雨の中、傘を差しながらのビアガーデンはステキだったなぁ、としみじみ思う今日この頃。みなさまいかがお過ごしでしょうか。GA文庫K村です。
実際には30分ほど降られただけなんですが、パラパラパラっときた瞬間、お店の人がビニール傘と鞄を入れるビニール袋を配り、ビアガーデンは傘の花が満開状態。
もちろん我らがアブラ部の面々は、傘をさしたままよくわからないテンションで
「ぎゃはははは!」
などと笑い、かつ食らっていたわけです。
今にして思えば、あのテンションはいったいなんだったんだべか、となるわけですが、まあ楽しかったからいいや。
というわけで、そろそろネタが尽きてきた一問一答、その5でゴザル!
Q:今回から打ち出し原稿が不要になりましたが、ルビはどうすればいいんでしょう。
また、それによってテキスト量が増えてしまい、結果として応募要項に入りきらないような時は、どうすればいいでしょう。
A:そもそも辞書を引けば読みがわかるような単語にルビを振る必要はありません。
応募作の中には、普通に読める単語にまでルビを振ってあるものがあるんですが、あまり意味がないというか、ルビがなくてもたいがい読めます。きっと。たぶん。
ただし造語や特殊な読みをさせるものについては、当然ルビを入れてもらわないと読めませんし、場合によっては誤読して意味を取り違える可能性すらあります。
というわけで、ルビを振る場合ですが、ルビを振りたい単語の後ろに、(るび)のような形で入れてもらえれば大丈夫です。
例えば、“GA文庫編集部”という単語に“メタボ”というルビを振りたい場合は、
“GA文庫編集部(メタボ)”と書く。
()だと他の用途で使うから困る、という場合は、【】とか[]とかでもOK。
または、
“GA文庫編集部(ルビ:メタボ)”なら紛れがない。
ただし、ルビを振りたい単語がわかりにくい場合、というのがあります。
例えば、“GA文庫編集部の精鋭達”という単語に“メタボ”と振りたい場合などですね。
この場合は
“GA文庫編集部の精鋭達(GA文庫編集部の精鋭達:ルビ:メタボ)”のようになります。
これは傍点を振りたい、という場合も同じで、
“GA文庫編集部の精鋭達(GA文庫編集部の精鋭達:傍点)”とかそんな感じ。
激しく長くなります。
ただ、正直言ってここまで丁寧に書いてなくても、ルビがどこからどこまでかかるのか、に関しては文章の流れや他の単語のパターンなどからだいたいわかります。
そもそもそれが間違っていたからといって、作品の評価にはあまり影響しませんし。
なので、ことルビに関しては、あまり神経質にならないほうがいいと思います。
また、これによって文字量が増えるのが困る、というケースですが、ルビに該当する部分を除いて応募原稿が規定内の量に収まっているかどうかチェックする、などということは事実上できません。
なので編集部としては、なんとかして入れてください、としか言いようがありません。
あ、それからこれは蛇足になりますが、Wordのファイル(.docなど)は応募規定外です。
あくまでもテキストファイルでお送りください。
もしテキストファイルがワカラナイ、という人は、こちらを読んでくださいまし。
というわけで、長くなってしまったので今回はここまで。
iPhoneの「Sorcerer」を最初からやり直して幾星霜。
やっと僧侶と魔術師が育ってきたので、そろそろビショップに転職させようと画策中の今日この頃。みなさまいかがお過ごしでしょうか。GA文庫K村です。
それにしてもこの「Sorcerer」、モンスターを倒したときの経験値バランスが本家「ウィザードリィ」よりも若干リーズナブルになってる感じで、レベルアップのための経験値稼ぎがそれほどストレスなくやれますです。
なかでもK村的フェイバリットモンスターは、JAVAWACKIESという名前のカエルくん。
ブレス、状態異常付与、呪文などのイヤな攻撃は一切なく、ひたすら前衛に殴りかかり、仲間を呼ぶ。
HPが多めで硬いせいで、レベルが低いうちはそこそこ苦労しますが、前衛がある程度育ってくると絶好の経験値サプライヤーになりますです。
ウィズと言えば、グレーターデーモン道場が有名ですが、こっちはそれほど経験値がもらえないものの、リスクが非常に低いのが売り。
ありがとうカエルくん! あいらぶゆー!
というわけで、今日もカエル狩りをしながら一問一答その4です!
Q:現在発売されているこれまでの新人賞受賞作はパロディネタが多く見られます。応募作でのパロディネタについて、どうお考えですか?
