■9月xx日
ひとりっきりの出張校正。
いつもながら印刷所の校正室がまた限りなく無機質で、寂寥感を掻きたててくれます。扉の向こうでは輪転機が作動する音だけが規則的に響いてきます……。さ、校正するか……。
……ふ、今日はブラックコーヒー(インスタント)がやけに沁みやがるぜ……。
な、泣いてなんかないんだからね! こ、これは心の汗なんだからね!
そして印刷所から戻ってきたら、今度はなぜかひとり編集部。
え? なんで? なんで編集部でもひとりなの!?
まさかGA文庫消滅? 今日、地球最後の日?
と思ったら、単に私が会議の予定をすっ飛ばしていただけでした!
その後ノーモーションで会議室へ駆け込みましたとさ!(※超恥ずかしいヤツ)
■10月xx日
GA文庫大賞第3回前期の発表がありました。受賞された皆さん、おめでとうございます。ここがスタートラインですので共に頑張ってまいりましょう!
個人的には第1回後期から毎回ご投稿をいただいていた、すーたさんの期待賞受賞に注目しております。初投稿作の「天才と少女」から独自の世界を築いていらした方ですので、これからどのような活躍をされるのか目が離せませんっ。
■10月xx日
あわむら先生率いるGA文庫新人賞受賞作家の皆様が大挙して編集部に来襲!(※いや、事前に予告はされてましたけど、仕事に忙殺されていて当日まですっかり忘れていたという……すいません(汗))
狭い編集部の人口密度が急激にあがり、さらに体感温度も急上昇。
こりゃたまらん、と会議室に避難したわけですが……なにこの冷房が全く効かないほどの温度上昇っぷり。
さすがみなさん、立派な肉襦袢をまとっているだけのことはあ……げふんげふん。いや、それだけ熱い魂で執筆をされているということですね! 素晴らしい!
その後はここに書けないような和やかな和やかぁ~な談話が繰り広げられたわけですが、私は早速あわむら先生と逢空先生を捕獲して挿絵・口絵指定チェックをお願いさせていただきましたよ! すいません、来た早々に仕事の話で! でもにこやかに対応してくださった御二方には超感謝です~。
挿絵指定をチェックしつつ、「あれ? 僕、こんなシーン書いてましたっけ?」と言っていたことはちゃんと秘密にしておきましたからね、あわむら先生!
■10月xx日
作家さんや業者さんからのお土産がちょくちょく集まる編集部。アブラ部員(=編集部員)も帰省や旅行などをすると、それぞれ地元のものをお土産に買ってきたりするので結構いろいろなものが集まります。
しかし今注目すべきはなんといっても編集長K村の机!
なんでしょう、この全国津々浦々から集められた地ラーメンの数々。北は北千住から南は南千住まで……じゃなかった、北海道から沖縄まで本当にいろんな種類のラーメンが集合してますよ!(※ちなみに私も米沢ラーメン、熊本ラーメンを献上させていただきました)。
うわぁ~、ここは地ラーメンの宝石箱やぁ~((C)彦摩呂)
しかし……。恐ろしいことに三食ラーメン、おやつにラーメンというライフスタイルを保持するK村の机の上のラーメン滞在時間は果てしなく短いのであった……。
「神曲奏界ポリフォニカ ブラックシリーズ」の最終巻となる「神曲奏界ポリフォニカ インタルード・ブラック」がいよいよ10月15日頃に発売となります!

本巻には、マナガとマティアがまだ精霊警官になったばかりの頃の初々しいエピソードを描いた「えくすとら・ぶらっく」(未発表作品)をはじめ、合計5本の短編が収録されています。全312ページで読み応えもばっちりです!
そして圧巻なのがBUNBUN先生の手による三つ折り口絵! 大迫先生とBUNBUN先生のタッグによって生み出された、ブラック・シリーズとゾアハンターシリーズの主要キャラがこの口絵の裏表2枚に勢揃いしています! その数なんと35人!(※正確には32人+3匹? あれ? 精霊は柱で数えるから??)

