本日は『GAマガジンクリエイターズ Vol.2』 刊行延期のご連絡をさせていただきます。
当初、明日3月23日(水曜日)に発売する予定になっておりました『GAマガジンクリエイターズ Vol.2』
ですが、地震の影響により商品の一部納品に問題が発生し、刊行できなくなりました。
つきましては、すでにご予約を頂いておりますみなさまや、ご興味を持っていただいていたみなさまがた、
ご寄稿、あるいは売場での展開を考えていただいておりましたみなさまがたには大変申し訳ありませんが、
上記理由のため、発売を延期させていただきたいと思います。
ご迷惑をお掛けしてしまって本当に申し訳ありません。
続報が入りましたら、改めて速やかにご連絡いたします。
どうぞよろしくお願いいたします。

   

一問一答 その8

 応募作に埋もれてひーこら言ってる今日この頃。皆様いかがお過ごしでしょうか。GA文庫K村です。
 一次の発表が遅れて本当にすいません >応募者の皆様
 今もりもり読ませて頂いておりますので、もうしばらくお待ちください。
 いやもう、本当にゴメンナサイであります。
 お詫びになるかどうか激しく微妙ですが、せめてもの気持ちで一問一答。
 末広がりなその8であります!
Q:応募者の年齢や性別は、審査に影響あるのでしょうか
A:ありません(きっぱり)

 あれ、一言で終わってしまった。
 え~、ちょっと補足。
 まず年齢について。
 質問者の方は、担当より著者のほうが年上だったりするとやりにくいのではないか、といったことを懸念されているようですが、それは全然ありません。
 もちろん人間同士なので相性はあります。
 でもそれは年齢などといった先天的な属性ではなく、それぞれが持っている価値観や性格、作品に対する姿勢、仕事の進め方などといった後天的なものから発生します。
 その意味では、編集より著者のほうが若いからやりやすい、などということはありませんし、逆に年上だから困る、といったこともありません。
 そんなことより、メインの読者層である10代が楽しめる作品が書けるかどうか、のほうがずっと大切。
 あと困ると言えば、
「PC使えません」
とか
「メールはやったことがないので原稿は封書で」
などといった“業務を行うための技能”が欠けているほうが大変です。
 実のところ応募原稿がテキストファイル前提だったり、メールありきに近いシステムだったりするのは、そのへんをちょっとだけにらんでいる意味があったりなかったり。
 次に性別。
 これまた一切関係ありません。
 女性だから10代男子が喜ぶようなものが書けない、だと確かに困ります。
 でもそれを判断するための材料は書き上がった作品であって、ご本人の性別ではありません。
 作品は書き手の影響を受けます。
 それは当たり前。
 書き手が女性だから、女性的なニュアンスが作品に現れる、というのはあるでしょう。
 でも結果として書き手の性別が作品に影響することがあったとしても、作品の是非を判断するに際して
“もしかしたら因果関係があるのかもしれない本人のプロファイル”
を判断材料として使う、というのは順序が逆ではなかろうかと。
 つまり、
・書き手が女性だからこうなる、男性だからこうなる
ではなく、
・作品がこうなっている
→ あ、書き手さん女性(男性)なんだ。そのせいなのかなぁ
であるはず。
 それを一般論というか、作品判断の基準にまで広げて、
・書き手が○○だ
→ だから作品は△△に違いない
というのはちょっとヘンではなかろうか、と思います。
 確かに男性向けのレーベルでは、男性作家さんのほうが多いですし、逆もまた真でしょう。
 でもその事実は、今この目の前にある作品の評価に対してなんの意味も持ちません。
 おもしろければ正義! なのであります。
 というわけで、今回はこのへんで。
 あ、それからこのブログページですが、左の柱にある“投稿スタッフ”の名前をクリックすると、その人の書いた記事だけがまとめて見られるようになってます。
 過去記事に興味のある方は、ご活用くださいませ。

