こんにちは、GA文庫のまいぞーです!

本日はGAノベル6月刊行の新作『石投げ令嬢』のご紹介のため、ちょっと変わった切り口の記事をご用意しました。
というのも、本作の著者・みねバイヤーンさんとお打ち合わせをしていた際、作家になる前のお話をうかがっていた時に思いがけない異色のご経歴を知りまして。

いわく

「TSUTAYAの元社員」、
「現在ドイツ在住・異国で子育て中」、
「海外で雇いどめにあってる時に小説を書いたらデビューしちゃった」
などなど、作品の面白さもさることながら作家さんご自身が負けず劣らずの貴重な経験をされてきていて、
これはいろんな人にもっと知ってもらいたい、詳しくお聞きしてみたーい!

といったわけでインタビューをさせていただくことになりました。

そのため、今回はみねバイヤーンさんのお住まいのドイツとGA文庫編集部をつないで海外リモートインタビューをお届けします!

 

元TSUTAYA社員、みねバイヤーンとは?

編集(以下・編):では、はじめに簡単な自己紹介からお願いします

みねバイヤーン(以下・み):ドイツに住む日本人女性の四十代、シングルマザーで無職。本が売れなきゃドイツの家賃が払えない、みねバイヤーンと申します!

編:いやいや、いきなり自己紹介から飛ばしすぎでは!?

み:ドイツのバイエルン地方に住んでいるミネさんなのでみねバイヤーン。要するにほぼ本名です。

編:もともとは日本にお住まいで、現在はドイツで暮らしているんですね。

み:生まれは兵庫県です。大阪大学の人間科学部卒業。就職氷河期をかいくぐり、TSUTAYAのFC本部であるカルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社(以下・CCC)に拾っていただきました。感謝!

編:TSUTAYAさんとは当社も長いおつきあいです。いつもありがとうございます。

み:梅田堂山店、サンストリート亀戸店のTSUTAYA店舗勤務を経て、東京と大阪と埼玉でバイヤーも経験しました。その後DVDレンタルマーチャンダイザーという仕事についてバリバリ働きました。

編:マーチャンダイザー。聞き慣れない方もいるかもしれませんね。

み:すごく簡単にいうと、TSUTAYAにどんな映画のレンタルDVDを仕入れるのか決めるお仕事です。国内、海外いろいろな映画会社と交渉して公開前の映画を観たり、面白かったらその権利を買ったり、全国で展開する規模を決めたりとかね。最終的にはそのリーダーを務めていました。当時の主力事業だったレンタルDVDにかかわるいろいろなことを決める立場だったので、かなり忙しかったし、人並み以上には働いていたんじゃないかな、と思います。

編:映画のプロフェッショナルって感じですね!

み:仕事柄、毎日何本も映画を観るのがあたりまえの日々だったので自然と詳しくなりました。ほぼ無料で大好きな映画を毎日見続けられたのは、CCCで働いていてよかったことのひとつです。

編:TSUTAYAさんでのご経験は貴重な体験談ですね。ほかにはありますか?

み:あの会社は、お世辞じゃなくてみんなめっちゃいい人たちなんです。個性的で、面白い人が多い。本当に良い会社でした。

編:いまでも当時の同僚の方と親交がおありとのことで。

み:そう! やめて10年も経つのに、私が連絡してもすんなり受け入れてくれる風土があるんです。しかもみんな偉くなっちゃったのにね。本当にお世話になります、社長。

編:社長!? え、親交がある当時の同僚って、現社長さんなんですか?

み:CCCの社長さんとは当時いくつもの仕事の修羅場をいっしょに越えてきました。(遠い目)

編:うわー。いかにも触れてはいけないエピソードって顔している!

み:でも今度日本に帰国する時にはちょっとお時間とっていただけることになっているので、本作をめっちゃ売り込んできますね。

編:それは心強い!w

み:でしょー? やめて10年経ってるのに、優しいんですよみなさん。

編:それは当時からみねさんがよほど頼りにされていたからというのもあるかもしれませんね。

み:そうかなー。そうだといいなぁ。仕事はそうとう頑張ったからな。働き過ぎて加盟店のオーナー様から「婚期を逃してまで働いていらして……」と哀れむ言葉をかけられた時はさすがにとっさの返事が出てきませんでしたw

編:それはそれは……

本編ではミュリエルとアルフレッド殿下の素敵なシーンが目白押しです。

 

ドイツへ移住&小説家デビュー

み:でも裏をかえせば、仕事が面白すぎたってことなんですよね。うっかり婚期を逃すくらいの働きがい、それがTSUTAYA!

