2ヶ月ぶりのごぶさたです。前回に続きまして、今回も校正中に見つけたちょっと変わった言葉を皆様と一緒に楽しんでいければと思います~。
■やじお
 まず、これです。
 なんでしょう、これ? なんだと思いますか? 人名? 野次を飛ばす人? それとも弥次喜多的な何か?
 正解はこちらです。
やじお
「おやじ(親父)」を倒語にした江戸の流行語。
 ……ほんとだよ! 本当に広辞苑に載ってるんだからね! うそじゃないんだからね!(※意味もなくツンデレ風味)
 広辞苑にはこのように「え? そんな言葉載せる必要あるの?」という言葉が、当たり前のような顔をして載ってることがよくあります。注意が必要ですね。
 最近同じ意味で驚いた言葉に「男一匹」がありました。これも本当に載ってます。意味は自分で調べてみてくださいね。ちなみに高倉健や菅原文太のことじゃないですよ。
■かくかくしかじか
 続いてはこちら。
 これは良く聞く言葉ですし、意味もわかると思いますが、じゃあ「かくかく」って何? 「しかじか」って何? と訊かれてすぐに答えられる人はそういないんじゃないでしょうか?
かくかく(斯く斯く)
 内容を省略して引用する語。かようかよう。
しかじか(然然・云云)
 長い文句を省略して、これに代用する語。かようかよう。かくかく。うんぬん。
 どちらも「省略する」という機能は一緒ですね。
 あれ? 「しかじか」の説明に「かくかく」が入ってますね? ということは「かくかくかくかく」でもいいの?
■りゅうぐうのおとひめのもとゆいのきりはずし
 最後はこちら。
 なんとなく浦島太郎チックですが、これ、広辞苑に載っている中で最長の言葉だそうです。「寿限無~(中略)~長久命の長助」じゃないんですね(※こちらは「寿限無」で載ってました)。
 これ、藻の一種らしいんですが、その説明がまたひどい。
りゅうぐうのおとひめのもとゆいのきりはずし(竜宮の乙姫の元結の切外し)
 〔植〕アマモ(甘藻)の別称。
 アマモて! 三文字じゃん!
 ちなみにこれまで私がひいてきた中で言葉の説明部分が一番長かったのが「かかる」なんですが(ちなみに次点は「とる」)、これより説明部分が長い言葉ってありますかね? あったらぜひ教えていただきたいです。
 はい、では今回はこの辺で。
 次回はオノマトペあたりを攻めてみる予定です~。

   

3月xx日
 これが載る頃には桜も満開だと思いますが、今はまさに梅が満開です。近所の河川敷を歩いていると、うっとりするぐらいの美しさに魅了されます。上品な芳香がほのかに漂っているあたりも趣きがあって実に良いですね~。
 あと花といえば木蓮も見ごろですよね。大きな白い花がふわあっと咲いている夜景などは幻想的ですらありますよ(※余談ですが、木蓮というとすぐに「ぼく球」を連想する昭和世代な私です)。他にも菜の花やオオイヌフグリなど、ふとを目をとめるとそこここにいろんな花が咲いていて幸せな気分になります。庭の百日紅ももう小さい蕾をつけてますし、もうすぐ咲くのかなあと思うとわくわくしますね。春っていいなあ。
 ……ここ、5・6年ぐらいで急激に「花ってきれいだなあ」とか「自然ってすごいなあ」としみじみするようになりました。おっさんになったから……というか、ラノベ的には死亡フラグが立っている状態のような気がしないでもないわけですが……!
3月xx日
 謎の腹下し状態で終日仕事にならず……。なんか悪いもん食ったっけなあ……。
3月xx日
 毎年のことながら確定申告作業が超めんどい! やってもやっても終わらんー! お約束のように途中でPC落ちるし! ぐあー!!
 もう全部、人頭税にすればいいぢゃん! そしたらこんな計算いらないYO!(※暴言)
3月xx日
 ネクタイ。
 鬼門です。
 そう、実はわたくし、これまでの人生で20回前後しかネタクイを締めたことがありません(※これだけでどれだけヤクザな人生を送ってきたのかが判る罠)。編集部ではいつもTシャツGパンだしな!
 だもんで、結婚式なんかの正式な場に出るたびに「えーと……どう結べば良いんだっけ?」と四苦八苦するわけです。毎回「ネクタイ 締め方」で検索して同じページのお世話になっている気がする……。
 今日も今日とて子供の卒園式に出るために一生懸命ネクタイと格闘しているのですが、さっぱり結べません! ……いっそのこと、首の後ろでぱちっと止めてしまうお手軽タイプのものを使おうかとも思ったりするのですが、それをやってしまうと何かに負けた気がして悔しいので意地でも自分で結ぶのです!
 ……そして30分後ぐらいに、業を煮やした嫁に怒られるという罠ですョ。
3月xx日
 そろそろ花粉の足音が……。ずるずるぴー。

   

 先日の日記でも制作風景をちらりとご紹介させていただきました「神奈月昇イラストレーションズ-神曲奏界ポリフォニカ-」がいよいよ3月29日に発売となりまーす!