   

一問一答 その7

 コタツで熟睡するのが幸せ満開な今日この頃。皆様いかがお過ごしでしょうか。GA文庫K村です。
 とは言え、コタツでガチ寝するとノドと鼻がかぴかぴになりますので、よい子のみなさんはあまりマネしない方がよいと思われます。
 インフルエンザも流行ってるしね!
 というわけで、久しぶりの一問一答。ついにその7まで来てしまいました。
Q:応募作を書くとき、整合性をきちんと見せるために設定を全部出しておきたいのですが、「話が終わっていない」「続編ありきに見える」などと言われてしまいます
 出さない方がいいのでしょうか
A:実はこれ、似たような質問をいくつか頂いています。
 まあ結論から言いますと、
“設定を出しきっていてもそうでなくても、読者が最後まで楽しんで読めればOK”
というだけなのでありますが。
 例えば作品を読み終えたとき、読者が楽しんでいたとすれば、
・設定をすべて出しきった
 → 世界観や背景などが過不足なく説明されている
 → 満足
・設定やキャラクターに見えていない部分がある
 → この先が気になる or あのキャラクターがどうなったのか知りたい
 → もっと読みたい!
などとなるはず。
 それがそのように取ってもらえず、
・設定をすべて出し切った
 → 興味のない設定話をたんまり読まされた
・設定やキャラクターに見えていない部分がある
 → 話が尻切れすぎて満足感がない
 or
 → どうしてこうなったのはさっぱりわからない
などとなるのであれば、それは失敗。
 大切なのは、
・書き手としての自分が“書いておきたいから書く”
ではなく、
・読者が楽しむために書く
or
・読者を楽しませるために書く
という目的意識です。
 ここで勘違いしないで欲しいのは、
・読者が楽しむために書く
は決して
・読者が楽しむために“必要だからその設定を”書く
ではない、ということです。
 例えば設定に関しては、作中で起きている現象やキャラクターの行動に合理的な説明を付けるための必要情報、という定義をすることができます。
 当然書き手としては、まずそこを理解してもらった方が、そのあとの物語展開が楽。
 すなわち、
・読者が楽しむためにこの情報は必要なんだ
 → だから書かねばならぬ
というロジックです。
 でもこれって言い換えると、
・この物語を楽しむために、みなさん予習してください
って言ってるのと同じなんです。
 予習をしないと楽しめない物語ってあまりよろしくないと思いませんか?
 それを読者に強いるのって、よろしくないと思いませんか?