A:それによって作品がおもしろくなるのなら入れればいいし、そうでないなら避ければよいのでは、というくらいの立ち位置です。
というか、パロディというのは受け手が元ネタを知っていて、そのうえで楽しむもの、という前提があります。
その時点で実は間口が狭い。
では審査において編集部はどのような読み方をするか、という話になるわけですが、端的に言うと、
「元ネタがわからなくても作品がおもしろいかどうか」
がひとつの判断基準になります。
「なんかよくわからんけど、勢いがあっておもしろい」
とか、
「元ネタがさっぱりわからないけど、楽しそうでいい感じ」
とか。
そんなふうに思えるかどうか。
言い換えると、元ネタがわからなくても楽しめる。
わかればもっと楽しめる。
そういう作りになっていれば大丈夫。
逆に言うと、作品がおもしろくなかったら、パロディ部分がどれほど優れていようともダメ、ということです。
入っていたから不利、ということにはならないし、入っていないと不利、ということでもない。
最終的な判断基準は、作品がおもしろいかどうか、ここだけがよりどころでありまする。
Q:すでに賞を獲っている作品とヒロインが同じ傾向、例えば人称が俺、暴力的である、加えてミステリ風味である、という作品は選考において不利になるのでしょうか?
A:え~、これだけの材料では有利も不利も判断できません、というのが率直なアレなのですが、さすがにそれだけだと全然回答にならないので少し詳しく。
既存の作品との相似が審査においてどのように扱われるか、という点に関してですが、それがオリジナリティのない“マネ”だったらさすがに落ちます。
それはもう間違いなく。
ですが、そうではなく要素だけを取り出して単語やあらすじレベルで比較したら確かに似ている、という程度のものであれば、問題ありません。
これまた先の質問に対する回答と被りますが、結局それが別作品としておもしろいかどうか、が問題なのです。
で、ある一定以上のおもしろさをクリアした後で、
「でもこれ、○○に似てない?」
という話が出た時に、単に要素が共通なだけなのか、それともマネと言えるレベルなのか、というところを判断するわけです。
もちろんそれ以前に
「これは○○のマネでしかないのでは。しかも不出来」
と判断されればそこで落ちますが。
あらためて質問に戻りますが、ここでの質問者さんの意図が、
「自分の書いているものが要素的に既存の受賞作と被るんだけど、それって大丈夫?」
ということであるなら、それは心配ご無用、とキッパリお答えできます。
まずは目指すものを追い掛けて書き上げてください。
そのうえで応募いただければ、心して読ませて頂きます。
というわけで、今回はここまで。
次にお会いするときは、グレーターデーモンを狩れるようになってるといいなぁ。
マルスが弱っちくてぐんにょりな今日この頃。みなさまいかがお過ごしでしょうか。
GA文庫K村です。
まあ、代わりにプレイヤーが作ったキャラクターが強いので、K村的には全然OKなんですが、スーファミ版の時からこんなに弱かったっけ? とか疑問な日々であります。
というわけで、K村的疑問をそのままに、一問一答その3スタート!
Q:応募は早いほうが有利? 遅い方が有利?
A:まったく関係ありません。
早めにきたものは、みっひーが先に振り分けてくれますが、早く振り分けられたからといって、ゆっくり時間をかけて読めるというものでもないのが実情だったりします。
また、自分の割り当て作品を読み終わった後で、もう一度最初から見直したりもしますので、送るのが遅くなったから不利とかそういうことはありませんです。
ちなみに、応募原稿がやってくるペースですが、基本的に締切1ヶ月前くらいから増えてきて、最後の10日でドカっとくるのがいつものパターン。
ここで全応募数の2/3から3/4くらいのイメージでしょうか。
そのため、どうしても後半にやってきた応募作に関しては、受領メールが遅れがちだったりします。
ヤキモキしてお待ちの皆様、申し訳ない。
Q:届いているはずなのに受領メールがこないんですが。
A:原因として考えられるのは、
・エントリーシートから応募者のデータを入力する際のミス
この場合、エラーメッセージが戻ってきた時点で再度チェックして送りますので、最終的には届くはず。
ただし、0(数字のゼロ)とo(アルファベットのオー)、1(数字のイチ)とl(アルファベット小文字のエル)、-(ハイフン)と_(アンダーバー)など、手書きだと判別しにくいものがアドレスに混じっている場合は、エントリーシートに書かれているアドレスが正しくてもこちらで読みとれずにエラーとなる可能性があります。
とはいえ、これに関しては第3回後期よりエントリーシートのデータも送って頂くことになりましたので、入力ミスさえなければ基本大丈夫のはずですが。
・エントリーシートに記入されているメールアドレスが間違っている
ドウニモナリマセン
ただ、携帯のメールアドレスの場合、キャリアでブロックする設定になっていると送信者にエラーメッセージが戻ってきません。
そのため、編集部は受領メールを送れたつもりなんだけど、応募者には届いていない、ということが発生します。
いずれにしても、こちらのメールアドレス(ga-info☆cr.softbank.co.jp ☆を@に変えてください)に問い合わせを入れて頂ければ、確認して折り返します。
なおその際、ペンネーム、本名、応募作品名、の3つをお知らせくださいませ。
また、問い合わせに関してですが、返事はできるだけ早く戻すようにしていますが、土日などの休日が絡んでいる場合、締切前後でエントリーシートの整理が終わっていない場合、などは若干時間がかかります。
とはいえ、着いたかどうかわからない状態でヤキモキし続けるのもつらいもの。
遠慮なくお問い合わせ頂ければ幸い。
Q:バッドエンドはダメですか?