編:無理やり良い風に言っていませんか!?

み:そんなことないですよー。ちょっぴり遅れたかもしれませんが、結婚はしましたし。

編:お! そのお話も聞かせてください。ドイツでご結婚なさったとか。

み:そうなんです。十年以上働いて、TSUTAYAでできる仕事はもうやりきったなって思った時、次は海外に行ってみようって思ったんです。アメリカに語学留学に行こうって。

編:フットワークが軽い。

み:そこでドイツ人の男性と知り合って、それがエーェマンです。

編:え、えーまん?

み:日本語だと夫のことですね。彼とドイツで結婚して、娘もできて、日本には帰ってこないままずっとこっち(ドイツ)で暮らしてます。彼とはいま徒歩5分のところの別世帯で暮らしているので、シングルマザーinドイツってかんじなんです。

編:ドイツの生活ってリアルに想像できないですね。日本とは違いますか?

み:全然ちがう。ドイツ最高。ずばり、Gがいない。これ、最っ高!!!!

編:おもいがけない力説w ゴキブリがいないんですね。

み:冬が寒すぎて卵が越冬できないとかで、夏でも一切Gと遭遇しないんですよ。最高ですよ、最高!!

編:たしかにそれはうらやましいですね。

み:あとは日本より子育てをしやすい国だなって思います。素晴らしいことに学費が無料。大学卒業まで無料なんですよ、奥さん! 低収入でも我が子を大学まであげてあげられるってのは、現在無職の私には心底ありがたい話です。

編:日本もマネできるといいですね!

み:ベビーカーで移動する人のためのバリアフリー化も日本とは比べものにならないくらい整っていて、どこに行くにも楽ちんです。白い目で見られることもありません。反対に、ドイツで生活していてショックだったのは、ケーキがとんでもなく大きいってことですかね。

編:ケーキの大きさ?

み:日本の三倍くらいあるのがふつうなんです。でも、日本みたいに箱で包んで持ち帰るっていう文化がなくて、紙皿に載せて長い紙をクルクルって巻くだけで持って帰らないといけないから、どんなに気を付けて帰ってもお家につくころにはだいたいグシャってなっちゃいます。でもドイツ人はあんまり気にしない。こういうところは、文化の違いだなぁって思います。

編:日常のいろいろなところにそういう違いはあるんでしょうね。そんなドイツで暮らしていて、小説を書こうと思ったきっかけはおありですか?

み:きっかけは雇い止めでした。ドイツのお寿司屋さんでハードに働いていたのですが社会情勢のあおりもあって雇い止めにあっちゃったんですね。急に。来月から来なくていいですよって。それ自体はしょうがないので、いそいで次の仕事を探そうって思いました。するとすぐに日系企業で内定をもらえたのですが、いざ契約を交わそうってなったところで「保育園のお迎えのための時短勤務では契約できない」と、内定をクルッと翻されて仕事なくなっちゃったんですよ。いやぁ、これがドイツかー、内定あろうが契約締結前なら平気で無かったことにしてくるのかー、って衝撃でしたね。で、さすがにムキ―っ!となって。

編:ムキ―っとなって?

み:小説家になりました。

編:え、飛躍してませんか?

み:でも、なったんです。異国での子育てって本当に大変で。そんなとき、ほっと息抜きになったのが「小説家になろう」の小説の数々だったんです。小説を読んでいるときだけは、雇い止めにあった悔しさも、300社ぐらいからお断りされる情けなさも、産後クライシスのつらさも、いっとき忘れて生き返るような気持ちになれました。

編:そこでつながってくるんですね。

み:なろうでお話を書いている人には、プロじゃない人もいっぱいいるんだ。だったら自分も書いてみてもいいのかな、って。読むのも楽しいけど、書くのはまた違った息抜きになるかもしれないから。それがきっかけです。

編:そこからたくさん書くようになって上達していったんですね。

み:いや、それが、書き始めて2ヶ月経つか経たないかくらいで担当編集さんからご連絡をいただいて。

編:え!? お声かけした当時、まだ書き始めて2ヶ月くらいだったんですか? WEB連載版の石投げ令嬢、ものすごく面白かったので相当書き慣れている方なんだと思い込んでいました。うわー、信じられないです。

