときに頻繁に催促しても逆効果な場合が多いです。ここは一気にラストまで書いていただいた方が良いのです。そう、ここでは編集の「信じる力」が試されるのです。
……が、残念ながらこれまでの経緯や●●●や×××などによって、「信じる力」の効用が失われてしまった作家さんに対してには次のフェーズに移ることになります(※強調しておきますが、これは「フィクション」ですよ! 「フィクション!」)
それは電報です。
この時代に!? とお思いでしょうが、電報にはすごいメリットがあるのです。それは電報は基本的に手渡しで配達しなければならないので「在宅または不在の確認」ができる、というメリットです(※あと現代ではmixiのログイン時間とか、●●●の●●●とか、×××の×××とかいろいろありますがおっとこれ以上は喋れねえ)。
晴れて電報が届けられたら、作家さんは家にいらっしゃいます。その時点で折り返しご連絡があればいいのですが、なければ最終フェーズ……つまり「家庭訪問」のお時間に移ります。
さすがに過去、この段階まで行った作家さんは数人しかいません。昭和の熱血編集のように夜討ち朝駆けとはいきませんが、これはこれでまた結構大変です。まあ、原稿さえいただければ地の果てまで行きますけどね!
ちなみに一番すごかった作家さんは、私の足音を察知して家全体のブレーカーを落とし、とっさに留守を装う……という離れ業をやってのけられました。……その早業、まさにエスパーかと思いましたよ! 邪気眼なんて目じゃないね!(※二つの意味で!)
でもまあ、その時は玄関のドアが施錠されてなかったので普通に中に入って声かけましたけどね!(笑)
以上、フィクション話でした。決して信じちゃいけませんよ! フィクションですよ!