彼らの現在の表情を眺めつつ、あんなことがあったなあ、あんな事件もあったなあ……とこれまでのエピソードを思い返していただければ幸いです。
それにしてもミノティはいつも美味しいポジションをキープしますね……(※ふたつの意味で!)。
今回、総キャラ登場数35人というムチャ振りな口絵指定にもかかわらず、素晴らしい原稿をあげてくださったBUNBUN先生に最上級の感謝を!
思えば「神曲奏界ポリフォニカ インスペクター・ブラック」発売から4年あまり……。大迫先生を編集長K村が、BUNBUN先生をわたくしが担当させていただく、という形で制作してきたブラックシリーズもこれで最終巻かと思うと感無量です。
初めての長期シリーズ担当ということもあっていろいろといたらない点もありましたが、ここまでやってこられたのはやはり大迫先生とBUNBUN先生のパワーによるところが大きいと改めて感じます。
特に大迫先生からはさまざまなことを教えていただきました。とりわけ、改稿のたびに劇的に変化&成長していく原稿は、いつも息を呑む思いで拝見させていただいておりました。大迫先生、本当にありがとうございました。
ということで「神曲奏界ポリフォニカ インタルード・ブラック」は10月15日頃に発売となります!(※大事なことなので2回言いました!)
GA文庫ではシャムロックシリーズでおなじみの沢上水也先生の新シリーズ「魔王はあまねく愛をまく」、現在1巻が好評発売中となっております~!
今回は前作とうってかわって、ひょんなことから魔王の息子になってしまった平凡な高校生桜山流星の受難(?)の物語。
「強制セクハラの呪い」をかけられたことによって幼なじみの水沢真里亜や、学園中の憧れである生徒会長鳳凰院つぼみに次々と●●なことや、果ては●●なことまで(自分の意志とは関係なく)してしまう流星君。
当然、他の生徒達が黙っているわけもなく、彼の学園生活は大変なことになってしまいます! そして、そこに魔界から使いがやってきて事態はさらに混迷を極めることに……!?
そんな「魔王はあまねく愛をまく」、今回は特別にキャラデザインラフと、1巻に収録された●●な口絵と挿絵を一部公開させていただきます!
超ハイテンションで贈る、学園どたばたセクハララブコメ、どうぞよろしくお願いいたしますー!

■8月xx日
怒涛。
まさに怒涛。
7月の終盤はそのようにしか表現できないほどの忙しさでした。
通常の文庫制作に、新人賞審査とGAマガジン制作を足すだけで、人間、こんなに死ねるんですね♪ うふ★
……それはともかく真面目な話、7月の最終週は仕事以外の記憶がほとんどありません。ていうか、下手したら仕事の記憶もありません。……本当に他に何をしていたんだろう……。あれ、川の向こうで死んだはずのお祖父ちゃんが手を振ってるよ……? ああ、お祖父ちゃん、今ぼくもそっちに行……
■8月xx日
とある南の島。
ヤシの木の下の砂浜に寝転んで、もぐもぐとバナナを食べる若者に、恰幅の良い資本家が話しかける。
「きみ。そんなところでぶらぶらしていないで少しは働いたらどうかね?」
「働く? 働くってどういうことだい」
「そこにうちの工場があるだろう。そこで働けば月に●●ドル稼ぐことができる。悪い話じゃないだろう?」
「金を稼いでどうするっていうんだい」
「勿論それで広い家を買ったり、大きな車を買ったりするんだよ」
「家と車を買ったらどうなるんだい」
「そうすれば生活にも余裕が出来て、ゆっくりとくつろげる時間が増えるだろう?」
「ふーん。じゃあ結局、今とあんまり変わらないってことだな」
そういうと若者は、再びごろりと横になって2本目のバナナの皮をむき出した。
……「働く」ってなんでしょうね?
バナナ食べたい。
■8月xx日
先月無事終了した引っ越しですが、予想通りまだダンボールが片付いておりません! えっへん!(ここ、いばるところ!) まあ、まだ他の人間も片付けていないので多分大丈夫でしょう。そう。きっとそう。
そして、大丈夫、大丈夫と言いながら次の引越しまでダンボールを静かに熟成させるターンに突入です。
■8月xx日
家族で地元の花火大会を鑑賞。
最近の花火はすごいですね。色も増えたし、形も豊富。アフロ頭の人が出てくる花火とか思わず笑っちゃいましたもんね。
他にも星型とかハート型とかミッキー型(?)とか。職人さんの遊び心が窺えます。
屋台や出店が醸しだす雰囲気はいかにも夏休みですし、浴衣を着てぶらぶらしてるだけでも実にまったりとできます。あー、夏だなあ。
……ちなみに夏らしいイベントはこれだけだったという話はぼくとみんなの秘密ですぜ……。
■9月xx日
なんだかんだいってもう9月に突入してしまいました。ということで今回は2ヶ月にわたる編集部日記となってしまいましたとさ。
最近、時間が経つのが早過ぎると思うのですが、それはやはり歳のせいでしょうか? それとも時間泥棒のせいでしょうか? そうです、みんなエンデが悪いんです!
エンデで思い出しましたが、うちの編集長の口癖は「えんでねが」です。たまにこれ1行だけのメールが来てびっくりすることがあります(実話)。
まあ、それもえんでねが。
人生そんなもんかもしれませんね。