み:ええ。私も信じられません。無職になってちょっと小説を書いてみたら編集さんから声がかかる。なんというか、捨てる神あれば拾う神ありですね。ありがたいことです。

編:もしかするとそれはTSUTAYAさんでのご経験が作品に生きているから、とは考えられないでしょうか。

み:あー、そうかもしれません。仕事柄、膨大な数の映画を観てきたから自然とエンタメの基本みたいなものが頭に残っていたのかもしれませんね。おかげで自分にとって面白いものと、ユーザー様にとって面白いもののバランスをとるのは得意になった気がします。

ミュリエルとアルフレッド殿下、野性味あふれるワイルドな出会い。

 

TSUTAYAでの経験から小説へ

編:TSUTAYAさんでのご経験が作品に結びついていると感じることはありますか?

み:そうですね、このお話は恋愛小説なんですけど、主人公のミュリエルの恋愛観は当時の経験にインスピレーションをもらってるかもしれません。

編:それは興味深いですね。どういったところでしょうか?

み:ミュリエルってけっこうグイグイいくタイプなんですけど、私、三十代になってから社内で合コン部を作って部長をしておりました。

編:合コン部部長!?

み:だって日本男子、老いも若きも若い女の子がお好きでしょう? 三十超えたら見向きもされませんよねー。おばさんっていう言葉、法律で禁止してくれないかな。ともかく、社内の目立つポジションにいましたから若い女の子から慕われておりまして、彼女たちを撒き餌に社内外の男子を合コンに引っ張り出すんですね。

編:撒き餌w 

み:スケジュール帳ぎっしり合コンで埋まっておりました。合間でお仕事の接待の飲みも入るというハードな日々でした。会社のデスクには飲む前に飲む的なドリンクを常備しておりましたね。

編:お仕事もハードなのにプライベートも忙しそう!

み:一番のハイライトは、当時仲良くしていた映画社の男性と、35人対35人合コン大パーティーを開催したことでしょうか。CCCの女性35人と映画社や出版社の男性35人。総勢70人規模の一大プロジェクトでしたよ。

編:70人規模の合コンプロジェクト!? ちょっとした業者じゃないですか。

み:結果はですね、私は誰もゲットできず、幹事を一緒にやったYさんは、一番人気の女の子とカップルになっておりました。

編:あらら。

み:教訓。出すぎる女はモテない。70人合コンの幹事&司会をやるような女は、誰も怖くて声かけられません。

編:でも、ミュリエルのグイグイいく恋愛観のルーツはTSUTAYAさんでの経験にあったのかと感じられるエピソードですね。

み:仕事もプライベートもパワフルにやりきる社風もTSUTAYAの素晴らしいところでした。

編:ほかにもTSUTAYAさんでのご経験が作品に影響しているところはありますか?

み:ハリウッド俳優のあてがき、かな?

編:詳しくお聞かせください。

み:キャラクターの魅力って大事ですよね。面白い映画って、脚本も大事だけど、キャスティングも同じくらい大事。どういう俳優さんが演じているかで映画の値打ちは何倍にも変わります。それで私なりに考えた結果、小説にも同じことが言えるんじゃないかと思って。それで、キャラを考えるときに実在のハリウッド俳優をイメージする、ということをやってみたんです。

編:それはいかにも歴戦の元TSUTAYA社員、映画通ならではの手法ですね。

み:ネットでハリウッド俳優って検索して、ずらーっと並ぶ顔写真を眺めるんです。ああ、この人のあの映画のキャラ好きだったなあって。この俳優さんは私の物語でどう動くかな、こんなこと言いそう。そうすると、スルスル書けます。

編:私の担当作家さんのなかでは聞いたことがない方法でした。

み:珍しいのかな。だから主要キャラにはみんなモデルがいます。たとえば本作の主役ミュリエルは「エクス・マキナ」「トゥームレイダー ファースト・ミッション」のアリシア・ヴィキャンデルがモデル。カモシカのような鍛え抜かれた肉体に惚れました。

ヒーロー役のアルフレッド・ローテンハウプトは「ファンタスティック・ビースト」で有名なエディ・レッドメインです。ノーブルな魅力がたまりません。ちなみにレッドメインをドイツ語訳するとローテンハウプトになります。王国の名に採用しました。