 もちろん作品やジャンルによっては、設定を読み解く楽しみがメインとなるものもあります。
 むしろキャラクターを動かすより、設定を書いた方が楽しんでもらえる読者層、というのも存在します。
 その場合は、堂々と設定を書き連ねるべき。
 キャラクターを動かしたりイベントを起こす前に、設定をバリバリ書くべき。
 または、設定をさらりと書くことで、
「を、じゃあここから何が起きるんだ」
と興味をかき立てる。
 実はうまい人は、そのへんをナチュラルにやってのけます。
 が、応募者のみなさんには、ぜひキャラクターを動かすことを大切にして欲しい。
 まずキャラクターを動かして、
「お? これは何が起きているんだ?」
と読者を引きつけたい。
 説明はそのあと。
 逆にキャラクターとその行動に興味を持ってもらえれば、その背景にだって興味が湧くはず。
 そこでうまく設定を入れるようにすれば、
「あ、なるほど」
と思ってくれる。
 または、キャラクターの会話や行動から設定がわかるようにうまくこなしていく。
 そのへんにきちんと注意を払って書かないと、なかなか読み手に満足感を与えることはできないんじゃないかなぁ、と思うわけなのであります。
 ちなみにこれはK村の個人的な感触なのですが、応募者のみなさんの中には、キャラクターを動かすより、自分の中にある設定や情景描写を書く方が楽だし楽しい、というケースがあるように見えます。
 つまり、設定や情景の描写は、頭をそれほど使わずにすらすら書ける、だから書いていて気持ちいい、というパターン。
 ところがこれ、書いている方は気持ちいいかもしれないんですが、受け手がそれを読んで面白いかどうかは、全然別。
 応募原稿で言えば、冒頭がこうした情景描写や設定の説明で始まっているものが結構目立ちます。
 でもこれ、書き手が雰囲気に酔っているだけだったり、書きやすいところから書いているだけなんじゃないかなぁ、と思うことがあるんですね。
 冒頭は、読者を作品に引っ張り込むためにもっとも大切な場所です。
 ここでメインキャラクターを出してとにかく動かす。
 そのアクションで読者に
「を!? これは!」
と思わせる。
 そのうえで、必要であれば説明を加える。
 この順番であれば、そこで書かれた情報は“読者が知りたいと思っていた情報”です。
 であれば、読んでくれる。
 むしろ読者の“知りたい”が満たされるのであれば、それはおもしろい、に通じます。
「をを、なるほどそういうことか」
というヤツですね。
 でも、興味があるかどうかわからない情報を先に読め、と言われたらそれは苦痛。
「なんだよこれ、興味ないよ」
と思われたらアウト。
 その一カ所のせいで、作品全体に対する興味がなくなってしまうかもしれません。
 もちろんケースバイケースですし、同じような流れでも書き方によって読者に与える印象は変わってきます。
 でもどちらにしても大切なのは、
“全てのパートにおいて読者を楽しませようとする”マインド。
 自分の作品に向かうとき、少しだけそのへんを考えて頂けると幸い。
 というわけで、今回はこのへんで。
 さあ、応募原稿の山に戻るぜ~~~~~。

   

 新年明けましておめでとうございます。
 おかげさまでGA文庫は今年5周年を迎えることができました。
 それもこれも読者の皆様あってのこと。
 編集部を代表しまして、厚く御礼申し上げます。
 引き続き2011年もGA文庫でお楽しみ頂ければ、幸いであります。
 というわけで、めっきり寒くなってきた今日この頃。皆様いかがお過ごしでしょうか。つけ麺を開拓したり「ダンガンロンパ」をクリアしたりして正月を満喫したGA文庫K村です。
 いや、本当はこんな事じゃいけないってのはわかってるんです。
 コタツでゲームやってる場合じゃないよね。
 好き放題寝てる場合じゃないよね。
「餅がウマイでぶ」とか言ってる場合じゃないよね。
 応募原稿読まねば。
 ホント読まねば。
 全然間に合ってないってば。
 すいませんすいません、ホントすいません。
 でもね、予想よりおもしろかったのよ、これ。
 事件があって、捜査があって、裁判があって、そこで生じる矛盾を突くことでゲームが進む、という意味では「逆転裁判」と似たような構造なんですが、物語のノリが全然違う。
 そもそも主人公達の置かれている境遇が、完全に閉鎖された空間で、かつ仲間同士が殺し合う、というシロモノ。
 意外な被害者と意外な犯人。
 最初の事件から、
「え? そっちいくの?」
 みたいな展開。
 最初の事件から最後の事件まで、ゆるむことなく楽しませてもらいました。
 ちょっと中身的に具体的なところは紹介できないっていうか、事前情報なしでプレイして欲しいんですが、
・閉鎖空間で起きる殺人事件
・一連の事件によって、全体の大きな謎が見えてくる
 こういうシチュエーションに燃える人は、ぜひ一度お試しあれ。
 そんなに難易度高くないですし、裁判シーンでのツッコミも「逆転裁判」より理詰めで推測しやすいです。
 小説的視点で考えると、いろいろ無理があるんですが、それを置いてもキャラクターの立て方や、ストーリーの転がし方など、いろいろ勉強になります。
月見月理解」が好きな人にも、ぜひオススメしたい一品でありますよ。