A:そんなことはない、と言いたいですが、若干微妙。
できればバッドエンドは避けて、ハッピーエンドにしたほうがよいです。
といいつつ、ではハッピーエンドってなんでしょう。
K村的定義では、受け手が気持ちよくなるような物語の終わり方、であります。
よく主人公が死ぬとか生きるとか、ヒロインがどうなっちゃうとか、世界が壊れるとか壊れないとか、そういうひとつずつの要素がどうなるか、という“要素の落とし方”で判断しますが、大切なのはそこではありません。
別に登場人物がアンハッピーなラストでも、読者がハッピーに思えばそれはハッピーエンド。
大切なのは受け手の気持ち。
つまりパーツ個々の結末ではなく、全体としてどんな感情を受け手に与えたか、によって、ハッピーエンドだったりバッドエンドだったり、もの悲しいエンドだったりするのではなかろうかと。
まあそもそも論的に言うと、ハッピーエンドとかバッドエンドとか、そういう2択的に言い切ること自体が適切じゃないのでは? という気がします。
なのでハッピーエンド論議ってあまり好きじゃないんですが、全体としてはやはり読者が気持ちよく読み終えることのできるものがいい。
また、応募要項にもありますが、GA文庫大賞で求めているのは、
広義のエンターテインメント小説作品
です。
である以上、読後感が悪いもの、もっと言うと、不快になるようなもの、というのはよろしくない。
読者を気持ちよくさせてこそエンターテインメント。
その意味では、読者を気持ちよくさせるライトノベル作品かどうか、が審査の段階で問われている、とも言えます。
ではなぜ冒頭部分で
A:そんなことはない、と言いたいですが、若干微妙。
できればバッドエンドは避けて、ハッピーエンドにしたほうがよいです。
という軟弱な言い方をしたのか。
それは、審査の段階では、作品が面白く書けていれば読後感が悪くても通る可能性があるからです。
もちろん読後感の悪さをひっくり返すだけの面白さがないとダメですが、逆にそれだけのパワーがあれば通ってしまう。
その意味では、読者を気持ちよくさせないとダメですよ、というのは必ず守るべきルールではありません。
大切なのは、面白いかどうか。
編集部のメンバーがのけぞるような作品をお待ちする次第であります。
日々ラーメンがうまい今日この頃。みなさまいかがお過ごしでしょうか。
GA文庫K村です。
というわけで、一問一答その2、であります。
Q:異世界を舞台にしたハイファンタジーやSFってGA文庫大賞ではダメなんでしょうか
A:いいえ、そんなことありません。
例えばGA文庫大賞だと、
「魔法の材料ございます ―ドーク魔法材店三代目仕入れ苦労譚―(刊行時タイトル同じ)」
が異世界ファンタジーですし、
「絆は連環の如く無限 愛は盾の如く無敵(刊行時タイトル:無限のリンケージ)」
のように異世界ファンタジーと未来世界を合わせた作品もあります。
大切なのは、そこに息づくキャラクター達が魅力的かどうか。
ストーリーがおもしろいかどうか。
前にもこのブログで触れましたが、カテゴリーが直接審査に影響を及ぼすことはないのです。
ていうか、少なくともK村は読むときそんなもん意識しません。
純粋にライトノベルとして面白いかどうか、そこだけが大事。
ただし、異世界にしたことが作品に活かされているかどうか、設定に関する説明がうまくやれているかどうか、といったところはチェックします。
入れてある設定が使われていない、というのは読んでいて気になりますし、説明がグダグダだとそもそも何が起こっているか読者に伝わりませんし。
Q:視点人物がシーンごとに変わるような作品はダメなの?