ミュリエルの親友イローナは「マンマ・ミーア!」のアマンダ・サイフリッドです。アマンダ可愛いですよね。大好きなんです。ついイローナは贔屓しちゃいます。

ミュリエルの父ロバートは「ウルヴァリン」でご存知、名優ヒュー・ジャックマンです。ウルヴァリンのあの男くさい感じがミュリエルの父親っぽいなと思います。

WEB版で大人気のパッパはレオナルド・ディカプリオです。若い頃は超絶美男子なのに、色々あってぽっちゃりさんに。若いときがレオ様だと思うと、ニヤニヤしながら書けます。

編:なるほど、それは実にユニークな手法ですね。俳優さんたちのお名前を聞けば、たしかにそれぞれのキャラのイメージにぴったりだと思います。それに、モデルとしている俳優さんを知らない読者さんにとっても自然と魅力的なキャラクターに感じられますし、本作を面白くしている秘訣はTSUTAYAさんで培ってきた経験が生きているんですね。

み:言われてみればそういうことなのかもしれません。私にとっては自然な書き方だったんですけど、TSUTAYAの元社員ならではって言われればそのとおりですね。TSUTAYAで育ったからこそ書けた作品。それなら面白くないわけないですね。自信がわいてきましたw

編:いいですね! では自信がわいてきたところで作品のご紹介もお願いします。

み:『石投げ令嬢~婚約破棄してる王子を気絶させたら、王弟殿下が婿入りすることになった~』は、まっすぐで生命力の強い、石を投げて獲物を狩る元気な女の子が主人公です。強い女主人公が好きな人におすすめです。クスっと笑えて、スカッとし、サクサク展開します。

ウジウジ、モダモダ、でもでも、だって~な女キャラが私は苦手で、強い女主人公が読みたーい!と、自分が読みたい世界を自分で書きました。

貧乏領地で育ったミュリエル。領地の未来のために、王都に有能な婿を探しにきたところ、王子の婚約破棄イベントにでくわし。思わず石を投げて王子を気絶させちゃってー。やっべーと思いきや、陛下に褒められ、なぜか王弟が婿入りすることになりました。というお話です。

編:ありがとうございます。素晴らしいご紹介ですね。元気で強い女の子ミュリエルに私も一読して心をつかまれて、いてもたってもいられなくなって書籍化オファーを出しました。きっと私だけではなく、読んだ人みんなミュリエルのことが好きになる、自然と応援したくなる、だからきっとファンがいっぱい増えていくに違いない。そう確信して、この作品をたくさんの人に届けたいと思い、作品作りのお手伝いをしています。

み:そういう熱意だったのか。だから編集さん、あんなにたくさん赤字をいれてきたんですねえ。

編:でもみねさんがめげずに粘り強く改稿や加筆をしてくださったおかげで、WEB版より確実に面白く仕上がった自信があります。

み:照れくさいですねー。あとは読者さんに楽しんでいただくだけですね。ドキドキします。

編:そうですね。それでは、さいごに発売を心待ちにしている読者さんへメッセージをお願いします。

み:ドイツで誰に頼ることもできず子育てしていたとき、唯一の息抜きが「小説家になろう」で小説を読むことでした。辛くても小説を読むと、生き返る気がしました。

コロナや戦争など思いがけないことが起こり、先の見えない世知辛い世の中です。本を読んでいるときぐらいは、スカッとできればいいなと思います。生きていればなんとかなる、そう思っています。

毎日がんばって生きていらっしゃる皆さまが、クスっと笑えて、明日からもそれなりになんとかやってくかーって思えていただければ本望です。

ドイツに住んでいると、日本人がんばりすぎーって心配になります。イヤなことはイヤってはっきり言って、ひとり一人が自分の人生を楽しんでいければいいなあと思います。

適度に力を抜いて、なんとか生きていきましょう~。

編:本日はありがとうございました。

 

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GAノベルより6月15日頃発売です!

 

TSUTAYA元社員のみねバイヤーンが描く、つよい女主人公が元気に活躍する素敵な恋愛小説。
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GA文庫編集部員の立場的には特定の一社をおすすめするのは本当は怒られるのですが!
このインタビュー記事だけは許してください編集長!!

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以上、 まいぞーでした!