 GA文庫で好評発売中の「クリムゾンシリーズ」「クリムゾンSシリーズ」のイラストはもちろん、キネティックノベル用、アニメ用に描き下ろされたイラストも多数収録されている豪華版です!
 さらには神曲奏界ポリフォニカビジュアルファンブックやゲーマガ、GAマガジン、同人誌に描かれたイラストも収録していますので、収録イラストの総数は実に100点以上! まさに神奈月さんの手がけたポリフォニカイラストの集大成とでもいうべき画集となっております。
 特に抱き枕イラストは約30cm×約74cmの特大サイズで収録されていますので必見ですよ!

 またアニメイトさんでは、豪華限定版仕様の『描き下ろしBOX』が発売される予定となっております。こちらは「コーティカルテ ラフ画リーフレット付き」となっておりますので、ぜひぜひチェックしてみてくださいね!
   

■2月xx日
 くそう、いつか来ると覚悟はしてましたが、まさかこんなに早くやつが来るとは……!
 ということで2月の日記を、なぜか3月に公開の巻ですョ。忸怩たるものがあるですョ。
 いや、頑張って2月中にあげようとは思ってたんですが、2月は通常の文庫の制作に加えて、新人賞の審査があったり、「神奈月昇イラストレーションズ」の制作があったり、目が回る忙しさだったもので……(←言いわけ)。
 ちなみに画集の色校(=色校正)作業をやる時は机が結構大変なことになります。なにしろ色校正紙1枚1枚が大きいので、具体的にはこんなありさまになります。


 通常の作業机には当然乗らないので、打ち合わせ室のテーブルの上に広げまくってなんとか作業……という感じですね。
 このあと目を皿のようにして印刷にゴミが出てないか、色味は正しいか、初出・(C)表記は間違ってないか……などなどをチェックしていきます(※もちろん神奈月さんご自身にもチェックをお願いしております!)。
「神奈月イラストレーションズ」は3月下旬発売予定ですので、皆様どうかお楽しみに!
 文庫やアニメのイラストはもちろん、抱き枕イラストや描き下ろしイラスト、同人誌でしか発表されていないイラストなど、これまでのポリフォニカ関連イラストの集大成となってますよー!
■2月xx日
 深夜。帰りの電車が突然停電してびびる。
 停電、とはいっても電車は何事もなく走り続けていて、暗闇の中を真っ黒な車体が走り続けるという異様な事態。
 約1分ほどで復旧しましたが、その間本を読んでいた人は目を閉じて休んでいたのに対し、携帯でメールやらWebやらやっていた人は何事もなかったかのようにそれを続行して、時代だなあ、と思ったりしました。
 暗闇に蛍のように浮かぶ四角い携帯画面の数々はちょっと怖かった……。
■2月xx日
 さて今月も出張校正確定です。出張校正……そう、印刷所まで出張して薄暗い校正室に閉じこめられ、文字と格闘するですョ…………な、泣いてなんかないんだからね!
 しかしなぜでしょう。「もう出張校正になるような進行にはしない!」とあれほど未来惑星ザルドスに誓ったはずなのに……。
 でもいいや、今月はnekopyonさんも一緒に出張校正だから。ね、nekopyonさ……はっ、いない!?
   

 仕事に限らず、気になる言葉があると本当に気になって夜も眠れない性分なので、片時も辞書は手放せない編集Tです。
 さてそんな日々を送っていると、「え? この言葉の語源ってそうなの?」「うそ! そんな意味もあったんだ!」みたいな言葉にいっぱい出会います。
 そんな言葉を集めて「なるほどね~」とひとりほくそ笑んでいるだけではもったいないので、最近出会った素敵な言葉を皆様にも少しおすそ分けさせていただきます。
 一服の清涼剤、または箸休めになれば幸いです。
■ぐれたハマグリ?
「もう、ぐれてやる!」みたいによく使う言葉ではありますが、みなさん語源はご存知ですか?
 実はこれ、もとは「蛤(はまぐり)」なんですよ!
はまぐり

ぐりはま(倒語):物事が食い違うこと。あてがはずれること。

ぐれはま(音便)

ぐれる
 という変化を経ているわけですね。
 私は勝手に「ぐれ」から「グレー」を連想していて「灰色の状態=非行」みたいなイメージを持っていました。
 いや~判らないもんですね。
■家でやさぐれることは不可能?
 となると「やさぐれる」って何? という疑問が当然湧くわけでさっそく調べてみると。
やさ=家
ぐれる=はずれる
 ということで「家出」という意味なんですね、これが!
 だから語義的には「家のなかでやさぐれることはできない」わけです。これも、知りませんでした。
■背広
 なんだ普通の言葉じゃん、と思うなかれ。
 これも語源が意外なんですよ。
 civil clothesの略訛、またはロンドンの洋服商の街Savile Rowからきている……という二つの説があるんですね。
 というかどっちも英語由来で驚いた私がここに!
 単純に「背の方が広い服」なんだろうな~と思っていた自分の軽率さを恥じました(ってか、よく考えたら「背が広い」ってどういう状態なんだよ!)
 いかがでしたでしょうか? 毎日ちょこちょこメモってますんで、またほどよく貯まったらお会いしましょう~。