A:そんなことはありません。
例えば、メインの視点は主人公サイド、敵対する相手方の視点が時々入ってくる、といったものであれば、まったく問題ありません。
それ以外にも群像劇的なものや、複数の視点でひとつの物語を構築するようなものも大丈夫。
ただし、視点人物を増やす、視点を頻繁に切り替える、というのは、それ自体うまくやらないと読者が混乱する可能性が高いです。
というわけで、特に注意してほしいことを挙げてみました。
その1:視点人物が変わったことが読者にスムーズに受け入れられること。
かいつまんで言うと、読んでいて
「を、なんだこりゃ、一体これはどこの誰の話だ」
とならないこと。
これは、上で触れた
・メインの視点は主人公サイド、時々それと敵対する相手方の視点が入ってくる
といった作品でも大切な要素です。
本来基礎中の基礎、というか、これができてないと文字通りお話にならないんですが、意外とできていない応募作が多いです。
その2:複数の視点が効果的に使われていること。
凝ったことをやりましょう、という意味ではなくて、単純に複数視点だからこそ、この作品はおもしろいんですよ、というのが明確にわかるようなものがいいなぁ、という話です。
例えば群像劇であるなら、中心に何か大きな事件があって、それを取り巻く人間模様、という構造になります。
または、敵側の視点を入れることで、そちらの事情というかドラマを見せ、戦いを思いっきり盛り上げるとか。
いずれにしても、全体として見せたい何かがまずあり、それを表現するために複数の視点、複数のドラマがあったほうがいい、という考え方が欲しい。
で、ダメな例としては、読者に作中のある情報を伝えたいのだけれど、視点人物が1人だけだとうまくできない、だから別の視点を入れてフォロー、とかそういう“著者都合による別視点の導入”パターン。
または、単に細切れの話がまとめてあるだけ、とか。
作品は全体でひとつのお話、というのが基本。
そこのところを意識して頂けると幸い。
その3:各視点の話が、過不足なく書けていること。
すなわち、それぞれのパートで、キャラクターや環境が立っていて、かつストーリーに対する興味がきちんとかき立てられること。
ここで注意すべきは、軸を増やすとひとつずつの軸に対して使えるページ数が少なくなる、ということです。
本来ひとつの話、ひとつのドラマであれば全てのページをそのために使えるはずが、複数のドラマを入れることで、それぞれのページが少なくなり、結果としてキャラクターやストーリーがきちんとまわらなくなる、ということがあります。
これは視点に限らず、要素でも同じで、いろんな要素を入れ込みすぎた結果、ひとつずつが使い切れずに崩壊、というパターンもよく見ます。
視点に話を戻しましょう。
まあ要するに、
・視点を分けました
・軸を複数にしました
・ひとつひとつが薄くなっておもしろくなくなりました
では困ります、ということです。
で、その1に関しては、単純に書く技術なので、しっかり理解していれば何とかなります。
その2については視点を増やしたい、増やす必要がある、となった時点でクリアできていないとそもそもおかしい。
その3に関しては、視点が増える=話の軸が増える、となるので、ひとつずつの軸に割けるページが少なくなる、ということを意識しつつがんばればOK。
まあいずれにしても、視点の切り替え、シーンの切り換え、というのは難しいものです。
少しずつスキルを身に付けて、作品のクオリティを上げてくださいませ。
といったところで、今回はここまで。
次回をお楽しみに。
レイアウト変更も終わり、新居(編注:編集部で生活するのは止めてください)でうっきうきな今日この頃。みなさまいかがお過ごしでしょうか。
GA文庫K村です。
以前ちょいと公式ツイッターでも呟いたのですが、GA文庫大賞に関する一問一答コーナーを作ってみました。
あまり難しいことには踏み込まないつもりですが、自分だけで考えていてもなかなか答えの出ないようなことについて回答していきますので、多少なりとも参考にして頂ければ幸い。
ただし、ここで触れているのはあくまでもGA文庫大賞での話です。
他の賞がどのようになっているかは、正直わかりません。
そのあたり、ご利用は計画的にお願いします。
というわけで、早速スタート。
Q:応募者の平均年齢は?
A:第3回前期の平均年齢は27.1歳でした。
ちなみに上は60代が2人。
一番下は14歳。3名様。
10代の応募者は28名様29作品。
10代できちんと書き上げて応募してくる、というのは素直にスゴイと思います。
さすがに一次通過率はあまりよろしくない印象ですが、中には
「あ。これいいわ」
という作品もあったと聞いていますし、K村が担当した作品の中にも、2本ばかり一次通過作があったような気が。
ぜひぜひがんばってくださいませ。
Q:地方(海外)在住だと不利ですか?
A:審査に関してはまったく関係ありません。
というか、そもそも応募作を読むときに応募者のプロファイルは見てません。
なので、審査そのものに関しては影響なし。
ただし、受賞したあとについては遠距離、特に海外だといろいろ不自由だと思います。
特に受賞→プロになる、という段階では、作品に取り組む姿勢や創作そのものなど、いろんなことがドラスティックに変わります。
そうしたとき直接編集担当と会って話ができるかどうか、というのは結構デカイ。
まあ国内であれば何とでもなりますが、さすがに海外はシンドイかもしれません。
ただ、他のレーベルさんですが、実際海外に居住しながらライトノベル作家をやっている方もいらっしゃいますので、それほどナーバスになる必要はないと思います。
Q:他の賞に応募して落選した作品で応募しても大丈夫でしょうか。
A:先に応募した賞の規定にもよりますが、通常落選した応募作に関してはその後どこで使っても問題ないはずなので、その意味では大丈夫。
ただし、一部応募した全ての作品に関して、著作権は賞の運営母体にある、という規定になっているところがありますので、そうしたところに応募した作品は、そのまま転用すると問題が発生する可能性があります。
そして使い回し作品でのGA文庫大賞への応募ですが、改稿してあるにせよしてないにせよ、それが審査に影響を及ぼす、ということはありません。
というか、そもそも読む段階ではとにかく“目の前の原稿”にしか注意を向けなかったりするので、それがどういう経緯でできあがった作品か、などといったことはどうでもよろしかったりします。
ここだけの話、K村は読むときあらすじ見ません。
だってそのほうがおもしろいぢゃん。
ただし、ここでひとつ言っておきたいのですが、もし本当にプロを目指すのであれば、完成したひとつの作品を大切に使い回すだけではなく、新しい作品を同時に投入して勝負したほうがいいです。
理由はざっくり2つ。
その1 スポーツでも何でもそうですが、実力を付けるためには反復練習が大事。
てことは、受賞前にはとにかくたくさん書くことが実力を付けるための近道。
まずは1本完成させる。
次に完成作品をとにかく増やす。
必要に応じて、シーンや会話などのパーツを練習する。
こうした書き続ける努力が基礎力になります。
その2 プロになった場合、受賞作の続きを書くように求められたり、新しいシリーズを立ち上げたり、より売れる方向へのチューニングを求められたりと、作品のバリエーションが必要になります。
そのとき、新しいものを次々書いてきた人のほうが、対応力がある。
デビューしちゃってから右往左往するよりは、事前に基礎力をつけておいたほうがいいですよね、というだけの単純な話ではありますが。
と言いつつ余談ですが、審査の段階で常連さんとか複数応募してくれている方に関して話題になることがあります。
というのも、審査は作品に対して行うものですが、編集部が賞を通じて必要としているのは、“書き手”だったりします。
すなわち編集部としては、応募者が書ける人かどうか、について関心が非常に強い。
なので、複数の作品が審査員に読まれている人に対して編集部では、
・この応募者はどんなものが得意なんだろう
・この作品はこういうふうに修正したほうがいいと思うんだけど、対応できるだろうか
・複数応募してきてるし、他の賞にもいつも送っている。ということは書くスピードが速いのでは?
といった話が出るのですね。
これがいい方向に働くと、結果として編集部から応募者に声をかけやすくなる、という効果があります。
もちろん逆に、
「この人は、たくさん応募してくれているけどどうなんだろか……」
ということにもなりかねないので、粗製濫造すると自分の首を絞めますが。
というわけで、ちょいと話がそれましたが、使い回し作品での応募は問題ありません。
ただし、書く力を付けるには、書き続けるしかありません。
その意味でも常に新作を書く努力はして欲しいなぁ、と思う次第であります。
といったところで今回はオシマイ。
近いうちに続きをやりますので、しばしお待ちくださいませ。